表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海上のマロン  作者: もず
3/6

第三話 元カノ

 今日は、お休み。


 休みの日は砂浜にレジャーシートを敷いて、ただ寝ている。


 もちろん近くに傘は差してあるし、UV対策も完璧。


 海の音を聞きながら寝るの、楽しい……。


「て、もう12時か! 家に戻らないと」


 スマホのアラームの音で、現実に戻される。


 今日の昼食、何だろう。


 昨日親戚から野菜貰ったって言ってたから、野菜がメインかな……。


「……? なんか、家の中からガンガン音がする……」


 しかも、聞き慣れない怒号も聞こえる……。

 聞いた感じ、少女の声……。


「相楽……さん?」


 ターゲットが私に変わったのか、私の方に近付いてくる。


「この、クソ女っ!」


 紅色の長髪をツーサイドアップにした、アニメ声の少女……?


 平日で私服だから、多分大人ってことだよね……?


「あたしと映画館行くって約束しといて、なんでこないのよ!」


「あ、あの。どういう状況か、説明……」


 少女にギロっと睨まれる。


「……あんた、ここで働いてるの」


「は、はい……。住み込みで」


「住み込み? それって、同棲してるってこと?」


 頷くと、少女は相楽さんの方に行った。


「あたしの約束はすっぽかして、こいつの約束優先させるのは、どうなのよ」


 相楽さんの部屋が、めちゃめちゃにされている……。


 相楽さんの性格からして、この少女に手は上げないだろうが……。


「ほんとに忘れてたんだって。スマホ、あんま見ないし」


「おかげでこっちは、あんたの家くるはめになったんだからね? 責任取りなさいよ」


「じゃあ、昼食食べるか」


 少女は、「はあ?」といった顔をする。


「昼食食べれば、気持ち静まるって」

「今日は何食べるわけ?」

「焼きそば」


 昨日も焼きそば、だったような……。


「……食べる」


 意外と素直なようだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