第15話『最初の光景、再び!!』
えー、あのコメディ『VSパチパチズ』第2章の続きに値する物語です。
内容は大体前章と同じであって、あまり変わりがない感じとなります。
ここは、とにかく凄いエキサイティングシティ、今日もここは住民達によりにぎやかな場所である。さて、今回もこのシティで不藤雄一達や住民、強いて追加すればパチパチズッ-
パチパチズ「強いてとか言うなぁ!!」
作者 「うっさい、黙れ!!…今作の説明中だから。」
…さて、何かが出てきたが気にしないでおこう。そして、話を戻させていただきます。
前回、住民達全員の活躍により、バチバチズというパチパチズのライバルとパチパチズから、このシティは守られた。しかし、最終的にはパチパチズは隕石となって再びこのシティへと戻ってきた。その後、再び彼らはこのシティに居座ることにしたようだ。しかし、あれから数日たった今もなお、特に変わった事は起きていない。彼らのことだから時期が来るのを待っているのだと思うが、それがいつになることやら。そして、そうなった時、このシティの住民たちはどのような行動に出るのか、まだ分からない。
まぁ、それは後々分かることである。そろそろ、新たな話の幕を開けようとしよう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
不藤雄一「あぁ、暇だな…」
池谷和也「そうだな。」
人形作者「何かやる事ないかなぁ…」
相変わらずの暇トークから始まる彼らである。もう、これ以外の始め方はないのであろうか? まぁ、今までずっとこの形でやっているという事は、無いのであろう。そして、これの方が真面目に行くよりも楽ではあるし、この話の感じにも会う気がするので良いだろう。さて、話を戻すとしよう。
彼らは、例の戦いの後、いつもどおり暇をもて余していた。そして、毎度恒例である五十嵐による遊びの提案が始まる。
五十嵐缶三郎「なぁなぁ、こっくr……」
他三人 「拒否ッ!!」
いつも通り、あえなく受け入れてもらえなかったようである。しかし、今期の五十嵐は諦めない。彼は池谷にしがみつき、しつこくお願いする。池谷は趣味である銃の手入れをしながら、半分は聞いていて半分は受け流している。まぁ、強いて言えば、聞いている方の半分でも内容は頭の中には残ってはいないのうである。……もう、聞いて無いに等しい!!
人形作者「……ちと、アイス買ってくるわ。」
不藤雄一「行ってら。」
彼は何かに痺れを切らしたかのように建物から出て行った。その後、雄一はふと思い口にするのだ。
不藤雄一「今回は季節的に正解か。」
今回はと言っているが、実は前回の方にも似たような(同じだが)事があった。しかし、その時はアイスを買うにしては季節がおかしいというような内容だったが、今回の季節は夏に近いので、このタイミングでアイスを買いに行くのはおかしい事ではない。
さて、人形作者がアイスを買いに行ってから少ししての事だ。不藤はそれまで目の前に見える(視界に入ってくる)池谷と五十嵐の光景を見ていた。しかし、それを見ているのも飽きたのか、彼は何も言わずにそっと建物から出ていくのであった。もちろん、その行動は趣味に明け暮れている池谷と必死に話をしている五十嵐のどちらにも気づかれてはいなかった……
…………………………
ではここで、話の場所を変えてエキサイティングシティの様子を見てみるとしよう。シティは戦いの後と思えないほど、綺麗で住民達が今日も平和に暮らしている。中には、商売の屋台が出ていたりもしていた。数が多いので全てとはいかないが、紹介すると『焼きそば屋』とか『たこ焼き屋』とか『カステラ屋』とか『綿菓子屋』とかといったように様々である。……挙げているモノだけを聞いていたら、祭りをしているのかと思うが、そんな事は一切していない!!
何をしているのかと言えば、住民が遊んでいたり道端で昼寝をしていたりである。まぁ、寝るところを少しは考えろと言いたくなるが、ほっておくとしよう。
さて、そんなシティの中でも変な事(?)をしている集団を見つけた。それについて見ていくとしよう。ちなみに、この話を見ていてくれていた人なら分かるだろう、変な集団とはパチパチズの事である。
パチパチズ「わーーーーー!!」
彼らは、何やら楽しげに走り回っている。これは、追いかけっこでもなければ、かけっこでもないようである。一体、何故、走りわ回っているのだろうか。ちなみに、この感情は我々だけが思っていたのではなかった。その行動をしているパチパチズの五人全員がそう思っていたようである。そして、不意に立ち止まった。
プロフ「そういや、何で僕らは走っていたんだろ。」
パロフ「うむ!! それはだな……」
彼の言葉を聞き、他のメンバー四人は答えを期待する。そして、彼が出した答えが今、発せられた。
パロフ「分からん!!」
ズルッ!!
