最終話『第2次・VSパチパチズ』
題名通り、2期の最終話です。
まぁ、気軽に読んで下さい。
バチバチ図を撤退させてから数日後…
再びエキサイティングシティは、ある驚異に脅かされていた。それは…
パチパチズ「これより、我々はエキサイティングシティを占拠し、国を作る!!」
…また、お前らかよ!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
再び、パチパチズの五人組が宣戦を布告をしてきたのだった。ちなみに、前回はウサギ星という彼らの本拠地に乗り込んでの戦いとなったが今回はどこをフィールドとするのだろうか?
この宣戦布告を雄一たちはテレビにて見ていた。
不藤雄一「二回目だよな?」
人形作者「二回目だな…」
彼らは回数確認から始めていた。数えるも何もまだ一回しかVSパチパチズといえるような戦いはしていないだろう。前回も前回で、戦いといっていいのだろうか。
池谷和也「-で、どうするの?」
五十嵐缶三郎「えっとだな、はでに…」
池谷和也「-お前には聞いていない。」
相変わらず、池谷は五十嵐への扱い方がひどかった。まぁ、彼らの関係上はこれが普通のようではあるのだが。今は、五十嵐のコントのようなモノに付き合っている場合じゃないのだ。これが本気の宣言だとすれば、前回のような戦いになる。雄一は、考える。
そして、ある答えを見出した。
不藤雄一「よし、テレビで続きを聞いてから判断しよう。」
どうやら、何もいい案が浮かばなかったようだ。しかし、彼が言ったことは正しい考えでもある。全てを聞いてから適切な判断をするか。もしくは、全てを聞かずに適当な判断をするかだと、知ってからの方が断然にマシだ。そして、彼らは再びテレビに集中しだした…
その頃、パチパチズは宣戦布告を続けていた…
ポロフ「今回は僕らの星に来て戦えなんてことは言わない。」
ありがたい事に宇宙ではないことをすぐに教えてくれた。では、どこで戦うつもりなのだろうか。
ポロフ「戦場は、ここ…エキサイティングシティだ!!」
これを聞いていた住民は驚愕した。まさか、二回続けて自分たちの住んでいる場所が戦場と化するとは思ってもいなかったのだろう。しかし、雄一たちはこれでフィールドが分かった。まぁ、あとは彼らが行動するだけである。
パロフ「お前たちの住家が再び戦場にされたくなければ、おとなしく俺達にひれ伏せ!!」
こういう時だけ、パロフの毒舌さには威力がある。…ように、見える。-が、住民全員はそう簡単に乗りはしなかった。
住民A「うるさい、一頭身。」
住民B「戦争ごっこはよそでやれ!!」
住民C「そんな暇はないんだよ。」
このように酷く罵声を浴びせる。…これはもう、戦術的には戦略的にも、パチパチズより住民一行のほうが強い気がしてきた。これを聞いて弱気なプロフは泣き出してしまった。
パロフ「泣くなバカ野郎!!」
パロフは、プロフを蹴とばした。おいおい、せめて慰めて…慰めては、一応いるようだよなセリフ的には。
ピロフ「くそ、あいつら…ぺロフ!!」
ピロフがそう声を上げた次の瞬間、ぺロフがどこからともなくスイッチを取り出して押した。すると、お約束のウサギメカが空中から多数出現した。これには、さすがの住民達も驚いていた。前回の戦いで見たのは一体のみ。まさか、複数作っていたとは…。
ぺロフ「この量のメカが相手でも、反抗してくるか?」
住民たちはすかさず、その場から退避した。量はこちらの方が多いが相手がメカとなれば、話は別になってしまう。彼らがいなくなるとパチパチズは高らかに笑い出した。
パロフ「これで、ここは俺達の支配下だ!!」
プロフ「…でも、何か一番大きなモノを忘れているような?」
パロフ「うるせぇ、関係ねぇよ!!」
慎重に物事を考えるプロフをパロフは持ち前の毒舌でシュンッと退かせた。…いつも彼の慎重な考えはこのように否定されてしまう。
パロフ「まぁ、これでこの町は僕らのもんだぜ。」
彼の言葉の後に続いてパチパチズは高らかに笑い始めた。しかし、その次の瞬間だった…
スドーーーン!!
