TikTokというフィールド
舞贝勒さんのInstagramのショート動画を楽しむ日々が始まった。
インスタのショート動画は全部見た。
特にお気に入りのものはブクマをした。
YouTubeにしかない動画は多分ない、と判明してからは、基本的にインスタのブクマで回していた。
ちらほらと他のダンス動画やマッチョ動画も見てみたが、やはり「すごいということは分かる」という感想で、繰り返し見たいと思うのは舞贝勒さんのダンスだけだ。
なんだろう。
何が違うんだろう。
動画内のトータルコーディネート感がツボなのかもしれない。
ダンスを見ていると言うよりは、作品を見ている感じ。
あの作り込まれた身体と、訓練された動きと、凝った衣装が相俟って作り出す世界観が、私の厨二心にぶっ刺さるのだと思う。
あんなん、オタクの女はみんな好きやろ!!??♡♡
山羊や狐の仮面を被った『異界の獣』や、神事を思わせる『異世界の御巫』のようなキャラクター性に魅了され、ショーの実況よりスタジオ撮影のものを好んで回していた。
誰かひとりくらいこの沼に引きずり込めないかと聞き込みを始めたが、残念ながらベリーダンスに興味を示してくれる知人は見つからなかった。
うん。
私も自分がベリーダンサーにハマるとは予想もできなかったよ。
そうやって、ひとりでショート動画を楽しみつつ、私は彼の情報を探すことを諦めてはいなかった。
黙々と芸名で検索をかける。
何度もコピペするのが面倒で『舞贝勒』を辞書登録してしまった。末期だ。
私は今まで芸能人にハマったことがない。
イケメンや美少女は大好物だが、それにお金を払うという感覚がよく分からなかった。
その昔、ヨン様ブームで巣鴨の奥様方が大枚を叩いているのを見て「好きという気持ちの足元を見てるひどい商売だなぁ」などと思っていた。
ごめんなさい、私が間違ってました。
あれは彼女たちの心を表出する手段だったのだと、今なら分かる。
ひとは、推しを見つけると、課金したくなるものなのですね……
因みに今のところ舞贝勒さんへの課金手段は発見できていない。
フォロワー17万人の無駄遣いでは?
この人、何のためにSNSやってんだろ?
何日もネットの海を掘っていると、TikTokの方が動画が多そうだということが分かってくる。
考えてみれば舞贝勒さんは中国人なのだから、当たり前のことかもしれない。
「TikTokかぁ……あんまりこれ以上、アプリ増やしたくないんだよなぁ……入れたくないなぁ……」
入れた。