それを聞き、他の四人はガクッと体制を崩すというリアクションをしていた。どこかのお笑い芸人かよ、お前たちは!! そう突っ込みたくもなってくる行動である。
他四人「分からないなら、分かったように言うなよ!!」
パロフ「うるせぇ!! 命令口調で言うんじゃねぇ!!」
他四人「ぐぬぬ……」
的確な指摘を受けて怒りだすパロフだが、彼らの論点は明らかに正しく、アナタの行動の方がおかしいのである。だが、彼はそれを理解してはいなかった。そして、自分の意見が正しいと思っているのであろう。まぁ、前みたいに仲間割れにならない事だけを祈るのだが。その理由は、皆さんも察しの通り、誰しも止めるのが面倒だからである。
パロフ「いいか、お前達は俺に命令とかすんじゃねぇ!!」
ピロフ「むっ!? 何を!!」
パロフ「はんっ!! 捕まえられるものなら捕まえてみやがれ!!」
パロフは一足先にその場から走り去る。それを追いかけて他の四人もその場から走り去って行った。まぁ、これで自分達が走っている理由が出来てよかったではないか。
その頃、外に用があり出かけていた人形作者が彼らが走っている先にある角の向こう側を歩いていた。
ポロフ「待てーーー!!」
パロフ「くそ、もう真後ろに!?」
彼らは人形作者が角を曲がったところまで歩いてきている事など知った事ではない。もちろん、人形作者自身もその事など分かってはいないまま、のんびりとアイスを片手に持ち角まで差し掛かっていた。そして、次の瞬間である……
スドーーーン!!
六人全員「ぬあああああーーー!!」
綺麗に衝突し、彼らはその場に倒れこんだ。そして、そのまま気絶をしてしまったようだった。
その頃、不藤は目の前で話し合っている二人を見て、退屈になったのだろうか、無言のまま彼も外に出て行っていた。
衝突から数十秒後……
ぺロフ「痛たたたたた……」
プロフ「誰かにぶつかったみたいだ……」
パロフ「そんなの、大したやつじゃないさ!!」
先にパチパチズがその場に立ち上がり、色々と口にしていた。反省する声も聞こえれば、そんな気はさらさら無いというような声も聞こえてくる。すると、それを話している最中に彼らの近くからもの凄い殺気が漂ってきた。
ピロフ「何か、感じない?」
ポロフ「殺気のような、恐ろしい空気が僕らの後ろの方から……」
そして、彼らが恐る恐る振り返ると、そこには怒りのオーラを纏って彼らの後ろに立っている人形作者の姿があった。
パチパチズ「ぎぃぃぃやぁぁぁぁぁーーー!!」
この時、彼らには恐怖以外にも数多くの感情があふれていたが、それは多すぎるものであるため省略されていただく。
人形作者 「ぶつかって来たのは、貴様らかぁ~?」
パチパチズ「あわわわわわわわわわわ……」
彼らはその場に固まった座り込んだ。人形作者は彼らとの距離を徐々に縮めていく。そして、その距離が三メートルぐらいになった時にメンバーの一人が口を開ける。
パロフ 「よくよく考えたら、ぶつかって来たそっちが悪いだろ!!」
人形作者「ぬあっ!?」
他四人 「こらぁ、余計な事を言うな!!」
人形作者「つまり、お前らも思っていたのか!?」
他四人 「うっ……」
どうやら、そうらしい。パロフには言えないような事をズバッと言う根性があるのだが、時と場合と場所を考えていただきたいものである。まぁ、それが無理なため、このような事態に陥るきっかけを作るのだ。
だが、今はそんな事は関係ない。一度導火線に火が付いたら爆発まで火は消えないのと同じで、人形作者の怒りのパラメーターは徐々にMAXに達しようとしている。この後も、パチパチズは色々な言い訳をするが、その度に彼の顔に怒りマークが浮かんでいく。もうすでに怒りのレベルは有頂天である。爆弾の場合は爆破までに頑張れば、それを止める事が可能なのだが、人形作者にかかればよっぽどの事がない限りは止まらない。そのため、もう潔く諦めた方がいいのだ。
しかし、パチパチズはなかなかその発想が浮かばない。
パロフ「だいたいな、こんな小さい事でうるせーんだよ!!」
四人 (もうダメだ、止まらないわ……)
パロフは、他のメンバーが考えている事を理解しようとしていなかった。彼の言葉がさらに人形作者の怒りを増幅していく。これは、火に油を注ぐというレベルの話ではない。爆発寸前の爆破物に火薬を増幅させているという普通では考えられないモノのエスカレートの仕方である。
そして、さらにパロフの自己中心発言が週分間続き、最終的には……
人形作者「だがしやぁーーーーー!!」
バッコーーーン!!
