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13 婚約者の対応から見える真実2



こうなった以上調べても意味がないかもしれないが、それでも反論したアリエスの言葉にカリウスは態度を変えたことを思い出し、更に調査をしようと考えた。

もしかすればアリスを疑う心を男たちに抱かせれば、アリスの持つ魅了の力が弱まるのではないかと考えたからだ。

そしてアリスの交友関係を調べようと、アリスのクラスメイトに聞き込み調査をする。


アリスのクラスメイトは言った。


『そんなの言いがかりですわ!彼女は私たちが話しかけても返してはくれなかったもの!』


『平民上がりということは事前に伺っていましたから、多少のマナー違反があっても私たちが直してあげればいいと思っていました。ですが彼女は“へー、そう。まぁよろしく”とだけ言い、名乗りもしませんでしたわ!平民だったとしてもありえません!』


憤慨しながら当時のことを思い出してくれたアリスのクラスメイト達の発言をアリエスはしっかりと録音する。

そしてアリスには同性と交流する意思は最初からないということが分かった。

それなのにまるで悪者扱いのように男性に話すアリスには遺憾なものだが、更に話を聞くと王太子と王太子の側近候補以外の男性との関わりはないということも知ることが出来た。

故郷でもある地元の友達の発言と合わせ、アリスの目的は最初から王太子と王太子の側近候補に関わることなのではないかとアリエスは考える。


「これは明らかに意図的ね」


それも聖女の力である魅了という存在をうまく使った悪意ある行動だとアリエスは考えた。

国の法律で王族以外の貴族にはどうしようもない理由以外重婚は認められていないのにも関わらず、将来有望な男性ばかりをターゲットとして接触していることが見え見えなアリスの計画。


だがアリエスの目からみても、アリスと関わる男性は明らかに鼻の下を伸ばしている為、どうしようと悩んでいた。

普通ならば、他の男性とも会っている令嬢だと知ればその時点で関係を終わらせ、婚約者に向き合ってくれるかもしれないが、エリザベスの話通り魅了の持ち主ならばそれもできない。

頼みの王太子から話をさせることも難しい。

アリス自身も、王太子と王太子の側近候補に近づくことが目的なのだとしたら、アリエスと話しても無駄だろう。

エリザベス達に話をすると宣言してしまった手前、なんの成果もないまま終わることはできなかったが、今の状態ならば話をしたところで状況を悪化させるだけに終わるだろう。

もっとも王太子の側近候補たちがカリウスの様に単純な性格なのだとしたら、全然アリエスは恐れることなく突撃できるが、中には宰相候補といった切れ者もいる。

ただでさえ淑女クラスに通うアリエスは一般クラスや騎士クラスに通う男性たちよりも知識の面で劣っているのだ。

常識を突きつけるだけで改心する単純な男ならまだしも、調査をしている間野放し状態になり更に鼻の下を伸ばしまくった男たちを説得できるのか、いや正気に戻すことが出来るのかとアリエスは悩んでいた。


ガゼボを一人で借りることはできないため、学園の庭園の中でも植え替え最中の一番人気がない庭園のベンチに座り、雲一つない青空を見上げていた時だった。





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