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スタート地点からの出発
「~♪」
どこからか電話の着信音が聞こえてきた。
「もしもし?あぁ、君か。」
どうやらネイロさんの携帯にかかってきたようだ。
「今すぐ会いたいって?今ちょっと忙しいんだけど…。な、なに?!至急そちらに向かう!」
「何かあったのか?」
ネイロさんは急に慌ただしく出掛ける準備をし始めた。その行動の理由は何だろう。まさかまた世界の危機が訪れようとしているのか…?!
「何でもない…もん!」
どうやらこれは嘘のようだ。口調がいつもと違う上に裏声になっている。
「とにかく俺は出かけてくるから後はよろしく!ムー!!」
「おい、ちょっと待て…行っちまったか。理由ぐらい話していけよなっ。あいつは本当嘘つくの苦手だよなぁ。」
どうやら相棒にさえ呆れられているようである。
「よ~し!龍也!お前を良い所に連れていってやる!あいつが知ったら怒るだろうなw」
さて、その良い所とはどんなところなのだろうか。
「ほら!早く行こうぜ!!」
ムーもなんとなく楽しみにしているようでいつもより激しくふわふわと浮いている。
「おう!」
こうして俺はやっと、洋館から外の世界へと一歩踏み出した。