《サンダー・スクリュー》
ズドオオオオオツ!!
パチパチズ「ぎゃあああああ!!」
人形作者の鉄拳(本物)と得意の粒子砲の攻撃により、パチパチズはシティのどこかへと吹き飛ばされるのである。そして、彼は軽くため息をついて、近くに落ちていたアイスを拾った。
人形作者「ふぅ、地面に落ちたな。……洗って食べるか。」
食べ物を以上に大事にする性格なのだろうか? しかし、それに異論を唱える者が現れた。
不藤雄一「やめとけ、車のオイルの上に落ちていた物だぞ?」
どうやら、この光景を見ていた不藤が彼に歩み寄ったらしい。そして、確かに彼の言う通りである落ちた場所が場所だ、それは流石に捨ててしまった方が良いかもしれない。
人形作者「仕方ないか。」
彼は持っていたアイスを思い切り、遠くへとぶん投げた。そして、この二人は互いにグッとポーズを取り、その場から去っていくのだった。……いや、普通に捨てなさいよ!! そう言っても、誰も聞いてはいないであろう。
そして、彼らはアイスを捨てた後、シティ内をうろついていた。すると、目の前から池谷が彼らのもとにやってきた。二人は、池谷も外に出てきたのかとしか思わなかったが、少し時間が経った時、ふと思った。
不藤&人形「あれ、五十嵐は?」
池谷和也 「あー、あれは、煩かったから、縛って川に放流しといたわ。」
何とも酷い事を。しかし、二人はそれを聞いていて何やら突きたい事があったようだった。
不藤雄一 「ちなみに、何で縛った?」
池谷和也 「縄。」
人形作者 「何本使った?」
池谷和也 「暴れまわるから、50本ぐらい?」
不藤&人形「なるほど。」
彼らの突きたいと思っていた内容は異常だった。何故だろう、何か他に聞くべきだという大事なモノがあるように思ってしまう。まぁ、気のせいという事にしておこう。
人形作者「……まぁ、俗にいう島流しですな!!」
不藤雄一「何時代の人がする事だよ、それ。」
池谷和也「いや、あいつの時代感に合わせただけ。」
不藤雄一「あいつ、そんなに時代感古かったのか……」
人が一人不自由な状態で川に流されているにも関わらず、のんきな三人である。そして、流した張本人は何も害に思っていなさそうである。ちなみに、彼はよく五十嵐にこのような行動を取ったりするが、パロフと同じ性格ではない。面倒な事や者は、ちょっとスケールの大きい手段で自分からどけようとするだけである。……まぁ、ちょっとの話ではない事が多いがな。
人形作者「まぁ、今頃あいつは沖ノ鳥にでも流れ着いているな。」
不藤雄一「何でまた、そのような所を取り上げるよ。」
人形作者「何となくな?」
それでいいのだろうか。この言葉に対して誰も何も言わなかったので大丈夫なのであろう。これを聞いていて分かるように、彼らは全くと言って良い程、五十嵐の身の心配などはしてなかった。それよりも彼らはある事を気にしていたようだった。それは何かというと。
池谷和也「絶対、あいつら仕返ししてくるよな。」
人形作者「んだな。……って、何故お前が例の出来事を知っている!?」
確かにその通りだ。不藤が知っているのは、偶然居合わせたようなので理解は可能だが、池谷の場合は例の出来事が起こった時には、近くにすらいなかった。なのに、それを知っているのか不思議である。すると、彼の口からとんでもない言葉が発せられた。
池谷和也「いや、不藤に盗聴器を付けといたから。」
不藤雄一「はぁ!?」
不藤は当たり前のリアクションをしていた。なんだよ、盗聴器を仕掛けておいたとか、お前ストーカーの成り行きかよ。彼はそう思いつつ、あのような返し方をしていた。
池谷和也「まぁまぁ、気にすんなって。」
不藤雄一「まぁ、俺だから気にしないが、女にしてたら一大事だぞ!?」
人形作者「まぁ、した事無いだろうがな。」
彼らの話し合いはまだ続く。
不藤雄一 「というよりも、やろうとは思わないだろ?」
池谷和也 「いや、そんな事はないよ。普通にやるよ?」
不藤&人形「この変態め!!」
池谷和也 「いやいや、普通にはやらないよ? どうしても必要な時とかにな。」
不藤&人形(さっき普通にやるとか言ってなかったっけ……?)