メカ一同「ぎゃあああああ!!!」
パチパチズのメカが一体を残して爆発した。何が起こったのだろうか。それは彼らには分からなかった。しかし、数秒後にそれが明らかとなった。なぜなら、原因が自分の達のもとへとやってきたからだった。さて、その原因達とは…
雄一達四人だった。
ポロフ「お、お前は僕らに抵抗する気か?」
人形作者「あぁ、またな。」
前回も彼らの作戦の邪魔をしたのは、この四人だった。パターンは同じである。唯一違うのは、戦場がここに変わった事ぐらいだ。
パロフ「貴様ら、前回のように行くと思うなよ!!」
パロフはそう叫ぶ。どうやら前回の敗戦が彼らにとっては、苦い思い出になっているようだった。まぁ、自分達が勝手に宣戦布告をしてきてやられたという自業自得なだけなのだが、彼らはそれには気づいてはいなかった。…というよりも、その言葉を知らないのかもしれない。
パロフ「お前ら、交戦するぞ!!」
いつの間にかパロフが体長面をしている。まぁ、いつもの事だ。ぺロフは持っていたスイッチを押して唯一動くメカに戦うように指示を出した。メカは、命令に従いこちらに攻撃を仕掛けてきた。-が、綺麗に回避される。
五十嵐缶三郎「おいおい、どーこを狙っているんだよ?」
ピロフ「何かあいつに言われると腹が立つ!!」
それは同感だ。すると、この気持ちを悟ったのか、メカの攻撃が五十嵐に命中した。その瞬間、その場にいた全員が「ナイスショット!!」と声を合わせていた。
五十嵐缶三郎「お前ら、仲間だろうが!?」
これは、雄一と池谷と人形作者に向けられている言葉だが、彼らは軽くスルーして攻撃をよけ続けていた。
五十嵐缶三郎「ったく、お前らはなぁ…」
五十嵐はあきれたように再び立ち上がった。そして、再び攻撃されるのを避けるという作業を再開した。
パロフ「むぅ、あの絵のサル共、ちょこまかと…」
パロフの怒りが有頂天に達しそうである。しかし、そうなればまた彼の勝手な行為で敗戦するかもしれない。そう思ったプロフは彼を落ち着かせようとする。
プロフ「まぁまぁ、あいつらは逃げ足は速いから仕方なくない?」
パロフ「うるさい、お前は黙ってろ!!」
プロフ「はぃ…」
どうやら、やるだけ無駄だったようだ。さっきと同じような状態になってしまった。…まぁ、逃げ足が速いのはお互い様のような気がするが、気のせいだろうか。
ここで、パロフは声を上げる。
パロフ「ぺロフ、コントローラーをかせ!!」
ピロフ「止めた方がいいよ、パロフ。」
ポロフ「そうだよ、暴走したらどうすんのさ。」
パロフ「うるせぇ、この俺様が暴走なんてさせるか!!」
パロフは無理やりぺロフからメカのコントローラーを奪い取り、メカを操りだした。攻撃は今までとは違いかなりの威力ですべてが発射される。これはもう、無差別攻撃と言って過言ではない。
パロフ「ふははははは、どうだ?あいつら、接近すらできないみたいだぜ。」
完全に調子に乗っているパロフ。彼は気が付いていないが他のメンバーは、あることに気が付いていた。ぺロフが操っていた時とパロフが操っている時には大きな差が生じていた。それは、攻撃パターンだった。
ぺロフの攻撃パターンはほとんどがランダムで予測がしにくいような感じであったが、パロフに変わった途端に、攻撃パターンが一定となった。これは彼らにとっては都合のいいバカな攻め方だった。
池谷和也「攻撃パターンが一定だな。」
不藤雄一「あぁ、これは好機だな。」
それに気が付いていた二人は小声で会話をしていた。そして、二人は後の二人に小声で突撃していくように伝えた。さて、ここから彼らの攻撃が始まる。もちろん、そのまで事は、パチパチズも気がついてはいなかった。
パロフ「ふははは、消え失せろや!!」
ある一点をめがけた攻撃が飛んできてそれを避けた瞬間だった。
人形作者「おっしゃあーーー、突撃ぃ!!」
パチパチズ「な、何ぃ!?」
攻撃の隙を突き、彼らは突貫を始めた。予測していなかった事態にパチパチズは驚愕した。中でも一番、驚いていたのはパロフだった。何故、自分の攻撃の隙を突かれたかを理解していなかった。それを考えることなく、パロフはメカに迎撃するように指示を出した。
池谷和也「甘いな。」
すると、池谷がメカの砲門を全て撃ち砕き破壊した。それで少しメカが大勢を崩すと、逆方向から人形作者が渾身の一撃を叩き込む。
人形作者「うおりゃあああ!!!」
≪炸裂光子砲≫
ズドーーーン!!!
