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第19話 夢
カーテンの隙間から朝日がさしこんできていた。
「朝よ、起きなさい」
お母さんの声がする。
鳥のさえずりが聞こえてきて、目がさめると、私はベッドの上にいた。
なんだ夢だったのか。
私は安心して、ベッドからぬけだす。
怖い夢だったな。
そう思って私は、昼食を食べて、制服に着替えて「いってきます」をして、学校へ向かった。
「おはよう東子」
学校には西野もいた。
ちょっと苦手だけど順子もちゃんといる。
二人とも生きている。
私はその姿を見て心の底からほっとした。
やっぱりあれは夢だったのだと。
『東子』
だから、やめてよ。
『起きろ』
これが現実なんだから。
『逃げてくれ』
おこさないでよ。
『東子だ――も。俺は一緒には――から』