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チートゴースト  作者: 未知風
1章「始まりの町」
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5話「この世界の料理は食べれるけど何か変《おかしい》」

私たちは二階に着いた。そこには私たちと同じように飯を食べてる人間達がいる。武器や防具を持ってるのが多い。だから私の格好を見て「アイツなんだよ。あんなので魔王とか倒せたらウケるんだけど」などと言っている。そういう奴らには笑わせておけばいい。後で笑うのは俺なのだから。

席に着くなり、テンマはこう言ってくる。


「兄貴、大丈夫か?俺はあんたが弱いとは思わねぇ。あぁ、あった当初はステータスが弱くてびびって焦ったよ。だが、兄貴はこんな強い二人を率いれる強さというかなんというか……そう、運命がある。いつか魔王だって倒せる可能性だってある。いや、魔王を倒すのは兄貴たちしかいない」

「お世辞ありがとう」

「お世辞ではない。それに俺も加わったんだ。俺は変なアイテムばかり手に入れちまうからよ。なかなか仲間になってもらえねぇんだ。だが、兄貴は違った。俺を仲間にしてくれた」

「あぁ、強制的にだけどな」

「強制的?」

「いや、こっちの話だ。だが、仲間が増えれば楽しいことに限りない。強さや弱さ?無駄?チート?それらは楽しいからこそ言えることだろう?そういうことだ」

「兄貴ー!!」と嬉しがって私に抱きつこうとしているテンマ。

「うわぁ、横でむっさい男たちがぺちゃくちゃしゃべってるわー」


相変わらず口悪いな、この天使有川は。というかこいつらいつの間に注文してるの?というか幽霊見えてる奴とかいるのか。


「あのあなた方はどうします?メニューから注文してもらえれば私が行ってきます」


そこには黒い浴衣の女性がいた。


「あのぅ、変なことを聞くのですが幽霊とか見えてます?」

「あら、お客様はおかしなことを申しますわね。私は全てのお客様に配膳をするのがお務めです。この食堂の入り口から入られた人の中で私たち以外は全てお客様だと思っております」


その言葉に安堵していたら後ろからの話が聞こえる。


「おい、見ろよ。あそこに誰もいないのに飯が浮いてるぜ?」と男の声。

「はっ?何言ってんだよ……ほんまや。それにしてもサンマうめえな」とサンマを食ってるらしい男の声。

「まっ、いいか。飯食おう」と先程の男の声が聞こえるなり、話はそこで終わったらしい。


「なるほど、そちらの方がユキさんが言っていた幽霊さんですか。お客様方、お気になさらずに。他のお客さんたちもあんな感じで気にしないでもらえると思います」

「くっ、あの子め。べらべらと」と私が言うと、彼女は首を横に振った。

「いえいえ、彼女は私にしか話してません。私も他の人に話す気はありません。それが彼女なりの気配りであり、おもてなしなのです。そしてそれに答えてあげるのが私のお務めでもあります。そういえばまだ名乗ってませんでしたね。私はユリ・アモネーラと言います。ユキの実の姉です」

「えっ?ユキさんと見た目全然違うのに」とテンマは言う。

「アホ。失礼だろ?」と私は諭す。

「いえいえ、よく言われますから。ただ私たちにとって唯一強い共通点があります。それは幽霊に興味があること。それだけはどんな姉妹、もしくは兄弟にも負けませんわ。ですのでどうぞ私たちになんなりと申し付けてください」

「ふぅん……」とテンマは薄気味悪く笑う。


その後、私たちは料理を頼んだ。

その料理は何か色々と変だった。ほぼリアルと同じ食事の名前だった。

白いお米のご飯だけは前いた世界とは変わらなかった。

しかし茶色い肉のハンバーグの中にチョコレートが入っていたり、トマトの中にヨーグルトが入ってたりお味噌汁がゼリー状だったりとやたら何かがおかしい料理だった。新鮮で美味しいと思うのもあれば今後は食べたくないという料理があった。それでも私たちの頼んだ皿はどの皿を見ても食べ残しは一つもなかった。もちろん、かけらとかは残っていたが。

食べている最中に私たちはこんな話をしていた。


「質問なんだが」

「なんだ?兄貴?」

「俺たちは何をすればいいんだ?」

「魔王を倒すことが目的ですぜ、兄貴」

「じゃあ、その魔王はどんな奴だ?」

「それが戦った奴らは全て全滅生き残った奴はいないと言われています。それどころかどこにいるのかさえ分からないのです。なので旅をしながら聞いていくのが普通のスタイルなのです」とテンマは長々と説明する。

「残念なことに魔王の居場所、私知ってますよ。ただどんな奴かはデータに入ってません」と花咲さんは言う。

「えっ?なにそれ?幽霊ってチートやん。敵が何者かなんて知らなくてもいい。ルートさえわかれば後は倒すオンリーだ」とテンマ。

「そうね。私も半分くらいの道のりは曖昧だけど知ってるかもしれないわ」と有川さん。

「だが、今日はもう遅いから寝るか。買い物も明日でいいよな」

「えぇ」


有川さんの返事とともに頷く男女。そして私たちは部屋に戻るのだった。

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