プロローグ
初めまして、時雨宮京と申します。
なんとなく思いついたものをなんとなく書いていこうと思った結果、こういう作品になりました。
時折投稿します。投稿頻度は遅めかもです。
よろしくお願いします(_ _)
世界は、“未知”であふれている。
未確認の生命体や道の現象...無いものとして語り継がれるそれは、いわばフィクションとして語り継がれてきたものだ。
だがそれも今、崩れようとしている。
古より語り継がれる“未知”の代名詞、魔法。そしてその力を使う者達が、この世界には存在する。
フィクションが、物語の枠を越えてきたのだ。
「さて、そろそろ彼女の番か....」
真っ白な世界で、とある少女が一人優雅に紅茶を飲んでいた。
とある世界のとある都市、ここから始まる物語に彼女は思いをはせる。
来るべき時を待つように、ゆっくりと目を閉じた。
「私の役割は導くことだけ....」
一面に咲く白い菊の花が、彼女の言葉を肯定するようにゆらゆらと揺れた。
花弁が舞う。風邪など吹かないこの空間において、彼女の行使した魔術によって花弁は天高くへと舞う。
やがて見えなくなったそれは祝福か、あるいは....
フードを被った人物は持っていた杖を掲げ、そしていつまでも消えた花弁の後を眺めていた。
***
白い菊の花が舞う。天高く舞い上がったそれは青空の下を泳ぎ、海上に作られた都市を眺めるように流れる。
どこからともなく現れたその花弁は、風にあおられるようにして都市の上を浮遊する。
眼下に広がるのは海上都市。大渦の上に悠然と存在するその都市は、人工島の上に作られた都市だ。全20区に分かれた円形状の都市は、海上にありながらその高い防波堤によって災害から守られている。
大きなショッピングモール・空港や港、森に学校地帯を抜け、住宅街に入る。
そこに佇むとある一軒家の2階の窓び、白い菊の花びらが引っかかる。
そこから見える中の少女。
彼女の紡ぐ物語が今、始まろうとしていることを誰も知らない。
風に揺られた花弁は、まるで彼女を祝福するかのように空に舞い、今度こそ空のかなたに消えていった。
第1話から本編スタートです。