リオとの邂逅②
その後リオと軽く会話を重ね、セシルはセントラルボーデン軍本部に連絡を入れる。
やはりセシルはMIAと見なされていたようで電話の向こうでは慌てている様子が伝わってきた。今はリッツカルドで療養していた事を伝えると迎えをよこすので待機しているよう命じられる。
「ごめんね、なんか怪我人追い出す様で申し訳ないわね」
「何言ってるんですか?いいですよ。助けていただいただけでも本当に助かりました」
セシルはそう言って頭を下げ、荷物を纏めるとリオ達の元を後にした。
最後まで丁寧に頭を下げ去って行くセシルをリオは軽く手を振りながら見送っていた。
「……そろそろ私、顔出していいですか?」
そう言って別室からユウナが不満げな顔を覗かせる。
「えぇ、どうぞ、いいわよ。私がした事、余計なお節介だったと思う?」
「どうでしょうね、余計なお節介だとは思いませんよ。ただ珍しく首突っ込んだなぁって」
「まぁ気まぐれよ。荒野の真ん中に女の子一人ほっといて、後から何かあったとか知ってもなんか目覚め悪いしさ、巡り合わせみたいなもんかな」
そう言ってリオは目尻を下げて微笑んでいた。
その後セシルが街の外れにある公園のベンチに腰掛けていると、迎えの兵が目に入った。すかさず合図を送ると兵達はセシルの元へと駆け寄って来る。
「ご苦労さまです。お迎えありがとうございます」
セシルが立ち上がり力強く敬礼をし礼を伝えると、迎えの兵達も力強い敬礼で返す。
「セシル・ローリエ少尉でありますね? お迎えにあがりました。宿でお待ちいただければそちらまで伺いましたのに」
「保護して下さったのは一般の旅行者の方です。これ以上迷惑は掛けられません」
「まぁ確かにそうかも知れませんが……とりあえず行きましょう。皆本部でお待ちです」
凛とした笑みを見せ迎えの車に乗り込むセシルだが、内心はリオ達の事を聞かれずに上手くかわせたと安堵していた。
「お疲れかも知れませんが少尉には一つお伝えするように言われてまして……よろしいですか?」
車両に入り落ち着くなり兵の一人から問い掛けられた。その含みを持たせた物言いに不安が過ぎり、少し戸惑いながら頷く。
「同期でお知り合いだと思いますがジョシュア・ゼフ少尉が現在拘束されています。容疑はスパイ及び隠避です」
余りにも予想だにしない情報にセシルはその大きな瞳を見開き、言葉を失ってしまった。




