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ナイフじゃない!

俺は、そこに書かれていたレベルを見て呆然とする。


「どうなってるんだよ...これ?」


すると突然、


「ちょ、ちょっとこちらへ!」


受付の人に、更に奥へと連れてかれる。


奥へ進むと先ほどの機械の三倍大きい機械があった。

その機械の前に先ほどと同じように立たされる。


「この機械は、更に詳しい情報を出すことが出来る装置です。...先ほどの機械は壊れていたようですね。 だからもう一度計らせて頂きますね」


そう言われ、俺はもう一度さっきと同じように水晶に手をかざす。


ピーーっという音が鳴る。


「はい、今度は大丈夫かと思います」


受付の人が出てきた紙を取り、内容を読み始める。

すると、読み始めてすぐに紙を床へと落としてしまった。


「何やってるんですか...」


俺はそれを拾い上げ、内容を読む。





新屋 健人


種族:魔族/人間


レベル:15億3千万


攻撃力:560368580

防御力:862475000

素早さ:480295430

ラック:2500


スキル:『反発』、『抜刀術(無情)』、『高速抜刀』、『快刀乱麻』、『殺陣』、『制御』、『成長促進』、『異常成長』、『バーストモード』、『共鳴』、『輪唱』、『上限突破』、『汚染』






えげつない事になっていた。


「ぶほぉっ!」


思わず吹き出した。


「あ...なた、何者なんですか...?」


膝をガクガクさせている受付の人に問われる。


「知りませんよ! 何がなにやら...」

「と、取り敢えずギルド長へ報告しに行ってきますので待っていて下さい!」


そう言って受付の人は走ってギルドへと戻っていった。





その後、俺はギルド長からいくらかの金を渡され、また日を改めてもう一度ギルドへ来て欲しいと言われた。

宿を紹介され、俺はそこでしばらくは滞在することになりそうだ。









俺は、ギルド長からついでにもらっておいた装備(初心者防具一式とナイフ)に着替え、宿屋へ向かう。


「へぇー、ここが『鴨足草亭』か...」


案外綺麗な外装だった。

中に入ろうとすると、後ろから肩を掴まれた。


「ん?」


振り返ると、後ろには四人の冒険者らしき人が立っており、そのうちのゴツい鎧を着たやつが俺の肩を掴んでいた。


「おいおい、待てよテメェ...見るからに初心者の格好してるやつがこの宿に何の用だよ?」

「へ? いや、今からここに泊まる予定なんですが...」


そう言うと、四人は大声で笑った。


「ここは初心者が泊まるような宿じゃねぇんだよ、俺らみたいな2級冒険者から泊まれるんだ!お前みてぇーな雑魚は他の宿へ行け!」


酷い言われようだった。


「あなた方は今からここに泊まるんですか?」


そう聞くと、ゴツいやつの後ろにいた爽やかな男が答える。


「ああ、クエストが終わったからね。 僕たちは大体ここに泊まっているんだ」

「そうなんですか、それと2級冒険者と言っていましたけど、それってどういう意味なんですか?」

「君は等級も知らないのかい? ギルドで教えてもらえただろう?」


いや、聞いてないぞ。 初耳だ。


等級について聞こうとすると、


「ねぇー、こんなやつに構ってないで早く休みたいんだけどー」


爽やかな男の横にいる露出度の高い女が、会話を遮ってきた。


「そうだね、早く休もう...じゃあね、他の宿が空いてるといいね」


爽やかな男がそう言い、


「ふん、雑魚が。 とっとと失せろ」


鎧の男が吐き捨てるように俺に罵声を浴びせ、四人は中に入っていった。




...数分後、


「よし、そろそろ入るか」


俺は『鴨足草亭』へと入った。





中に入ると、奥から女将さんが出てきて歓迎された。


その後、この世界に来て初のご飯を食べ、堪能したあと、自分の部屋へと戻った。


「はぁ~...旨かった」

味は薄いが、どちらかと言えば薄味が好きなので、満足だった。


「さて、状況を整理するかな」


ベッドでゴロゴロしながら整理をする。



まず、今の状況に至るまでの過程はこうだ。



1、異世界転生する。


2、転生したあと、何故か空の上からスタート。


3、無事に着陸するもびしょびしょ。


4、服を乾かしている時にメニュー等の存在を知り、自分のステータスを知った。


5、洞窟内で野宿する。


6、洞窟内で目が覚めると何故か血まみれ。


7、洞窟内での初バトル...といっても壁に叩きつけてそれから逃げただけだが。


8、洞窟から出た後、街を見つけて中に入る。


9、冒険者ギルドで冒険者になろうとする。


10、俺のステータスが異常なまでに成長している事を知る。


大体こんな感じかな。


次にメニューを開いて、ステータスを確認する。


「ん?」


メニューを開くと、なにやら称号というのが追加されていた。

開いてみると、







称号


3件の新しい称号があります。


NEW!


