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びしょびしょ

ゴォォォォォォォォォ!


俺は、さっきからずっと聞こえているうるさい音を不快に思い、目が覚める。


「なんだぁ? さっきからうるせぇな...ってハァァァ!?」


目の前にはどこまでも広がる空、眼下に見下ろせるのは、広い大地だった。


...つまり、俺は今、空中で自由落下していた。


「エエエ!? どうなんの俺!?」


このままでは確実に落下死するだろう...いや、確実にする。


「ど、どこか落ちても大丈夫な場所は!?」


幸いにも、俺の後ろは海だった。

海があるのだが、


「クソッ! 少し遠いな、いけるか?」


俺は急いで服を脱ぎ、空気抵抗が大きくなるように広げ、少しでも落下スピードを落とす。


「あと少し...もう少しだ!」


ザッバァァァァァァァァン!!


俺はギリギリだったが、海へ思いっきり音をたて、着水した。











びしょびしょになりながら、海岸へ上がる。


「はぁ、いきなりエライ目にあったわ」


溜息をつきながら周りを見る。

目の前には森しかなかった。


「森かぁ...虫は苦手なんだよなぁ」


しかし、一刻も早く街に着いてゆっくりしたいので文句は言ってられない。


「・・・服を乾かしてから進むか」


森の入り口の木に絞った服を掛ける。


「ん?」


掛けたズボンのポケットに何か入ってるみたいだ。


「何だこれ?」


見たところ紙のようだが、


「...濡れてないな」


開いてみると、チュートリアルと書かれていた。


「おお! チュートリアルあるのか」


書いてある内容を読む。






“チュートリアル”


1、自分のメニューを開いて見る。


終わり。






「少ねぇ!!」


一瞬で内容を読み終わった。


「メニューって何なんだ?」


そう言うと、頭の中で何か出てきた。







ステータス


持ち物


現在時刻


装備







「おおー、色々出てきた」


取り敢えずステータスを選択する。






新屋 健人


種族:魔族/人間


攻撃力:12

防御力:10

素早さ:11

ラック:6


スキル:未所持






「ハァ? 何で種族が魔族なんだよ!」


憤りながら自分の身体を確認する。


「へ? あ、あれ?」


耳を触ると何故か少し長くなっているし、何より白髪になっていた。


「どうなってるんだ!?...待てよ」


確か、ブラッドの胸ぐらを掴もうとする時に、なにやら転生の魔法をかけたとかなんやら言っていたような気がする。


「あいつのせいなのか?」


取り敢えず不細工な顔になっていたらぶっ飛ばしてやろう。


「よし、次は持ち物だ」


そう言って、持ち物を選択する。






持ち物


懐中電灯

非常用食糧

スキルの書






「ん? スキルの書?」


何だろうと思うと、補足説明が出た。





スキルの書・・・ランダムでスキルを修得できる。


修得できるスキルのジャンルを選択することが出来る。


ジャンルは攻撃系統、防御系統、回復系統の三種類。








「いいね、少しは良いものをくれるじゃないか」


少しはあいつのことを見直し、早速使用することにした。


「ジャンルは...防御系統かな」


そう指定した瞬間、持ち物からスキルの書が消えた。


「早いな! もう修得出来たのか」


ワクワクしながらステータスのスキルのところを見る。





スキル:『反発』・・・相手の攻撃を一回だけ1億倍にして弾き返すパッシブスキル。


自分のレベルに応じ、使用出来る回数は増える。






「お、結構いい感じだな」


良さげなスキルが出てホッとする。


「...日が暮れてきたな」


現在時刻を確認すると、もう6時だった。


「どっかの洞窟で身を隠して寝ようかな」


俺は服を着て、近くを探索し始める。











「ん? ここはいい感じだな」


森に入り、進んだ先で暗い洞窟を見つけた。

中に入ると、


「結構奥まで広がってるのか?」


懐中電灯で照らすが、奥は見えない。


「でももう真っ暗だから仕方ないな」


俺は少し洞窟内を進み、壁にもたれ掛かって座る。


「取り敢えず明日は街を探すか...ふわぁ~あ」


疲労のピークを迎えた俺は、眠たさが恐怖に勝ち、そのまま眠りについた。










読んで頂き、ありがとうございます。

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