メカ「ぎゃああああああああああ!!!」
見事にそれはメカへと直撃し、メカは完全に大勢を崩してしまった。そして、その隙を雄一は見逃しはしなかった。素早くゼロ距離に迫ると剣を使い攻撃する。
≪疾風斬≫
この攻撃も食らったメカはあっけなく撃墜された。
パチパチズ「ぬあああ!?メカがあああ!!」
こうして、メカはあっさりと破壊された。この時彼らはアニメや漫画のように目が飛び出ているような状態であった。そして、残るは自分達だけとなった。
パロフ「くっ、なぜメカが破壊された。」
池谷和也「攻撃パターンが関係しているな。」
パロフ「どういうことだ?」
どうやら自分が原因だとまだ分からないようだ。彼は詳しく教えるように追求してきた。雄一は仕方なくそれについて教えてあげるようだった。
不藤雄一「つまり、操縦者が変わった瞬間にこちら側が好機になった、という事だ。」
パロフ「貴様ら、俺の采配が間違いだったとでも言いたいのか!!」
この場にいる全員が大きく頷いた。たまにだが、彼らの間には敵対関係が変わることがあるみたいだ。
パロフ「ふざけやがって、俺をバカにしているのか!?」
人形作者「以外に何に聞こえる?」
人形作者はドストレートに返事をしていた。これだけ言われると、いい加減に認めた方が良いと普通は思うのだが、パロフは違った。自尊心がこの一人だけは以上にパチパチズの中では高いのだ。だから、あくまでも反抗する。
パロフ「貴様、言わせておけば言ってくれるじゃねぇーか!!」
池谷和也「いや、正論なんだがな…」
池谷の言っていることも正論だ。しかし、正論ほど相手をイラつかせるものは、この世に無いとも聞いたことがある。彼はその法則に従っているのか、イラついている。
パロフ「うるさぇ、お前らも同意見か!?」
ついには、仲間にまでもキレてしまった。ほかの四人は余りにも恐ろしそうだったので首を振る。こういうのがいると、戦術的にも不利になることなんて多々ありそうな気がしてならない。
五十嵐缶三郎「あ~あ、怖いな、あいつは。」
パロフ「俺は相手をビビらすのが得意なんでな!!」
パロフは自慢げに五十嵐に言い返す。…いや、仲間を怯えさせてどうするんだよ。
人形作者「まぁ、それが吉と出るか凶と出るか…凶と出るかだな。」
あ、これは吉とは出ないという予言なのか?いや、凶にしろとでもいうのだろうか。それを聞いたパロフは再びキレ始める。
パロフ「黙れ、クソが!!」
この時、パチパチズの表情は「頼むから、これ以上は刺激しないでほしい。」そのような感じであった。しかし、人形作者は刺激させるのが目的のようだった。…これは、自虐的な作戦なのだがな。
人形作者「俺はクソじゃないよ、人形作者だよ。」
これはもう、完全に遊ばれている。そう確信したパロフはついに禁句を口にしてしまう。
パロフ「うるせぇ、黙れハンペン野郎が!!」
ブチッ…
この時、何かの音がした。え、いったい何の音なのだろうか。確かに、ブチッと聞こえたのだが。…まさか?
そのまさかだった。全員が人形作者の方を見てみると、彼の周りに青いオーラが漂っていた。そして、不気味な笑い声をあげて何やらぶつくさつぶやいていた。雄一は何が起こっているかすぐに認識した。
不藤雄一「ああ、これはお前ら…覚悟した方が良いよ?」
それは、パチパチズへの最後の忠告だった。四人は「え?」と、訳の分からないような態度でいたがパロフに関しては、嫌でも抵抗するつもりだった。…どうなっても知りませんよ?
