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第五話 「反撃の決意」



ロイドは、守護者からの警告を受けた翌日も、考え込んでいた。運命を操作することで救える命がある反面、その力が他人の運命を無意識のうちに狂わせてしまう恐れがある。そして、運命守護者という存在が、彼の力を危険視している以上、今後の選択次第で彼自身が命を狙われることになる。


「でも、だからといって……」


ロイドは、手元にある「運命操作士」のスキルを再び確認した。彼にはこの力しかない。剣を振るうことも、強大な魔法を操ることもできない。だが、この力にはまだ未知の可能性が秘められているはずだ。


「守護者に挑む……それが僕の運命か?」


そう呟いた瞬間、ロイドの胸の奥に決意が宿った。彼は、守護者の警告に屈することなく、さらに運命操作士としての力を引き出す方法を模索しようと決意したのだ。守護者に挑むには、この力を完全に覚醒させなければならない。そして、そのためにはさらなる運命の操作が必要だ。


ロイドはその日の午後、王都の外れにある廃墟のような図書館に向かった。ここは、かつての王国の歴史や伝説が記された古い文献が眠る場所だった。誰も寄り付かないこの場所で、彼は運命の秘密について調べようと考えたのだ。


図書館に入ると、埃まみれの本棚に目をやった。数多くの書物が並んでいるが、その中で目を引いたのは、黒い装丁の古びた書物だった。タイトルも読めないほど古く、書かれている文字も一部がかすれている。


「これが……運命に関するものか?」


ロイドはその書物を手に取り、慎重にページをめくり始めた。そこには、運命に関する古代の伝説が記されていた。運命を操る者たちがかつて存在し、彼らは「運命守護者」との戦いを繰り広げていたという内容だった。


「やはり……運命を操作する者は、守護者に狙われる運命なのか……」


ロイドは、その書物に記された運命操作士の歴史をじっくりと読み進めた。その中で、一つの重要な記述を見つけた。それは、運命操作士が「完全な力」を解放するための儀式についての記述だった。


「完全な力……」


それは、運命操作士としての真の力を覚醒させるために必要な儀式だと書かれていた。しかし、その儀式を行うためには、特別な条件が必要であり、それを満たすことは非常に難しいとされていた。


「僕は……その条件を満たせるのか?」


ロイドは考え込んだ。運命を操作する力を完全に解放すれば、守護者に対抗するだけの力を手に入れられるかもしれない。しかし、その代償として、彼自身の運命も大きく変わってしまう危険性があった。


「……それでも、やるしかない」


ロイドは決意を固めた。自らの運命を変えるためにも、そして守護者に対抗するためにも、彼は儀式を行うことを決めた。運命操作士としての完全な力を得るための旅が、今、始まろうとしていた。

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