どうやら、彼にはしっかりとした理由があったうえで、それを使用するようだった。しかし、今回は何のために不藤にそれを取り付けていたのだろうか? 二人はそれについて聞いてみた。すると、こんな答えが返ってきたのだ。
池谷和也 「何となく?」
不藤&人形「お前、理由ないじゃねぇーかよ!!」
池谷和也 「まぁまぁ、気にするな。」
普通ならここで「気にするよ!!」と、誰かさんが突っ込みを入れるのだが、彼ら二人の場合は、それが面倒であったのだろうか、何も言わなかった。それにより、微妙な間が生まれるのである。そして、何も会話をする事もなく、彼らはシティ内をうろつき始めるのである。
それか数十分後の事である。彼らが歩いていると目の前に数人が立ちはだかった。それの正体は、パチパチズであった。
パチパチズ「見つけたぞ、お前ら!!」
不藤達三人「あー!! お前らはーーー……!!」
不藤達三人「誰だっけ?」
お約束のネタが炸裂した。そして、それに対する彼らの行動もお約束通り、ズルッ!! っと、体制を崩していた。全く持っていつになっても引けを取らないネタである。そして、彼らはいつまで使い続けるのだろうか? まぁ、話を進めるとしよう。
ポロフ 「パチパチズだ、いい加減覚えておけ!!」
不藤達三人「あー、悪い悪い。」
パチパチズ(こ、こいつら、ひどいな。)
おそらく、そんな事は言っている本人達は承知の上であろう。だが、あえて言っているのではないだろうか。まぁ、いつもの事なので何とも思っていないかもしれない。
不藤雄一 「-で、それはさておき……」
パチパチズ(おいてかれたー……)
人形作者 「何の用だ、ちっこいの。」
パチパチズは彼の言葉を軽く聞いていたのか、何も反応をせずに次の言葉を口にしようとしていたが、惜しくも後少しのところで、先ほど言われた内容が脳裏によぎったようである。そして、急きょ言おうとしていた内容を取り換える。
パチパチズ「ちっこいのって何だ、コノヤロー!!」
池谷和也 「いや、ちっこいじゃん。」
だが、冷静に池谷に返されてあえなく撃沈。返す言葉が無くなった。ここで、このままで永遠にこの話が終わらない気がしてきた不藤が先ほど人形作者がした質問を再び彼らに問いかけた。
パロフ「何の用かって? さっきの仕返しに来たんだ、勝負しろ!!」
もはや、さっきのと言われても思い当たる節が二つあり、どっちの事を言っているのかが分からない。この場合だと両方についての仕返しとみなしていいのだろうか。まぁ、どうみなそうが戦う事には変わりはなさそうである。
池谷和也「またかよ。」
不藤雄一「まぁ、かかってきな。」
人形作者「軽く捻ってやんよ。」
パロフ 「へん!! それは、負けるというフラグだぜ!! 勝つのは不死身の俺たちだ!!」
どちらかと言うと、あなたの言っているセリフの方が、よっぽどフラグに聞こえてきて仕方がないのだが、そんな事は彼らは思っていなかった。そして、その後ぺロフがどこからともなくボタンを取り出して、それを押した。すると、毎度お馴染みのウサギメカがこの場に転移されたのだ。
ポロフ「よし、みんな乗り込むんだ。」
他四人「合点承知!!」
彼らは、一斉にメカの中へと入っていった。そして、それぞれの持ち場につき、各部の電源を入れたのである。すると、ウサギメカの目が光った。どうやら、上手く起動したらしい。
