ロリババアだった。
ドアを開けると、大きな部屋(大部屋と呼ぶに相応しい、てか呼ぼう)があり、俺の目の前には幼女が立っていた。
「えーっと...お前は何者なんだ?」
俺は、目の前にいる幼女に問いかける。
「む、人にモノを聞くときはまず自分からではないか...おぉ! よー見るとごっつかっこええにいちゃんやな!」
いきなり口調が変わる。
「ええ? あ、ありがとう」
「うんうん、かっこええわ。 ウチと結婚してーな!」
「ハァ!?」
ロリコンじゃあるまいし、そんなの御免だ。
「いやいや、色々不味いよそれ」
「なんでーなー、ええやんええやん、結婚してーなー」
「悪いがロリコンじゃないんだよ...」
申し訳無さそうに言うと、
「ロリ? どこにロリがおるんや?」
「お前のことだよ! てか、この部屋は俺とお前しかいねぇよ!」
「えぇー!? ウチの事かいな!」
幼女は、とても驚いた様子で叫んだ。
「でも、ウチは今5億3200万歳辺りやで?」
「ハァァ!?」
幼女ではなく、ロリババアだった。
「それで、にいちゃんは何しにきたんや?」
ようやく本題に入る。
「アーティファクトってのがここにないかな?」
「あるで、このペンダントか?」
いや、このペンダントか?って言われても良くわからない。
そうだ、あの鑑定紙を使うか。
「この鑑定紙を使ってもいいかな?」
「ええよええよ、ほれどうぞ」
ずいぶん簡単に渡してくる。...盗られるとか考えないのだろうか?
取り敢えず鑑定紙を使う。
鑑定結果
品物名:アナザースペースペンダント
分類:装飾品
説明:このペンダントを身に付けている間、スキル『異空間生成』を習得する。
スキル『異空間生成』・・・異空間を生成する。
「これがアーティファクトか」
確かに、特別な感じがする。
「終わったか? なら返してーな」
ペンダントを手渡す。
「そのペンダントを求めて来たんだけど、くれないかな?」
「えー、いやや!」
駄目元でくれないかどうか聞くが、やはりくれそうにないな。
「本当に駄目?」
「んー...じゃあウチの一番強い悪魔を倒せたらええよ」
「本当か! すぐに呼んできてくれ!」
押してみるものだな、と思いながら、一番強い悪魔とやらを幼女...ロリババアは呼びに行った。
3分後、
「お待たせしたな、ごめんなぁ」
謝りながら、ロリババアが部屋の中へと入ってくる。
その後ろについてきていたのは、
「お、お前は!」
「あ、あなた!」
トイレで会った、あのおっさんとの再会を果たした。
読んで頂き、ありがとうございました。
2017年、7月8日土曜日、文章を少し追加しました。