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少年の小噺

作者: Cielo

「フットやろーぜ!」

昼休み、小学生の僕達はグラウンドに飛び出してフットボールをするのが流行っていた。

「負けたチームが掃除肩代わりな!」

「ぜってー負けねー」

「お腹いっぱいなんだよなぁ」

やる気のあるやつもないやつも、みんなとりあえず外に出て遊んでた、いつもフットボールをやっていた場所はプールの隣の開けた所、グラウンドの隅の方だった。

チーム分けでひとしきり揉めたあとフットボールが始まった。

「うわー最初っからレオかよー!」

「まぁ小倉はあとの方に回しとくか?」

「れんた先いけよ!」

ヤジが飛び交い笑い合い、フットボールってほんと楽しかった、玉がでかいから誰でも当てれるし、蹴るからよく飛ぶし、運動できる子もできない子も一緒に遊ぶにはうってつけだった。

でもそんな時、健伸の蹴ったボールがプールの有刺鉄線を超えて中に入っていった!

「おいまじか!」

「うっわ、怒られるぞー」

先生に伝わったらボール使えなくなるかもしれない……そんな思いが過ぎった僕と健伸は有刺鉄線を上着で押さえ込みプールのフェンスを乗りこえボールを取りに行くことにした。

「やめとけよー…」

学級委員に言われたが、正直プールに侵入する口実が出来たのだ!行かないわけがなかった。

「お前ら黙っとけよ!」

と言って2人で越えると思いのほか簡単に乗りこることが出来た。

プールの水の中に浮かんでいるボールを上着を振り回し手繰り寄せ、無事ゲット!ボールは外に出し、僕達はもう一度乗り越えて出ていこうとした、有刺鉄線超えて飛び降りるか!という所で

「アンタ達なにやってんの!」

担任の先生が現れた!危険だと思った子が呼びに行っていたのだ、その声に驚き僕は有刺鉄線に頬を引っ掛けた。

こっぴどく叱られると思ったが、その先生は

「アンタ達やるならバレないようにやりなさい!」

と言って絆創膏をくれた、プールに侵入したことと、その事を認めてくれる(語弊があるといけないが、この場合の認める、はプールに入ることではなく、ボールを取りに行くにあたって行かざるをえなかったことについて、だ。)

先生への感謝は今も忘れないし、このエピソードは良い記憶となって残っている。

そして、僕の頬にはまだあの時の傷が、猫のヒゲのようにピッ。と残っている。

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