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チートゴースト  作者: 未知風
3章「王都をめぐる闘い」
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3話「私がリーダーになった日はラーメンの匂いがしました」

なんとか倒せた私たちは花咲さんが落とした岩の方へ行く。


「穴は空いてるのに岩どこいった?」と私は言う。

「何言ってんだか、私は幽霊よ。攻撃さえ当てれば意味なくなるから消えたわ。証拠隠滅みたいに。私たちのいた世界だって驚かした幽霊はいつの間にか消えたじゃない」と花咲さんは分かりにくい説明をする。


私はなんとなく彼女が持っていた長い剣を拾う。鞘も近くに投げ捨てられていた。それも手に取った。そこには『国境』と書かれていた。


『無能は”国境”を手に入れた。有能……いや、吉田にランクが戻った』


ん?私はただこの剣を手に持っただけだぞ。それどころかこの剣は”こっきょう”と呼べばいいのか?”くにさかい”と呼べばいいのか?システムメッセージや鞘の文字を見ただけでは分からない。


「それは”くにさかい”ですよ。私はあなたのナビですから」と花咲さんは言う。

「なんかいい雰囲気なのはいいけど、ヤバたんかもよ」と有川さんは言う。


有川さんが見てる方は城らしき所から続々出てくる柄の悪い人間や人間に近く耳がやたら尖っている種族……そう、私がゲームでやってた記憶で言うならあれはドワー……なんでこいつらラーメン食いながら集団でこっち来るの!!正確に言うと箸でそれを息かけては口に入れずに丼ぶりに戻してるだけだけど。


「あれは”ラメーン”という種族ですね」と花咲さんは言う。


それ、明らかにラーメンをドワーフのように言っただけだよね。それよりもどうすれば。


「俺、あんな奴ら、たぶん見たことねぇ」とテンマ。

「私もないです」とアポロニア。

「困ったわ。私の翼でも限界があるわ。あんな大量なんていつの間にかこぼれるか、壊れるわ」と有川さんは言う。


待てよ。こういう時って人の技を奪えたりするんだよな。よくあるゲームとかは。

私は彼女がしたように剣を振りながら「国境国境くにさかいこっきょう」と言うが何も起こらない。


どんどん近寄ってくる奴ら。

剣を何回も振るう私。

不安そうに立ち尽くす仲間たち。

私たちに見下されたかのように落ちてるミストリア。


そんなふうにしばらく時間が経過して「なんで出ないんだよ」と心の中で嘆き始めた時だった。あと十歩ぐらいで私たちに襲いかかるであろうラメーンたちをどういう訳か、全員城の前まで波を作るかのように吹き飛ばしてしまった。山となって積み重なって城の半分ぐらいの高さまであった。


『吉田はチート能力ゴーストにより国境国境を覚えた。全ての敵を薙ぎ払った』


そう、これが初めてチートを使った時だった。何はともあれ、何も起こらなくてよかった。私は後ろを振り替えるとみんな驚いた表情をしている。


「そうだ、お母さん……」とアポロニアは言う。

「女王様か」とテンマは言う。


その途端、白い城が急に黒く変わった。何とも禍々しい。


「どうせ、ここは通過しなければならない町だったからちょうどいいだけですからね」とユキさんは顔を逸らすなり言う。

「天使である私はこんな下衆な行為なんて見逃すとでも?」と有川さんは言う。

「みんなの意見は満場一致ね。リーダー、どうする?」と花咲さん。


私の顔をみんなは期待するかのように見る。


「俺がリーダー?」

「何ですか、今さらですか?あんなに指揮ってたのに。それにあなたのステータスは史上最高レベルなのですから」とユキさんは言う。


ユキさんにそう言われてステータスを見る。そこにはどれも文字や数字がない。いや、花咲さんのプラスの方はあるが私の方は攻撃も防御も何も書かれてないのだ。バグとも思われる感じであるが、これがこの世界の最高レベルらしい。

今まで指揮っていたが、事実上のリーダーになったらしい。なら、今やることはただ一つ。


「こんなことをした奴の首を切り落としに行くぞ!!」


私が言うと、「おぉー」という声が仲間から聞こえる。そして城へと目指すのだった。

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