ちなみに、なぜそのような事が忠告されたかというと…簡単に言えばこれは、禁句だからだった。どういう意味かはこれから明らかとなる。
人形作者「貴様らぁ~!!」
雄一の忠告があってから数秒後、人形作者は両手を構えて何やらチャージをし始めた。これは今までにない早大の威力になりそうな力である。そして、次の瞬間…
人形作者「死にさらせぇーーー!!」
<超・炸裂粒子砲>
スドーーーン!!
パチパチズ「ぎゃあああああ!!!」
回避はおろか、防御すらも間に合わないほどの攻撃だった。これは流石のパチパチズもひとたまりも無かったようであった。しかし、すぐさま立ち上がった。…流石は、不死身の生物である。
パロフ「へんっ!!なかなかやるじゃないか。」
プロフ「調子に乗らないほうが良いかもよ?」
パロフ「おっと、そうだったな。」
今回もプロフの言葉は無視されるかと思いきや、今回ばかりはしっかりとパロフは聞きとめたようだった。まぁ、あんな攻撃を食らってはそうせざるを得ないだろう。すこし成長したようだった。
五十嵐缶三郎「あいつら、少々頭を冷やしたようだぜ?」
池谷和也「くそ、馬鹿だから簡単に崩れると思ったのにな…」
この二人、正論を言っているのだが、何故だろうか、この悪口にしか思えないという言いようは。ちなみに、彼らはそのような事は気にせずに発している。普段のパチパチズなら、これに対して文句を言うところなのだが、今の彼らにこのような小細工は通用しなかった。
ぺロフ「ふん、その程度の挑発しかできないとは、子供だな。」
五十嵐缶三郎「何だと、この野郎!!」
五十嵐が相手に殴りかかろうとすると、雄一はそれを止めた。
不藤雄一「おいおい、自分達が挑発しておいて逆に相手の挑発にかかってどうするんだ?」
確かにそれはそうである。挑発とは相手をキレさせて冷静さを欠かせて、こちらに好機が回るように仕向けるというような戦略だ。それを失敗し且つ、相手の挑発にかかるなど愚の骨頂である。
ピロフ「どうやら、冷静な方々がいるようで。」
池谷和也「まぁな、俺達はそこら辺の馬鹿達とは違うからな。」
彼の言葉はいちいち相手をムカつかせる言い方である。まぁ、本人にとってはそう見えているのだから仕方がない。…何か、人権に関わりそうだが、黙っておくとしよう。
ちなみに、この池谷の挑発と思われる言葉は軽くスルーされた。
人形作者「まぁ、それはそれとして…俺らを怒らせたのは運命の尽きだぜ?」
いいや、あなたの言葉は間違っている。俺達をではなくて、この場合だと俺を怒らせたと言ったほうが正しい。雄一以外のこちら側は、相手を挑発して失敗した二人しかいない。
ポロフ「まぁ、いい。…こうなったら、お前達に新作を見せてやる!!」
どういう話の繋がりからそうなったのだろうか。すると、ぺロフが何やらボタンを押した。その次の瞬間、空から一体のウサギメカが出現した。
五十嵐缶三郎「ふん、メカの攻略法ぐらいなら知っているぜ?」
確かにそうである。前回の大戦の時に彼らはウサギメカを攻略している。そのため、同じ物が出てきても意味はないだろう。しかし、それを聞いたパチパチズは高らかに笑っていた。
人形作者「あ?何がおかしいんだ。」
パチパチズ「お前達の発想がおかしいのさ!!」
池谷和也「いや、五十嵐の発想がおかしいんだろ?」
どうやら、池谷は五十嵐と知能を同じにしてほしくないらしい。…まぁ、それは置いといて。
パチパチズは発想がおかしいと言った。さて、五十嵐の言った事がおかしいという意味だろうが、何故そのような事が言えたのだろうか。話を進めてみよう。
不藤雄一「-で、何がおかしいんだ?」
ポロフ「これは、今までのウサギメカとは訳が違うぞ。」
池谷和也「ふ~ん。」
池谷は興味無さそうに返すと、不意打ちのようにメカをロケットランチャーで攻撃した。それは見事に直撃した。しかし、メカには傷一つ付いていなかった。これには、大口を叩きまくっていた五十嵐と池谷は驚いていた。
