壁の染み
唐突ですが。
昨日、どんな夢を見ましたか?
うちの壁は、白くて。
所々に、染みがあります。
じっと見つめているうちに。
その染みが”何か”に見えてくるのは。
昔やった。
ロールシャッハを思い出します。
深い、深い、底に沈んだ自分が。
夢の壁を。
叩いて、叩いて、叩いて、叩いて。
もちろん、壁の隙間から。
壁の染みとなって。
じっとりと、じっとりと、這い出して。
段々、手を伸ばしてくる。
わけはない。
ただ、そこに、染みがあるだけ。
その染みを見る、僕らの目が。
勝手に考えて、勝手に認識して。
叫んでる。
怯えてる。
自分では、何もわからないくせに。
壁の染みだって、言ってるじゃないか。
ねぇ。
用法容量を守って正しくお使いください。
地下室は明かりを持ってお入りください。