人形作者「おぉ~う、何かそれっぽいなぁ。」
雄一たちとちょっと感心した。それなりにマシンらしいモノであったからである。すると、パチパチズが難しかけてくる。
パチパチズ「はっはっはっはっは!!」
ぺロフ 「どうだ、これが僕達の新型メカだ!!」
パロフ 「超最強、超凶悪のウサギメカだ!!」
ピロフ 「さぁ、その身を持ってメカの力を味わうがいい!!」
プロフ 「言っとくけど、今までのと同じだと思っていたら、痛い目見るからね?」
ポロフ 「さぁ、無駄話もここまでだ……覚悟しろ!!」
何だろうか、彼らを見ていると色々な戦隊ものが頭の中によぎっていく気がする。まぁ、彼らとそれらとでは異常なまでに差がありすぎるであろうがな。
池谷和也「ようやく、茶番が終わったよ?」
人形作者「あの死亡フラグとしか聞き取れない内容のやつがな。」
どうやら、今の話は全て完全に馬鹿にされているようだ。
ポロフ 「今にそう言えなくしてやる!!」
不藤雄一「だそうだ、来るぞ。」
すると、次の瞬間。ウサギメカの両目から極太レーザーが放たれた。だが、不藤達はそれをさらっと回避する。しかし、それの威力は凄まじいものであり、近くにあった木がかなり崩壊していた。
池谷和也「火力だけは良いみたいだな。」
ペロフ 「続けていくぞ、《スパーキング・バースト》!!」
ズトーーーン!!
もの凄い電流が当たり一面に放出された。これはさすがに回避は不可能だったようで、彼らは自己の判断で攻撃を防いでいた。
人形作者「ぬぅ、あのような攻撃もあるのか。」
パロフ 「ハハハ、怖気づいたか!!」
不藤雄一「まだ、怖気づいてはいない。対処法を考えているところだ。」
ポロフ 「流石ぁ、僕らのライバルだ簡単には倒れないな。」
不藤雄一「勝手にライバルって決めないでくれよ。色々と面倒になる。」
彼らは話しながらも戦闘を続けていた。しかし、内容はパチパチズの一方的攻撃で、不藤達はそれを回避しているか防御しているかのどちらかでしかない。つまり、状況はパチパチズに有利なのである。
人形作者「おいおい、流石にこれはヤバいな。」
池谷和也「いや、まだやれるだろ?」
不藤雄一「そうじゃなくて、シティへの損害が拡大していくって意味だ。」
池谷和也「なるほど、そういう事か。」
どうやら、逃げる事と戦況しか彼は考えてはいなかったのだろう。まぁ、この状況であれば仕方はないのかもしれない。だが、不藤の言うようにシティへの被害は最小限に避けたいところだ。だが、今のところ彼らのウサギメカを対処する方法が見つからない。そのため、彼らは逃げる。そして、対処方法を考える。それしか出来ない状況である。
そして、逃げ回ること数分が経過する……
人形作者「いい加減どうにかならぬかね。」
池谷和也「よくよく考えれば、俺ら攻撃してなくね?」
確かにそのとおりである。彼らは逃げる及び対処方法を考えるのに夢中で、攻撃なんぞ一切していない。そして、それを今になってようやく気付いたのである。……そりゃあ、相手には何も与えられていないではないか。
パロフ 「攻撃したところで無意味じゃーー!!」
池谷和也「いや、攻撃が凄いって、防御面が弱いというフラグだろ?」
プロフ 「あー、言われてみれば。」
池谷和也「なら、くたばれ。」
次の瞬間、池谷はウサギメカに向けて、ロケットランチャーを発射した。すると、パチパチズも雷撃攻撃で応戦してくる。その結果、互角だった。