池谷和也「マジかよ…」
彼はパチパチズに恥を欠かせれた事を後悔していた。相手を見下す者ほど、身の程を知らないということであろうか。まぁ、現実にある事がようやく理解できたのではないだろうか。最初は弱くても徐々に強くなっていくのが、この世界に生きている生物の生存本能である。それは、他人を蹴落としていて得るものではない。
ポロフ「どうだ、並みの攻撃では、このウサギメカ改は破壊できないぞ?」
彼らは勝ち誇った感が満載だった。そして、メカの名前も何気に代わっていた。しかし、ここで一つだけ思えることがある。並みの攻撃なら通らない。つまりは、並みの威力を超える攻撃ならば、通用するということだ。…わざわざ、彼らはこちらにヒントをくれていた。
ぺロフ「そういう事だから、もう諦めてメカにやられろ!!」
ここは降伏しろとの間違いではないだろうか?まぁ、そんなことを言われて「はい、そうですか。」と言うような輩はそうそういない。もちろん、言葉と一緒に放たれた攻撃を雄一たちは回避していた。
人形作者「めちゃくちゃやりやがるな、あいつら。…どうして止めるか。」
池谷和也「止めるの面倒じゃね?…だって、挑発に掛からなかったぐらいだからさ。」
確かに池谷の言っていることは正しい。相手は今までになく冷静である。そのような相手を簡単に鎮圧することは簡単なことではない。むしろ、難しいことなのである。
不藤雄一「まぁ、それをどうにかする方法を考えないとな。」
彼らは逃げ回りながらもそのような話をしていた。この光景を見る限りでは、彼らは少々余裕なのではないだろうか、そうも思えてくる。すると、少し時間がたった後に五十嵐が何か思いついたようだった。
五十嵐缶三郎「あいつらを、ほめまくる!!」
池谷和也「嫌だよ、あいつらを褒めたら悲しくなってくる。」
池谷に即却下された。個人的な感情がむき出しだ。どうやら、彼は本当にパチパチズへ対する自尊心があるようだった。まぁ、この策は少しは名案ではあったが、そう言うなら無理に遂行しないほうがいい。すると、再び五十嵐が提案する。
五十嵐缶三郎「じゃあ、食べ物を与える。」
人形作者「子供じゃあるまいし、止めるかねぇ…」
確かに、そんな事で攻撃を止めてくれそうなら、今頃やっている。ちなみに、水を差すようだが子供でもそれで止まらない生き物はいますからね、五十嵐君。
なかなかいい案が出てこない彼らは、とりあいず攻撃を避けることに専念していた。いつもなら、ここで強行突破してどうにかするのだが、今回は新型のメカが相手だからか彼らはそうはしなかった。そして、逃げ続けること数分後…
五十嵐缶三郎「今度こそ、名案が浮かんだ!!」
他3人「あぁ…言ってみな?」
もはや、何一つ期待もされていない。しかし、五十嵐はそれには気がついてはいなかった。
五十嵐缶三郎「強行突破だ!!」
・・・
不藤雄一「おぉ、五十嵐…それだよ。いつもの作戦をすっかり忘れていたよ。」
最終的にそれになるのかよ。そして、使わなかった理由が、作戦を忘れていたとは何という展開であろうか。ちなみに、この意見には誰一人として反論するものがいなかった。…まぁ、最終手段と言っても過言ではない作戦だから反論も何もという感じだろう。
不藤雄一「よし、全員…強行突破だ。その後は…」
ここで全員に的確な指示が出るはずだ、それを遂行するまで。全員がそう思っていた次の瞬間…
不藤雄一「各自、自由に敵を攻撃!!」
もはや、ただの強行突破となっている。その後が一番の重要点でしょうが!!まさに、彼はそこを考えるのが面倒だったのか、その部分だけを省略していた。…オイッ!!
しかし、これを聞いた他の三人は、自由=臨機応変に行動しろということを察したのか、何も言わずに反撃体制に入った。…り、臨機応変で、いいのか?
