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障害者一家  作者: 船五郎
5/10

竹原君の誘い

 香が作業所に来て一か月、すっかり雰囲気にも馴れ、先週には初工賃も貰った。香はここの作業所が気に入ってしまった。仲の良い同性の友達もでき、作業もよくさばけ、職員にも気に入られていた。

 あれから竹原君は、ちょくちょく香りに話かけて来た。「趣味はなんなの?」とか「あの店にいったことある?」とか、いろいろ質問してきた。

 香は最初しつこい、と思ったが、竹原君の雰囲気がすごく明るくてサバサバしてたので、だんだん気が許せるようになっていった。

 ある日竹原君が「今度一緒にお好み焼きでも食いにいかないか?俺うまい店知ってるんだ」と誘って来た。

 「な、なによ!いきなり食事に誘おうなんて、強引よ!」と口を尖らせながら言った。

 「強引かも知れないけど、俺、他に友達いないし、お前とだったら結構盛り上がるかな、と思って、なんなら奢るよ」

 「いいわよ、割かんで。で何時に何処で待ち合わせ?」

 「その前にLINE交換しないか?それで細かい指示はだすよ」

 香はスマホを取り出し、QRコードを見せた。竹原君もスマホを取り出し、香のスマホと重ね合わせた。

 「これで取引完了だな、今度の週末が楽しみだ」

 作業が終わり、帰りのバスに乗った。

 全く変な男と約束してしまった。香は思った。竹原君が自分にストーカーしてこないのを祈るばかりだった。

 香は、家に帰るなり両親に言った。

 「あたし、彼氏というか、男友達が出来るかもしれない…」

 「お前がか?」

 両親は顔を見合わせた。

 「向こうからアプローチしてきたのよ、今度食事しないか?て!」

 「全くお前みたいなブタ女のどこがいいんだろうね」と隆一は言った。

 「失礼ね!」

 

 香はその夜期待と不安が織り交ざったような気分で眠りに着いた。竹原君の夢を見た。

 

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