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チートゴースト  作者: 未知風
3章「王都をめぐる闘い」
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8話「新たな道を進むには来た道に約束を」

執事の案内で客室間に入る私たち。


「では、ゆっくりおつろぎください」


執事は去って行った。


「みんな、荷物をまとめてすぐ出れる準備をしろ。夜中に内緒で出るぞ」

「えー、せっかくだから休もうよー」と花咲さん。

「最低最低最低……」と未だに連呼するユキさんが怖い。

「じゃ、そういうことで。有川さん、ちょっといいかな?」


私は有川さんを連れて外に出る。そして離れた窓際で振り返る。


「あのう、告白とか辞めてほしいんですけど。死亡フラグになるので」


誰が言うか、と思いつつ彼女に母親からもらった本の赤い栞を挟んであったページを開いてみせる。


「それが何よ?私なくてもいいじゃない?」

「俺、飛べないから」

「はぁ?私だって飛べないわよ?むしろ適任がいるでしょ?」

「花咲さんか?彼女疲れてるって言ってたろ?」

「私だって疲れてるわよ?」とキレ気味で言われる。

「だから等価条件だ。お前は俺の魔法でその翼で飛べるようになる代わりに俺を空に連れていけ」

「はぁ?意味わかんないんですけど?でもまぁ、あんたのその思い分かったわ。やってあげなくもないわよ?」

「……」

「やってあげるって言ってんのよ。ほら、早く私にそれぶっかけなさい」


私は本を開き、「フライングカスタム!!」と言う。


「これで本当に飛べるのかしら?」と彼女は窓を開けるなり、灰色の羽を上下に動かして窓際から離れた。


彼女は上下左右自在に飛び回った。


「大丈夫そうだね?」

「困ったわ。あなたをどうやって連れて行こうかしら」


困った顔をこちらに見せて訴えかけてくる。


「こっちに来て床の上から抱っこした状態でいいのでは?」

「炊飯ジャー」


久々に懐かしい返事を聞いたと思い、私は彼女の胸に背中を預ける。そしてそのまま飛んだ。


「柔らかい」

「ひゃっ……もう!!落としますよ?」

「ごめんごめん」


私たちはこの町全体を見渡せる空に付く。やはり傷跡はひどかった。


「オールクリアヒールアラウンドエリア」


町の傷跡がみるみる回復していく。


「よし、戻るか」


私たちは窓際に戻り、部屋に戻る。すると二人の冷たい視線がこちらを見る。絶対、ユキさん、花咲さんに話したな。そんなことをよそにテンマは寝ていた。


「なっちゃん、その人に何された?ひとまずおいで」と花咲さん。


花咲さんと有川さんの二人で耳打ちをしていた。もう一人冷たい視線が増えてしまった。


「あのう、視線が冷えるんですけどー」

「最低男さん、やっぱりあなたは最低でしたね。トイレに……」


ユキさんがそう言った時、ノックする音が聞こえた。扉からアポロニアが現れる。


「ん?どうしたのですか?」

「かわいそうに。おなか大丈夫?」


私はユキさんに飛び蹴りをして黙らせる。さすがダメイドだ。


「私のおなかは大丈夫ですよ?あっ、もしかしてもう気がついちゃいました?」

「ふあ~」


何、呑気にあくびしてんだよ、テンマ。


「よう、アポロニア」

「お目覚めですか?あっ、話脱線しましたね?私は実は女なんです。でも私は一人っ子として生まれたため、男の姿で王として生きなくてはなりませんでした。王の実の夫婦以外は子を王にすることはできないのです。それがこの城の掟なのです。えぇっと、すべてのこの城の話をすると長くなるのでやめますが、話が長すぎただろうかつての初代の王はこの城にそういう掟を作らせたのです。したがって私のような女も城の歴史の中では男の王として一生を過ごしてました。ちなみにそういうこともあって結婚は相手側は男女どちらも選択できました。ちらっ」


彼女は私をチラ見する。そしてそのまま続ける。


「私は健さんにあそこ触られたり、トイレを共に連れられしてしまったりなどしましたが、恥ずかしかったりなどしましたが許します。しかし私の恋人になってください。今は返答いりません。魔王と戦って勝った日には答えを聞きに行きます。だからそれまで考えていてください。まっ、他の国の王に恋をした女たちは約束のキスを交わしたりするかもしれませんが、そんな卑怯なことはしません。もしかしたら、この中に私よりもあなたのことを思っている人がいるかもしれませんから」


彼女はそういうと後ろの誰かにウィンクをして片目を一瞬閉じた。


「さて、あなたたちはいつでかけますか?」


私の心臓の鼓動が早まった。なんて答えればいいんだ。祝いをしてあげなければいけない彼女なのに。


「宴の後だから明日かな」と私は嘘をつく。

「違いますよね。今夜、静かに旅立とうとしてましたよね?」

「おっしゃる通りです」

「ならば私が瞬間転移させます。なので今すぐにあなたたちの行きたい町に行けます。どこでしょうか?」

「ちょこちょこ町≪ちょう≫です」と花咲さんは言う。

「かしこまりました」

「ちょっとタンマ」


いきなり声がかかったから見てみたら、その声の主はテンマだった。


「どうした?」

「兄貴、すんません。俺、ここにしばし残るよ。だから俺の分までみんなをよろしく」

「そうか。なら、お前にも頼みがある。アポロニアを。いや、この町にいるみんなをよろしくな」

「おうよ」


私はテンマと右手の拳を合わせる。彼がそうして欲しいと言ってきたからだ。


「なら、私も置いて行ってもらおうかしら。見た目はメイドですし?」とユキさん。

「見た目だけだけどな?それに大丈夫そうだろ?」


私が言った瞬間に素早いスピードで彼女の後ろ首を目がけてテンマは手のひらを横にあてて気絶させた。私にユキさんを渡してきた。また柔らかいもの当たってるんですけど。


「こんな危険物ここには置いておけねえよ」


いや、彼女が目が覚めたら俺危険な目に合うわ。さっきのこともあるし。


「では、吉田さん、花咲さん、有川さん、ユキさんの四名を転移しますね。よろしいですか?」

「その前にテンマのチートマップ解除。うん、いいよ」と花咲さん。

「よし、行くか。頼むぞ、ちょこちょこ町へ」と私は言う。

「これってよく考えたらさ……」


有川さんの話途中に私たちはアポロニアの”ワープジェット”という魔法でワープした。そして到着した町で私たちは……。

次回より4章に入ります。

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