ほんの一瞬のロマンス260226
彼女と彼の
何気ない日常の何気ない出来事
その先のストーリーがあるのかないのか
午後のまだそんなに遅くない時間
彼女は濃いコーヒーを飲みたくなっていた
会社に設置してある自販機の商品では物足りない
会社があるビルの前の通り
その向かい側にコーヒーショップがあるのを思い出し
外に出ることにした
ビルを出るとほぼ正面に横断歩道があり今は赤信号だ
そこで信号待ちをした
信号待ちをしている人は通りのこちら側にも向かい側にも今は誰もいない
そこにふと風が吹いた
少し長めの髪が顔に掛かり手で払う
スカートの裾ははためいて膝上まであらわになった
通りの向こう側に今一人の男性が信号待ちをしようとしている
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彼は外出先から帰社するために横断歩道の信号待ちをしようとしていた
通りの向かい側に女性が一人だけ信号待ちをしている
彼は向かい側の女性を見るともなく眺めていた
身長は低くも高くもなく体形は細くも太くもなく、普通な感じだ
ただ、背筋を真っすぐに伸ばした姿は『凛』とした雰囲気を感じる
そこにふと風が吹いた
彼女は、少し長めの髪が顔に掛かり手で払っている
スカートの裾ははためいて膝上まであらわになっている
ふたりに同じ風が吹いている
やがて信号は青になりふたりが同時に横断歩道を渡りだす
彼は彼女が背筋を伸ばして歩く姿をみて
美しい、と感心した
横断歩道のほぼ中央付近ですれ違うときに
彼女のシャンプーと香水の混ざった爽やかな香りを感じた
彼は少しだけ振り向いて
彼女の歩く美しさを再認識した
その先のストーリーは
ふたりの気持ち次第




