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織田信長の家督継承から尾張統一戦、桶狭間の戦いまでを書きます。

読みやすく、分かりやすくをモットーに進めていきます。

ストーリーは定説の気持ちよさを守りつつ、それを壊さない程度に新説の目新しさを取り入れていきます。

言葉遣いも分かりやすくなるように雰囲気を壊さない範囲で崩していきます。

聞きなれない単語があれば、Googleで画像検索や動画検索をかけてください。


全10話。毎週日曜夜~月曜朝に更新予定です。ジャンプのついでに読んでいただければ幸いです。

 天文十六年秋、朝倉宗滴率いる朝倉軍八千が山道を南下して揖斐川町方面(岐阜県北西部の町。福井県と隣接する)から美濃に侵入した。


 宗滴は七十過ぎの老人である。

 実質的な朝倉家当主として関西、北陸を転戦して負け知らず。一万の軍勢で三十万の敵軍を撃退したという伝説さえある。宗滴は勝利を重ねて朝倉家を北陸随一の大国に成長させた。


 率いる朝倉軍は強力だった。兵士は三十代の経験豊富なベテランばかり。普段農作業で鍛えた体は日焼けしてムキムキだった。畑仕事の弊害で姿勢は猫背がに股だった。


 宗滴は軍勢の先頭を進んでいた。初陣の頃から彼は常に一番危険な場所にいた。

 鎧は腹当と呼ばれる簡単な防弾ベストのみ。乗馬は小型馬だった。


 宗滴の後ろを二人の後継者が続いていた。

 朝倉景隆。一族の重臣である。母は現当主の妹だった。

 山崎吉家。朝倉家の譜代家臣である。父は宗滴と共に三十万の敵軍を撃退した武将だった。

 二人も宗滴に倣って軽装で小型馬に乗っていた。


 景隆は戦況を説明した。


「朝倉軍八千は北から、織田軍一万七千は南から美濃に侵入します。

 斎藤軍の総数は不明。一万前後と比定されます。利政は城に籠らず、各地に守備隊を分散配備しています」


 宗滴は尋ねた。


「各地の配備状況は分かる?」


「それは確実に。城の中に正確に何人いるかまでは分かりません」


 山崎は先行きに不安を持っていた。


「織田の動きに焦りを感じます。一か月前には岡崎を落として西三河を手に入れました。その戦後処理も終わっていないのに今回の美濃攻めです。

 何か急ぐ必要があるのでは?それが今回の戦に影響を与えなければいいのですが」


「今は斎藤を亡ぼすいい機会ではあるよ。織田には勢いがある。

 去年、織田の跡取り息子が元服した。これがアホ馬鹿たわけと評判でな。勢いがある内に周りの敵は全て倒しておきたいだろうねえ」


「跡取りは何という男です?」


「織田信長」



 織田信秀率いる織田軍一万七千は木曽川を越えて美濃に侵入した。


 信秀は「尾張の虎」と恐れられる武将である。

 尾張国は八つの郡を持っていた。形式的なトップは守護の斯波氏。実質的なトップは守護代の織田氏である。

 守護代は二家あった。北四郡を治める上守護代を岩倉織田氏が、南四郡を治める下守護代を清洲織田氏が務めていた。

 信秀は清洲織田氏に仕える三奉行の一つ、勝幡織田氏の人間である。しかし南四郡の内三郡を奪い取り、弟の織田信康を幼い岩倉織田氏当主の後見人に押し込んで、実質的な尾張守護の地位に就いていた。

 信秀はあくまでも実質的な守護だった。力は斯波氏を圧倒的に上回っていたが、家臣としての地位を守った。守護代や他の三奉行と何度も争い、何度も勝ったが、殺さずに許した。


 率いる織田軍の戦闘力は朝倉軍に比べると劣った。兵士は金で雇った町人や、各地を渡り歩く傭兵部隊が主体だった。姿勢は真っ直ぐ。年齢は十代から五十代まで幅広かった。

 やる気はあった。こちらは敵の二倍。連戦連勝で勢いづいている。誰の顔にも自信がみなぎっていた。


 尾張を統一した信秀は近隣諸国に進出した。現在は西美濃と西三河まで支配下に収めていた。

 尾張の石高は六十万石。西美濃と西三河でそれぞれ十万石。都合八十万石の大大名である。この時、織田家は信秀の元で全盛期を迎えていた。


 信秀は親衛隊に守られて軍勢の中央にいた。

 鎧は五月人形のような大鎧。乗馬は海外交易で手に入れた大型馬だった。

 一万七千人が約束された勝利に酔いしれていた。しかし信秀だけは強い警戒心を保ち続けていた


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