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障害者一家  作者: 船五郎
9/10

帰りのバス停で

 香は竹原家で胃袋がパンクするほどの焼肉をご馳走になった。竹原家の人たちといろいろ話ができ、楽しかった。

 今日はすっかり帰るのが遅くなってしまった。

 香は満腹になったお腹を抱え「じゃあ、今日はすっかりお世話になりました。もう遅いので帰ります」と言った。また肥ったかな?と思った。

 「気を付けてね。隆、バス停までおくってやんなさい」

 「わかった」

 香と隆は並んで歩き、バス停のベンチに座った。

 「いやあ、今日は本当に楽しかったなぁ~、お前がいてくれたお陰でみんな喜んでいたよ」

 「あたしも楽しかったわ、すっかりご馳走になっちゃった」

 香は大きく深呼吸した。

 「竹原君、わたし一つ嘘をついてた事があるの。私のお父さん、会社員だって言ってたでしょ、本当はうち障害年金で暮らしているの」

 隆は頷いた。

 「うん、なんとかくわかっていたよ」

 「うちも竹原君ちと同じで両親も兄も障害者なの、この事は他の人にには内緒にしててね!」

 隆はベンチに反り返り、足を組んだ。

 「兄ちゃんは働いているのか?」

 「兄は物流会社に勤めているの」

 「そうなのか、うちの姉ちゃんはA型作業所に行ってるんだ」

 A型作業所とは一般企業と作業所の中間のようなところである。

 「おれも将来的にはどうなるかわらないけど、せめて就職はしたいな~」

 そう言ったところでバスが来た。

 「じゃあね、竹原君」

 「じゃあな、また明日作業所で会おう」

 お互い手を振りながら別れた。

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