プロフ「ん?あいつら…こっちに向かってくるよ?」
パロフ「へっ、丁度いいぜ、迎撃しちまえ!!」
どうやらパチパチズはこの作戦について理解していないようだった。それを知らずにメカで迎撃を始める。これを詠んでいた四人はすぐさま散開した。それも、四人が等間隔に四方向にだった。こんな風に散開されてしまっては、一体のメカでは誰を狙えばいいかの対応に遅れるはずだ。…あくまでも、はずであった。
しかし、散開直後に何の迷いも無く、パチパチズはメカに五十嵐を迎撃させた。
五十嵐缶三郎「何でぇ!?」
人形作者「よし、予想通り!!」
どうやら、五十嵐以外の三人はこうなる事を予測していたようだ。その攻撃でメカに少々の隙が出来た。その瞬間に、彼らは一気に突っ込んでいった。
パチパチズ「なにぃ!?」
あまりの仲間を盾にした作戦に驚くパチパチズ。ちなみに、彼らが自由行動で突撃すると、なぜだか五十嵐が勝手に狙われるようだった。…何故かは永遠の謎である。
パロフ「くそぅ、他の三人を迎撃だ!!」
慌ててメカは体制を立て直し、迎撃態勢に戻ろうとしたが、池谷による弾幕攻撃により照準が狂ってしまい、何もない所を誤射した。それを見た雄一を人形作者がメカに向かっていく。
人形作者「さぁて、そろそろ終了と行きますか。」
人形作者は思い切りメカを殴り飛ばした。その事を確認した雄一はすかさず先回りをしてメカが飛んでくるのを待つ。メカが自分の攻撃範囲内に飛んできた瞬間、それを叩き斬った。
ウサギメカ改「ぬあああああ!!!」
チュドーーーン!!
そして、ウサギメカ改は跡形もなく破壊された。
ぺロフ「あぁ!?資源総額108円を掛けて作ったメカが!!」
四人「やっすいなぁ!!」
ぺロフはそう口にすると、雄一達に即座にツッコミを入れられた。確かに安いが、三桁でメカが作れるのは凄いことだ。…何気に消費税もしっかり払っている面は偉いと言っておこう。
ピロフ「よくも、僕らの新作を!!」
ポロフ「許さないぞ!!」
パチパチズの怒りを有頂天に達していた。
池谷和也「いや、三桁のメカでは?」
ぺロフ「黙れ、今までの最高傑作なんだ!!」
五十嵐缶三郎「そうだぜ、池谷。されど三桁、たかが三桁だぜ?」
彼はパチパチズに少しでも良いようにしてあげたかったのだろうか?しかし、その言い方は間違っているし、その言い方だったら、たかがの方が強調されてしまう。こういうのはせめて、通常通りの順番で言ってあげてほしかった。
プロフ「こらぁ、馬鹿にするなぁ!!」
パロフ「テメェーら、ブッ飛ばしてやるぜ!!」
どうやら馬鹿にされた事で有頂天に達していた怒りが有頂天外にまで跳ね上がったようだった。さらに怒らしてどうするのだろう。そう思うが、これこそが最大の作戦だった。
人形作者「どうやら…冷静さを欠いたようだな。」
人形作者はわざと聞こえるように喋った。
パチパチズ「しまった!?」
不藤雄一「もう、遅いだろ。」
彼らがそれを認識した頃には、すでに四人に周囲を囲まれていて逃げ場なんて無くなっていた。パチパチズは互いの背中を仲間とくっつけた。どうやら、全員が無意識のうちに後ずさりをしていたようだ。背中がぶつかり合うとその場に崩れた。そこに人形作者が両手を鳴らしながらやって来た。
人形作者「さてさて…御冥界への御予約はお済ですかな?」
ポップな表情でそう言っているが、セリフといい彼の現状の態度といい、全然ポップではなかった。パチパチズはそれにただただ怯えることしかできない状態だ。そして、次の瞬間…
人形作者「はんぺん。って言われた仕返しぃーーー!!!」
バッキィ~~~!!!
