メフィストの地下室の探索2
落ち着きを取り戻した俺は、スキル『引き継ぎ』を実行した。
『引き継ぎ』の使用を確認しました。
現時点をもって、ステータスを全て引き継ぎ、レベル1からスタートします。
ステータス変更後
新谷 健人
種族:魔族/人間
レベル:1
攻撃力:1+999999999999
防御力:1+999999999999
素早さ:1+999999999999
ラック:5+5000
スキル:『異常成長』、『成長促進』を失いました。
なお、スキル『鑑定』等でステータスを確認された場合、レベル、ステータスはプラス値を除き、基礎値のみの表示となります。
つまり、相手はあなたの事を初心者、またはそれ以下と誤認させる事が出来ます。
「なるほど、これは使えるな」
『引き継ぎ』を済ませ、俺はダンジョン探索を再開した。
その後、俺は何度もワイトや骸骨、ゾンビに襲われたが、遂に当たりっぽいドアを見つけることが出来た。
「はぁ、はぁ...ん? この部屋はモンスターが詰まってないのか?」
部屋の中は、蝋燭の明かりのお陰でとても明るかった。
そして、高級そうな家具が置かれ、立派な絨毯が敷かれていた。
「...土足で入るのは躊躇われるな」
きっちり靴を揃えて、ドアが閉まらないようにつっかえ棒がわりに使う。
「お邪魔しまーす...ん? まだドアがあるのかよ...」
部屋の奥を見ると、3つのドアが並んでいた。
「クソめんどくさいなぁ...」
俺は、入り口から見て右にあるドアを、ゆっくりと開け、中を覗き見る。
しかし、部屋の中はもぬけの殻のようだった。
「ハズレかよ...次は一番左を見るか」
同じように、左のドアをそっと開けて、中を見る。
...そこでは、見た感じおっさんのやつが、用を足していた。
「うおおぉぉ!」
「うっ、うわぁぁぁ!!」
おっさんが悲鳴をあげ、それを聞いた俺もつい叫んでしまった。
「は、早く閉めて!」
俺は、速攻でドアを勢い良く閉めた。
「な、何でこんなところで用を足していたんだ?」
頭に多くのハテナマークを出しつつも、気を取り直して中央のドアを開ける。
そのとき、先ほどのおっさんに気を持っていかれ過ぎたせいか、そっと覗くのを忘れ、普通に入ってしまった。
そして、部屋の中にいたのは...
「良くきたな人間! ここがお前の墓場だ! はっはっはっはー!」
そこにいたのは、どうみても小さな子供にしか見えない、いわゆる幼女が立っていた。
読んで頂き、ありがとうございました。