池谷和也「まぁ、これで防御面は弱いと分かったな。」
不藤雄一「だが、装甲に攻撃いってないから、分からないがな。」
人形作者「確かに……とりあいず、攻撃を命中させるとしますか。」
彼らはここから反撃に出るようである。三人は個別に戦闘を開始した。今回の戦闘パターンは、不藤が剣攻撃で接近戦、人形作者が拳攻撃で接近戦、そして、池谷が後方から銃激戦といったように別れている。これがバランスが良いのか悪いのかは本人達自身が考える事なので、こちらにはどうという資格はないであろう。
だが、明らかに戦況は今までとは違ってこちらが有利に進んでいるように見える。どうやら、戦う中で彼らも慣れてきているのであろう。
パロフ「くそ、あいつ等ちょこまかと!!」
プロフ「どうしよう、何かおされてきているよー?」
戦況が不利になってきているという事は、彼ら自身も理解していたようである。だが、だからと言ってどういった行動をとるべきなのか、しっかりとそれを考えるような集団ではない。
ぺロフ「たぶん、向こうの戦術がこっちより上なのかもね。」
ピロフ「だね、ならどうするか。」
ポロフ「もちろん……強行突破ぁーー!!」
NAZEDA、何故その答えが出せたのだろうか? そのようなツッコミを入れても意味はない。パチパチズは3人に向かって突撃を開始した。彼らにとっては、『強行突破=突撃』という方程式にもならない何らかの数式が浮かんでいるのであろうか、大抵がこういった行動をとってくる。
パチパチズ「ふははははははははははははははははーー!!とぅーつぅーぐぇーきぃぃぃ!!」
人形作者 「うっさい、黙れ。」
ここで人形作者は、近くに落ちていた小石をメカの前に転がした。すると、上手い具合にメカの脚部がそれに引っかかり、横転したのである。
池谷和也「えっ?」
不藤雄一「どんくせぇ……。」
もはや、しらーとした目つきでしかそれを見ようとしない2人。パチパチズは必死でメカを起こそうと操縦しているが、メカの形状は彼らと同様に丸まっている。つまりは、平面であるこの場所では簡単に起き上がる事など容易ではない。
プロフ「うぅ、なかなか起き上がらないーー!!」
ピロフ「頑張って操縦すればいつか起きるよ!!」
い、いつか、ね……?
ぺロフ「よし、ブースターを上向きにしてホバーのようにするんだ!!」
パロフ「よし、ブースターを下向きにしてジェット化するんだな?」
ポロフ「何でそうなるんじゃーー!!」
言われた内容と言っている内容は完全に逆ではないだろうか。ポロフのツッコミは無残な事に、パロフには届いていないのが、明白に分かる光景である。案の定、ジェットタンクが下向きに発射され、空中に浮上するどころか、地面をえぐりながらこちらに高速で突進して来るという結果となる。
人形作者「なぁ、ボケながらもよ、おっそろしい事してきよるが?」
池谷和也「早くね、あれ。……冗談抜きで。」
不藤雄一「んな話している暇があれば、回避しないか?」
とか言いつつ、誰も動かない。というよりも、回避が間に合わないという状態である。そして、それが間近に迫った時であった。凄まじい轟音とともに何かがメカの側面に激突し、それを数メートル突き飛ばしたのである。
パチパチズ「な、何だぁ!?」
突き飛ばされながらも、パチパチズも驚く轟音の正体とは何だったのだろうか!?
……次回に続く!!