パチパチズ「ぎゃあああああ!!!!!」
人形作者はパチパチズを宇宙の彼方へと殴り飛ばしたのだった。彼らは綺麗に宇宙の彼方へと消えていった…
そして、彼らの活躍により、このエキサイティングシティの平和は守られたのだった…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それから、数日後…
不藤雄一「ふぅ、暇だな。」
人形作者「相変わらず、俺達はこのネタで一日が始まるよな。」
池谷和也「仕方ないよ、事実だから。」
彼らはいつも通り暇な日常を送っていた。すると、五十嵐が彼らのもとへとやって来て、ある事と提案する。
五十嵐缶三郎「暇なら、ロシアンルーレッ…」
他三人「拒否ッ!!」
五十嵐缶三郎「えぇ~…」
これも相変わらず、彼の提案は即座に拒否されるのであった。そして、彼らは暇を紛らわすために、外を散布することにした…
その頃、宇宙では…
ポロフ「くそー、またアイツらに邪魔された!!」
ピロフ「今回こそは上手く行くと思ったのに!!」
ぺロフ「でも、今回は色々と異常事態が多かったよ。」
プロフ「うん、僕らの偽物がいたりとね。」
パロフ「だが、次回こそは成功させてやる!!」
人形作者に殴り飛ばされたパチパチズが宇宙を彷徨いつつ反省会をしていた。この話からすると、また仕掛けてくるような感じだった。…しかし、流石不死身の生物だ、普通に生きていたと花。
すると、話し合いをしている最中、ふとプロフが口にする。
プロフ「次回って言うけど…あるのかな?」
切実な内容だった。確かにこの話が終わってしまえば、次回もくそもない。
ポロフ「大丈夫、こんな宇宙に漂流した状態で終わらせるエンターテーナーはいないさ。」
彼の言う事は正しいが、さらに正しいような意見が生まれてくる。
ピロフ「でも、こういう放置プレイ的な終わらせ方も人気の一つだよね?」
プロフ「あ、確かに…」
これも、切実な内容の話だ。確かに、このまま終了というのも変わっていて良いかもしれない。
パロフ「嫌だぞ、僕らはこんな終わり方をするキャラじゃない!!」
いや、エンターテイナーがこの話にも存在するのだとすれば、全てはその者の意思ということになる。それは、どうにもならないだろう。
プロフ「そうだそうだ、せめて地球に戻してほしいよ。」
そんなわがままが通るのは、漫画やアニメそして小説の話ぐらいである。…待てよ、この話は小説ではないか、つまり、彼らを地球に返すことは可能である。えー、という訳で。
???「その願い、叶えてやろう。」
パチパチズ「誰だ!?」
宇宙を彷徨っている彼らの前に、一人の人間が姿を現した。それは、今までに見たことの無い凡人のような人間だった。
???「誰と言われても、答えに困るな。」
その人間は正体を明かそうとはしなかった。どうやら、何か知らぬ正体を明かせない理由が今は存在しているのだろう。すると、彼はどこからともなく一冊の本を取り出して、後半の白紙のページを開いた。
プロフ「ん?…何すんの?」
不思議そうに彼らはその光景を眺めていた。すると、そのページに自分達の絵が描かれた。
ポロフ「これは?」
???「地球に戻りたいんだろ?」
パチパチズは自分達の願いに大きく頷く。
???「それを可能にするのさ。」
ピロフ「本当に!?」
ぺロフ「戻れるの!?」
彼らはこのような実際にはあり得ないような状態を不思議に思いながら、会話をしていた。それに対して、人間を頷いた。
パロフ「じゃあ、どんな風にでもいいから戻してよ。」
???「分かったよ。」
すると、人間はページに何やら書いて本を閉じしまった。
???「さて、これでお前たちは地球へと戻れるだろう。…じゃあな。」
そして、その場から彼は姿を消したのだった。彼は一体、何者なのだろうか。あれが先ほど自分達の話していたエンターテイナーなのだろうか。そう考えている矢先にプロフがふと目線を上げるとあるモノが見えた。それは…
プロフ「きょ…巨大隕石だぁ!!」
他四人「うえええええ!?」
その隕石は先ほどまで近くには無かったモノだった。ちなみに、大きさは巨大というよりは小さいほうである。彼らが見ている距離が近すぎるがために巨大に見えているのだ。
パロフ「どうすんだよコレ、どうすんだよ!!」
プロフ「逃げるしかないよね!?」
そして、彼らは離脱しようとするが…
ぺロフ「何で!?」
ピロフ「あ、足が…」
ポロフ「動かない!?」
何故たが分からないが、離脱ができない状態になっていた。彼らは常にあたふたする。そんなことをしている間にも隕石は彼らに接近してきている。そして、その数秒後…
ズゴーーーン!!
