第七話:ぱっりらぱりらぱーりらぶひほー!ぱっりらぱりらぱーりらぶひほー!ぱっりらぱりららりぱっぱっ!
「ぶひほー!」
居城の最上階から響き渡るシマダニシパの声。その一言でギャルたちは「キャー!シマダニシパ様!」と歓声を上げ、ヤンキーたちは「兄貴、今日も最高っす!」と拳を突き上げる。そして引きこもりたちは部屋の中でオンラインゲームを続けながらも、「ぶひほー……」とチャットで応じる。彼のカリスマ性は揺るぎない。
だが、今、ぱっぱっぱらだいす全土を揺るがすある疑惑が広がっていた――それは、後輩芸人が手配した飲み会での振る舞いに関する誤解。
「そんなのシマダニシパ様がするわけないじゃん!」
ギャルたちは断固として彼を擁護するが、民衆の中には疑念を持つ者も少なくない。城の前にはマスコミや野次馬が詰めかけ、状況は混乱を極めていた。一方、引きこもりたちは部屋から出ることなくネットで「これデマだから」と必死に情報を集めていた。
俺は混乱を見ながら呟く。
「なんでラスボスがこんな疑惑で追い詰められてるんだよ……」
「それだけ偉大すぎる存在だからよ。愛される分、敵も多いの。」
もりしが冷静に答える。その時、群衆の中からある人物が現れた。
「す、すみません……お騒がせして……」
現れたのは、今回の疑惑のきっかけとなった飲み会に参加していた女性だった。彼女は不安げな表情を浮かべつつも、その隣には、勇気を振り絞って部屋から出てきた**引きこもりたち**が立っていた。
「本当のことを話したくて……」
彼女は小さな声で語り始めた。
「確かに、場は盛り上がっていました。でも、シマダニシパ様は――」
彼女が言葉を選びながら話す中、引きこもりたちが彼女を支えるようにじっと頷く。そして、彼女はついに核心を語り出した。
「シマダニシパ様、すごく緊張してて……急に自分のことを『オレ⤴︎』って呼び始めて……。」
「それだけ?」
「それだけじゃなくて、デュフフッ!!って笑いながら『見とって!』って意味なく走り出したり、Aボタンの連射速度を自慢し始めたりして……」
彼女の説明に、民衆は一瞬固まり、次の瞬間――ギャルたちは「やっぱ可愛いー!」と歓声を上げ、ヤンキーたちは「兄貴、純粋すぎて泣けるっす!」と拳を握りしめた。引きこもりたちはネットで「尊すぎてつらい」と大盛り上がり。
「つまり、何も起こってないってことか。」
俺が呟くと、もりしが頷く。
「ええ。それどころか、彼の純粋さがさらに露わになったわね。」
女子の証言と、引きこもりたちのネットワークによる証拠の拡散によって、疑惑は一瞬で払拭された。
「ぶひほひほひほー!!」
シマダニシパの威厳ある声が再び響き渡る。その声に呼応して、ギャルたち、ヤンキーたち、そしてネットに張り付いている引きこもりたちまでもが「ぶひほー!」と全力で応じる。
俺はこの光景を見て呟いた。
「……なんだよ、このラスボス。親近感湧きすぎだろ。」
もりしが笑いながら言う。
「それが彼の本当の強さよ。誰よりも純粋で、人を惹きつける魅力。」
「さあ、行こう!」
俺たちはついにシマダニシパの居城の扉を開けた。果たして、この先に何が待ち受けているのか――!
(つづく)