などとほざいた暁には作者自身に攻撃が飛ばされるであろう。そのため、そんな事はしない。では、先ほどの正体をパパッと明かすとしよう。それは、五十嵐であった。どうやら、例の島流しをされている状態で、どうにか頑張ってここまで戻って来たようである。……50本の縄で縛られていてどうやって戻ってこられたのかは不思議であるが、そこにはしつこくふれないでおこう。
しかし、彼により何とか攻撃を受ける事なく済んだ3人である。そのため、何故戻れたかなどと聞く者は誰も存在しなかった。
池谷和也「おう五十嵐、良いタイミングだ。俺はこれを予測していたんだよ。」
嘘つけ。残りの2人は内心そういうツッコミを入れていた。だが、五十嵐はそれをあっさりと信じ込んでいた。何ともまぁ、状況によっては扱いやすい人間である事だ。
人形作者「それで、どうするよ。」
不藤雄一「だよな、あれ無視して帰るか?」
言葉からして戦う気などもうとう存在していない。しかし、彼の意見に異を唱える者がいた。そう、それはパチパチズであった。彼らを言葉によって引き止めると、メカから降りてきて5人自らの手でメカを起こしだしたのだ。4人はそれを呆然と見つめる。
4人(なんて、古典的な起こし方をしやがる……。)
そして、何とかメカは元通りの向きへと戻された。
パロフ「よっしぁー、これで再び戦えるぜぇーー!!」
プロフ「よーし、乗り込もうーー!!」
そして、再びメカへと搭乗するパチパチズ。……ふと思った、メカから降りてきたのならば、自分達が戦えば良かったのではないだろうか、と。まぁ、気にする事なかれ誰もそんな事など考えてなどいなかったのだから。
パチパチズ「くらえ、≪サンダー≫ァァァーー!!」
しかし、簡単に回避されてしまう。というよりも、放つ事を4人は予測いたようである。そのためか、攻撃を回避した直後にラグを作る事もなく、彼らは反撃を開始する。
パチパチズ「うわあああああぁぁぁーー!!」
あっさりと攻撃を受けるパチパチズのメカ。先ほどまでは、自分たち攻撃により迎撃をしていたが、今回はそれが可能であるというような量の攻撃ではなかった。五十嵐にいたっては得意の術攻撃で異様なまでの量の攻撃を放っているため、十分にそれだけでも防ぎきれないのはその場にいれば誰でも理解できる。そのため、彼らは攻撃を受ける以外の選択肢は無かったようである。
ピロフ「くそー、調子に乗らせてたまるか!!」
ポロフ「よーし、みんな反撃だーー!!」
ポロフの指示と共にメカから多重の誘導ミサイルが発射されてこちらに向かってくる。だが、五十嵐の召喚した誘導式メテオがそれらを全て破壊する。次に大型のミサイル砲が放たれるが、池谷がそれの弱点部分を正確に狙撃し、それを破壊する。さらに、サンダー・ボールを放つも無残な事に不藤が剣を使って遠く彼方へと打ち返すのであった。
ことごとく攻撃を無効化されるパチパチズ、本人たちはその光景に固まるしかなかった。そんな最中である、人形作者がメカの正面辺りに立ち止まる。
人形作者「そうら、幕切れだ。」
≪サンダー・スクリュー≫
彼の両手から放たれた粒子砲がパチパチズのメカを軽く貫通した。少し遅れてからメカは大爆発を起こす。それにより、パチパチズは空の彼方遠く遠く遠い(どれだけ言うのだろうか)彼方に吹っ飛んでいったのであった。
人形作者 「終わったな。」
池谷和也 「まぁ、いつぞやにでも、また……ね?」
不藤雄一 「いつもの事だがな。」
五十嵐缶三郎「よしっ、帰ろうぜ?」
こうして、無事に戦闘を終えた彼らは自分達の住む建物へと戻って行くのであった。
そして、その日の夜……
…………………………
パロフ「くそーー、何でまた負けたんじゃーー!!」
プロフ「えっとね、それはね……」
パロフ「っるせーわ!! ごちゃごちゃ言うんじゃねーよ!!」
プロフ「まだ何も言ってない……。」
いつも通り反省会をしているパチパチズ。先に結果論を言えば、敗北した理由については話が着かずに終わるという形に陥ったようである。これも、いつもと同じなので、あまり追求する必要などはない。そして、いつの間にか次の作戦の話をしているが、それに関しても今までと同様に似たような内容なのであった。
その頃、不藤達は彼らとの戦いについては特に何も考えてはおらず、この話の冒頭で話していたような茶番劇を繰り広げて休息に着くのであった。
さて、再び彼らの物語が始まったのだが、これから先はどのような展開を彼らは生んで行くのであろうか……。
やはり、この物語の最初は彼らのよく分からない戦いからスタートが安定しますね。
前章のような感じで軽く書いて行こうと思います。
そして、この小説は今回の話数から挿絵が入る事になりました。まぁ、投稿ペースがまたごっそりと遅くなりますが、ご了承ください。
挿絵のレベルは、今回のような感じなので、軽く遊び半分の気持ちで見ていただけると幸いです。(誰だっけの時の顔がちょっとムカつくとか書いてて思いましたがねwww)
まぁ、何はともあれ、書ける時に書いて投稿できる時に投稿していこうと思います。
でわ、次回作をお楽しみに……。