パチパチズ「あああああぁぁぁぁぁ~~~~~…」
隕石はパチパチズを巻き込んで地球へと落下していったのだった。その頃、エキサイティングシティでは…
五十嵐缶三郎「行くぞ、人形。」
人形作者「へん、さっきと同様に圏外ホームランを打ってやるさ!!」
市民総勢で野球をしていた…ちなみに、圏外ホームランは正しく表記すると、地球圏外ホームランである。どんだけ、飛ばしたんですか彼は。
五十嵐は思い切りボールを投げた。すると、人形作者はそれを完璧に捉えて打ち返した。これも、圏外ホームランと同じくらいの飛距離になった。そして、彼は軽くホームベースへと戻ってきた。すると、雄一があることに気が付いた。
不藤雄一「あ~…あれは、何だろうな。」
他全員「ん?」
彼らは一斉に空を見上げた。そこにあったモノは、この地に向かって振っている隕石だった。
市民A「隕石だぁ!!」
市民B「落ちてくるぞ、逃げろーー!!」
現場はパニックになりつつも、全員が上手く逃げていた。そして、その場には誰もいなくなった。そして、全員が安全な場所に隠れてから数秒後…
ズドーーーン!!
隕石がシティに落下して大爆発を起こした。早めに気づき逃げていた彼らは全員無地だった。奇跡的に野球をしていた広場だけが少々焦げたぐらいで、市街地などには何一つも影響はなかった。大爆発が終わると、避難していた全員が隕石の残骸の周りへと集結した。
五十嵐缶三郎「いやぁ、派手に振って来たなぁ。」
人形作者「んだなぁ~。」
彼らはただただ隕石の残骸を見つめていた。すると、何やら動く影のようなモノが視界に入ってきた。
池谷和也「これは、何かいるな。」
不藤雄一「あぁ、あのシルエット…見たことあるな。」
そして、完全に煙が消えてそれが姿を現した。
全員「あぁ!!お、お前らは-」
そのシルエットの正体とは一体、何者なのだろうか…
全員「誰だっけ?」
シルエットの正体達は、一斉に体制を崩して転倒した。そして、すぐさま起き上がりツッコミを入れるのだった。
パチパチズ「パチパチズだぁ!!」
なんと、正体はあのパチパチズだった。まぁ、流れ的に大体は予想できてはいましたがね。…あのシーンから。
五十嵐缶三郎「お前ら、隕石まで降らしたのか!!」
パロフ「違うわ、地球に戻りたいと願ったら、いきなり隕石に巻き込まれたんだ!!」
正しい事を彼は言っているのだが、誰もそのような小説のネタのような話は信じようとはしなかった。すると、この会話をしていて彼らはエキサイティングシティに戻ってきたことを不意に認識した。
ぺロフ「あれ、ここはエキサイティングシティじゃない?」
プロフ「本当だ、戻ってこられた。」
ピロフ「やったぁー!!」
大喜びをしていた。
不藤雄一「あの、お喜びの最中悪いが…ここは、あなた達の母星ではないのだが?」
ポロフ「よっし、拠点に帰るぞ。」
他のパチパチズメンバー「了解~。」
完全に雄一の言葉をスルーして彼らは帰ろうとしたが、住民たちが簡単にそうさせるわけが無い。
住民D「逃がすかよ、捕まえろ!!」
全員「了解!!」
そして、彼らはパチパチズを追い回し始めた。その追いかけっこはエキサイティングシティの全ての箇所を使用するぐらいの大騒ぎとなった。最終的には、パチパチズには上手く逃げられてしまった。…というよりも、住民たちが追いかける気力が無くなるほど、彼らの逃げ足は速かったのであった。
こうして、また彼らの物語は続く事となった…
最終話にしては、ぶっ飛んだ内容でしたな。宇宙に殴り飛ばされたり、隕石が降ってきたりとね。
そして、エンターテイナーみたいな人物も出てきましたね。…一体、何者なのか?(まぁ、しぐさ的には察しがつくでしょうね。)
さて、今後についてですが、このシリーズは…
まだまだ続きます。(まぁ、文脈からして終わらせる気がない。)
ようやく、幼い頃に書いていた内容が全て終了しましたので、次回からはオリジナルの話となっていきます。
なので、更新は随分と遅れるでしょうが、次期をお楽しみに。
でわでわ…