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Two sides of the same coin  作者: vanilla
序章
1/1

First-class flag registered architect

 蒼は窓辺を見ていた。

 雲がまばらに広がるいつもの空だ。そして喧しい街。都会とはいえ、世界的にもこんな街はないだろう。


 明日から夏休み、とっとと遊びたいからもう課題の7割は終わらせた。後はこの忌まわしき読書感想文だ。

 どうしても文が続かない。理系に文章を書く能力を求める方が悪い。


「なぁ、知ってるか?」

陽が話しかけてきた。

「また、勉強してんのか、優等生は違うな!」

「うるさい、一体何の用だ」

「都市伝説だよ!都市伝説」

「何の」

「何か出場者同士で対決する闇のゲームがあるらしい」

「ふーん」

「何だよー、折角教えてやったのにー」

「いや、現実味に欠けるなーって。というかさっさと支度して帰るぞ」

「ちょ………」


 いつもの帰り道、変わったところなんて一つも無い。強いて言えば…と思っても何も無い。

 それくらい、何者かによって"いつもの"が誇張されたかのような日。

「なぁ、陽。なんか…………」

「?」

「いや、なんでもない……」

 その後は、たわいない話で盛り上がりながら、帰り道を歩いた。しかし、蒼は何か見えざる者が微かに忍び寄る気配を確かに感じとった。


 その予感は案の定、やって来た。しかも悪い形で。蒼たちの後をつく人の影を発見した。

「なんか後をつけて来てるしやばそう」

「最近、不審者情報があるって誰か言ってた」

「わき道で迂回しつつ捲くか」

「オッケー」

本当はこんな道なんぞ未知の領域だ。しかし、他に方法は無い。

 蒼はそれなりに走った。日頃の運動不足が祟って足にかかった。振り返らず、いや、振り返ることさえ忘れ、ただただ走った。陽は「お先に」と言って遥か遠くへ行ってしまった。流石脳筋。


 何分くらい走っただろうか。

 肺が酸素を求めてやまない。

 乳酸が溜まりまくっている。

 後をつけていた者はいない。

 あの影は何者なのだろうか。

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