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12-7

 朝比奈隊は大高街道を南西に進んで田楽坪を目指した。

 最後尾の兵士から脱走していった。部隊は減り続けて五百人以下まで減少した。


 左手前方に桶狭間神明社という神社が見えてきた。

 朝比奈隊は神明社の前を通り過ぎた。

 神明社の裏手に川があった。沢山の馬の鞍が川を流れていた。

 金銀で飾り付けた豪華な鞍。虎の皮やワニの皮をあしらった珍しい鞍。家紋付きの鞍もあった。どれも指揮官クラスが使う立派な鞍だった。

 この川は後に「鞍流瀬川」と名付けられた。

 朝比奈隊は沈んだ気持ちでゴージャスな川を渡った。二百人は川を渡らず逃げ出した。


 左手前方に長福寺という寺が見えてきた。

 部隊は鞍流瀬川と長福寺の間の道を左折して田楽坪に入った。


 平地に大量の首なし死体が横たわっていた。上空にはカラスが渦巻いていた。

 平地にはまだ多くの織田軍がいた。朝比奈隊三百を見ると、前田隊、佐々隊三百が突スナで正面から突っ込んできた。

 両隊は猛射撃を浴びせた。泰朝は右肩と馬を打たれて落馬した。

 朝比奈隊は逃げ出した。両隊は崩れ立った敵に突撃した。


 泰朝はまだ生きていた。彼は激痛で気を失いそうになりながら、道脇の草むらまで必死にほふく前進で移動した。

 草むらに柳の木が生えていた。泰朝は木の下まで来た所で気絶した。緑色の鎧を着ていたので、両隊は泰朝は気付かずに通り過ぎた。

 泰朝は後にこの地を訪れて、柳の木の下に観音像を祀ったという。


 午後四時、全ての戦闘が終わった。

 織田軍は清州城に帰還した。

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