表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

はせのエッセイ

パパにジュースを買ってもらうために説得する「天才5歳児」

作者: はせ

こんにちは、はせです!

今日は家族全員で銭湯に行ってきたのですが、天才5歳児と困惑する父との会話が面白すぎて、エッセイを書いています。よければ皆さんも想像して読んでみて下さい。


昼過ぎに、銭湯に行きました。

お目当ては、「岩盤浴」

温められた岩盤の上に、タオルを敷き、寝転がり汗をかく健康法です。

湿度が高い40~50℃くらいの部屋と15℃の涼しい部屋を行き来すると、整います。


サウナと違う点は、空気の温度です。

サウナは高温の室内に入り、短時間で汗をかきますが、岩盤浴はサウナよりも低い温度の岩盤で寝転がることで、体のそこから発汗し、毒素や老廃物を出したり、美容やダイエットにも繋がるのだとか。

暑さが続くこの季節にリフレッシュをしに、岩盤浴に行ってみるといいかもしれませんね。



まあ、私も普通の銭湯に行くくらいなら、特別なところに行ってみたいなと思い、岩盤浴に行ってきました。そして4度ほど整い、汗を流すため、風呂に向かいます。

露天風呂で涼もうかなと思っていましたが、外気温が高すぎて、結局涼めず、水風呂に入って涼んでいました笑

そんな感じで銭湯を3時間ほど楽しみ、脱衣所の外で水を飲みながらリラックスしていました。

本当は炭酸水でも飲みたかったのですが、お金を使いすぎていて、財布にお金が73円。これじゃあ自販機で何も買えません。

渋々、無料の水を飲んでいると、


「パパ!ジュース買って!」

と小さな双子の男の子達が嬉しそうに脱衣所から走って出てきました。

可愛いななんて思って見ていましたが、


「あのな、パパがジュースを買うのに、一日頑張って汗水たらしながら仕事をして、やっとジュース一本買えるんだからな」

とパパが二人の男の子達へ仕事の辛さを語っていました。

「パパがな、頑張ってお家を建てて、やっとジュース一本だ。5歳だったら働けないだろうけど、ジュースを買うのに頑張ってることを思いながら飲んでね」

とパパが男の子へ話していました。


パパと呼ばれている男性はがたいが良く、建築業で働いているんだなというのが感じられます。

恐らく30代前半で、大工の仕事が体の負担となっているんじゃないかなとも思います。

私も「やはり働くことは大変なんだな」と感じつつ、感謝しながら0円のお水を飲んでいました。


普通の可愛い5歳児だったら、ここで「ありがとうパパ!美味しく飲むね!」と言って、笑顔で終わるところですよね。

しかし事態は思わぬ方向へ進みました。

なんと、


「じゃあパパ良かったじゃん!」

と一人の男の子が言います。私は「ん?」と思いつつ、彼らの話に耳を傾けていると、


「何が良いんだ?」とお父さんは訊ねます。

すると、「パパが4時間働いたら、ジュースが買えるようになるね!」

と発言したのです!


えっ?と疑問を抱く私と男性。急に、「4時間働く」という現実的なキーワードが飛び出し、私は脳をフル回転させて考えます。


4時間?

買おうとしているジュースの値段は160円。4時間働けば一時間40円?

あのお父さんはいつも4時間勤務なのか?

それとも子供の思いつきでこんな発言を?


考えれば考えるほど謎めいた発言です。

お父さんも意味がわからなかったのでしょう。


「どういうこと?」と子供に訊ねると、その場にいた全員が耳を疑う発言をします。




天才5歳児はこう言ったのです。

「だってお仕事の給料が一時間につき40円あがるんでしょう?昨日テレビで見たよ!」



まじか...。

その瞬間、全てが理解できました。

最低賃金が全国平均で最大41円あがるというニュースを見たのでしょう、子供が「お父さんの仕事のお給料があがるんだ!」と解釈し、(その時点でおかしい)瞬時に160÷40=4という計算を行ったこと。


お父さんも意味を理解したのか、唖然とした様子で、

「あのね、パパのお仕事は月給制って言って、毎月25日に振り込まれるお仕事なんだ」と驚きが隠せないように言いました。そして、

「それじゃあ、今日はお給料がまだ残ってるから沢山ジュース買えるね!」

と言ったのです。


お父さんはきっと、子供にお金の大切さと、働くことの大変さを伝えたかったのでしょう。

子供と銭湯に来て、ジュースを飲むために、汗水たらして働いていることも事実ですし、お父さんは素晴らしいと思います。


ですが、子供がここまで頭が良いとは...。

将来は大物ですね。


「違う、そうじゃないんだよな...」とボソッと嘆くお父さんの声で、天才5歳児vsパパの戦いは幕を閉じました。

読んでいただき、ありがとうございました!

「面白かった!」と思った方は、評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 得た情報を適切に活用出来るとは素晴らしいですね。 そのお子さんがそのまま健やかに成長しますように。 そして、働き者のお父さんには労いを…。 [一言] ほっこりするお話をありがとうございまし…
[一言] おそらくは、普段からこういった会話を親子でするんでしょうね。だから、子供も自分なりに考える癖がついているんだと思います。 天才というよりも子供を尊重して会話する親の教育の賜物かなあと思いま…
[良い点] 世情を知ってて自分で解釈できてるんですね。 将来が楽しみなお子様です。 以前、町の小さなお風呂屋さんの脱衣所で小さい子とそのお父さんがいました。 子供は「ここで泊まるんだよね」とか「ここ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