ウォーリアーオブコボルドロードを討ちし者


キングデスポリューションスパイダーを討ちし者


前人未到








「なんじゃこりゃ...」


そこには、なんか強そうなコボルドとスパイダーの名前をしたやつを倒した感じの事が書かれていた。

勿論、倒した覚えはない。


詳しい説明が出せるかやってみると、数秒後に説明文が出て来た。







ウォーリアーオブコボルドロードを討ちし者


・・・ウォーリアーオブコボルドロードを討伐すると取得できる。

この称号を獲ると、スキル『快刀乱麻』を習得可能になる。



モンスター情報


No.705 ウォーリアーオブコボルドロード


討伐推奨レベル 2億程度


降り下ろされる剣は全てを断ちきる。

近距離の戦闘を挑む者は馬鹿。








キングデスポリューションスパイダーを討ちし者


・・・キングデスポリューションスパイダーを討伐すると取得できる。

この称号を獲ると、スキル『汚染』を習得可能になる。



モンスター情報


No.589 キングデスポリューションスパイダー


討伐推奨レベル 5億程度


全てのデバフを兼ね備えた恐ろしいクモ。

スキル『全状態異常無効』等の状態異常に関する防御スキルを全て無視して状態異常にしてくるのでたちが悪い。

過去の討伐歴は無い。






前人未到


・・・歴史上初めての事を3つ成し遂げると取得可能。

この称号を獲ると、スキル『上限突破』を習得可能になる。







ご丁寧にモンスターの情報まで出てきた。

しかし、やはり全く倒した覚えは無い。


「わからないなぁ...まぁスキルを習得したのはうれしいけど」


称号を閉じて、ステータスのスキルの詳細を確認する。







スキル


12件の新しいスキルと、1件のスキル情報のアップデートがあります。



『反発』・・・1回反射をスキルレベルの上昇により、18回反射可能になりました。

更に1億ダメージを25億程度のダメージへと上昇しました。


現在のスキルレベル:159





NEW!


『抜刀術(無情)』


・・・片手剣専用パッシブスキル。

抜刀時に斬りたい対象が視界に入っていれば、距離を無視して斬ることができる。

抜刀後は速やかに納刀する。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・剣を抜くスピードを15%上昇。

・抜刀後の納刀スピードが30%上昇。

・片手剣スキルで、抜刀モーションが入っている技の場合、その技の威力を100%上昇。

・抜刀から納刀までの動きがとてもスムーズになる。

・5メートル以内に斬りたい対象がある場合、視界に入れなくても斬ることが可能。

・剣を納刀している時間が長ければ長いほど抜刀時、抜刀スピードアップ。(最大50%)


現在のスキルレベル:80






『高速抜刀』


・・・剣の抜刀スピードが上がるパッシブスキル。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・抜刀スピードが更に360%上昇。

・斬る対象が有機物の場合、抜刀スピードが95%上昇。


現在のスキルレベル:79





『快刀乱麻』


・・・この世に存在するモノ全てを斬ることが可能になるパッシブスキル。

習得には条件がある。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・空間を断てるようになりました。

・この世に存在しないモノ(ゴースト系モンスター)も斬ることが可能になりました。


現在のスキルレベル:75





『殺陣』


・・・自分から周囲10メートルの範囲に入ったもの全てを切り刻むスキル。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・30メートルまでなら範囲を伸ばす事が出来るようになりました。

・峰打ちで半殺しに出来るようになりました。


現在のスキルレベル:70





『制御』


・・・レベルが1000を越えると自動習得。

自分の力を1%までダウンさせる事が出来る。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・自由に力を制御出来るようになりました。


現在のスキルレベル:6000





『成長促進』


・・・普通よりレベルとステータスとスキルレベルの伸びが良くなるパッシブスキル。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・更にレベルとステータスの伸びが良くなりました。

・10分に一回、レベルとステータスとスキルレベルが1から10のどれかの数字分上昇。


現在のスキルレベル:3582





『異常成長』


・・・成長促進のスキルレベルが1500を越えると自動習得。

更にレベルとステータスとスキルレベルの伸びが良くなる。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・生きているだけでレベルとステータスとスキルレベルが上がる。

・30分に一回、攻撃力、防御力、素早さのどれかにプラス5000する。


現在のスキルレベル:2650





『バーストモード』


・・・使用すると、1分間使用者のステータスを100倍にする。

使用後、1時間のクールタイムと、5時間の間、自分のステータスが80%ダウンする。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・クールタイムが30分になりました。

・ステータスのダウン量が50%に軽減されました。


現在のスキルレベル:50





『共鳴』


・・・自分から、半径10キロメートルで発生したバフが自分にもかかるようになるパッシブスキル。

更に自分にかかったバフの効果を3倍にする。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・かかったバフの効果持続時間を5倍にする

・自分にかかったバフの効果を更に3倍


現在のスキルレベル:56





『輪唱』


・・・詠唱を唱えている声が聞こえると、それと同じ詠唱をすることができる。

このスキルによって出された呪文の威力は普通の2倍。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・一回自分で出した事のある魔法を食らった場合、ダメージを無効化する。

・呪文の威力を更に6倍。


現在のスキルレベル:53






『上限突破』


・・・レベルが99999999を越えると自動習得。

それ以上にレベルを上げることが出来るようになる。





『汚染』


・・・繰り出す攻撃全てに何らかのデバフを付与するパッシブスキル。

デバフの種類はランダムで、毒、神経毒、致死毒、麻痺毒、睡眠毒、炎症毒、凍結毒、遅効性爆発毒、感染毒のどれかが出る。

スキルレベルが上がれば性能が上がる。


スキルレベル上昇により、

・他の世界の毒を使用可能になりました。

(例、ヒ素、マスタードガス、シアン化カリウム、リシン、ストリキニーネ、ボツリヌス毒素、ポロニウム210等々...)


現在のスキルレベル:402







「...俺が手にするべきはナイフじゃない! 片手剣だ!!」


俺はスキルの説明文を読み終えると、即座に腰に着けていたナイフを投げ捨て、部屋を飛び出した。


部屋の外にいた女将さんを見つけ、


「すいません! 夜でも開いてる武器屋ってありますか!?」

「え? え、えぇ少し遠いですが前の通りを右に真っ直ぐ行けばありますが...」

「ありがとうございます!」


宿屋を飛び出し、武器屋へ抜刀用の片手剣を求めて駆け出した。






読んで頂き、ありがとうございます。

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