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玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~  作者: やみよのからす
第2章 ユルガルム領へ
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第2章第015話 料理チートパート2です。

第2章第015話 料理チートパート2です


・Side:ツキシマ・レイコ


 製鉄のために森林が伐採され、草原が広がっているクレーターの外側ですが。そこには結構な広さが農地化され、畜産も盛んだそうです。

 それを聞いて乳製品についても探りを入れて貰ったところ。ありました、生クリームとチーズ。


 汲んで置いた乳牛の上に濃い部分が出来ること、酸っぱい果汁を混ぜると固まること。これらは牧畜をしている人たちには知られていたようで。生クリームはあまり使われていないそうですが。この果汁を使ったいわゆるカッテージチーズは、いろいろ和え物等に使われているそうです。




 材料が揃ったところで、領主館の料理長さんに協力を依頼します! はい、プリンの作り方くらいなら、いくらでもお教えしますって。


 カッテージチーズから、布で水分を漉してさらに重しで脱水すれば、良い感じのチーズになります。この状態で日持ちするかは微妙だけど、後は要研究…と領主館のシェフさんには伝えました。

 生クリームはさらに瓶などに入れて振り、出来た塊に塩を適量混ぜて、バターのできあがりです。もちろん無塩バターも用意します。うんうん。夢が広がりんぐ。


 「レイコちゃん、食べ物への執着は凄いわよね」


 とはアイリさん。

 そりゃ、この世界でも美味しいものは食べたいですよ。美食は正義です!

 …ぶっちゃけこの世界、ネットもテレビもないですからね。気軽に持ち込める娯楽って言ったら、食べることだけなのです! 幸い、いくら食べても太らないこの体! …いくらも食べられないのが残念ですが、そこは周囲の人に代わりに食べていただきましょう。


 エイゼル市の市場で見つけたトマトっぽい野菜は、辛うじて少量がこちらにも入っているそうなので、調達して貰いました。

 あとは、ニンニクっぽい玉ねぎをすりつぶし、ビネガーと蜂蜜を適量いれて煮込めば、トマトソースっぽいものが出来ます。ケチャップとまではいかないけど、まぁ八十点くらい?。

 あとは、パン生地を台座に、トマトソース塗ってチーズ振って、燻製のボア肉を並べて、マナ・オーブンで焼きます。

 良い感じに焼けたならば。お待ちかね、ピザの完成! キング・オブ・ジャンクフード!


 早速、料理長さんも交えて皆で試食です。

 うーん、これは七十点くらいかな。

 台座のパン生地は、もっとパリっと堅い方が好みです。クリスピー感がほしい。

 あと、辛みのある野菜とか香辛料ありませんか? 全体的に甘いので、味にパンチが欲しいです。

 うん、ピザというよりは、ビザ風の惣菜パンですね。


 「え?これで七十点?」


 アイリさんとエカテリンさんが驚いています。まぁ、完成されたピザを食べた経験がある身としては、まだまだ改良の余地があります。

 まぁそもそも、地球と全く同じ材料が手に入るわけでもないので、完全に同じものは作りようがありませんが。

 そこは、料理長さんの好きなように調節して下さいとお願いしました。プロですからね。私の指摘した点も理解してくれたようで。今後この世界の材料に合わせて、良い感じに仕上げてくれることを期待します。

 さらに。料理長さんは、チーズとトマトソースの味の調和に夢中です。旨みの相乗効果でしたっけ? きっとさらに美味しい料理に進化させてくれるでしょう。




 あと、イカが手に入りました。依頼された猟師さんが、網にかかったのも捨てずに取っといてくれたそうです。


 「…これ食べるんですか?」


 エイゼル勢は、及び腰ですね。向こうでも食べていませんでしたから。

 うーん。見慣れたスルメイカよりちょっと細いですね。五割くらい引き延ばしたような形です。水中を高速移動でもするのでしょうか?

 大きさは、二回りくらいでかいですが。合わせて輪切りにすると、調度スルメイカと同じくらいという偶然です。輪切りは一口サイズに丁度良いですからね。


 ともあれ、イカの普及のためにまずは一番簡単な調理方法を伝授です。

 イカの腸と足を取って洗い、輪切りにし。バターで炒めて、スダチっぽい酸っぱい柑橘系の汁をかけます。塩で味を調えてできあがり。シンプルですね。醤油があればさらに良いのですが、無い物ねだり。

 ゲソは濃い塩水につけた後、串に刺して炙り焼きにしました。マヨネーズを添えるのも忘れずに。

 試食した料理長とエカテリンさん曰く、酒が欲しいそうです。はい、正解です。


 アイリさんは、最初はイカを食べるのを躊躇していましたが。皆が食べているのを見て意を決したようです。


 「…あんな見た目なのに…おいしいですね」


 「食べて死ぬようなものが出されるわけじゃ無いんだから。食べたことが無いものは一口でも食べてみないと損をするって、お父さんが言ってました。」


 「レイコちゃんのお父さんって、賢者?」


 学者なので、ある意味正解です。


 レッドさん、いかのゲソ焼きが気に入ったようです。むーと引っ張ってちぎろうとする姿に癒やされます。


 ついでに。料理長にフライのレシピを伝授するのと一緒に、コロッケを作ります。せっかくカニと牛乳があるので。

 ファルリード亭でフライを作ったときに、実はコロッケも試していたのですが。芋の種類がちと合わなくて、芋餅みたいになってしまい、要検討でしたね。

 本来、蟹クリームコロッケに芋は使わないですし、形を作るのに冷蔵庫とか必要ですが。そのへんの整形は芋も併用して工夫です。ホクホクタイプではない芋でも、クリームと組み合わされば美味しいかも?

 結果は成功。切ったらとろーり…とまでは行きませんが。これはこれであり!というお味になりました。


 普通のコロッケには芋の種類が会わない…と言いましたが。実はユルガルムにホクホクタイプの芋がありました。

 ただまぁ、ぼそぼそする、煮崩れると、あまり人気は無い芋のようで。この北の地でも作り易くはありますが、値段は安いのに流通量は多くありません。完全に救荒作物扱いですね。年のために植えておくレベルです。

 ただ、この芋ならコロッケには最適です。ボア肉と玉ねぎのみじん切りを入れてフライにしましょう。

 フライの用意があるのなら、もちろんイカリングもです!


 「エイゼル市に帰ったら、また大忙しよ…」


 アイリさんは、レシピと感想のメモにせわしいです。

 全部が全部奉納行きでもないですし、奉納したから使用料を取るわけではありません。エイゼル市でも、お金が絡むのはプリンだけですしね。調味料たるマヨネーズは使用料除外です。卵の需用拡大は、卵の増産と普及を促しますし、卵を使った料理を皆さんが試行錯誤することになります。巡り巡って私も美味しい思いが出来ますよ。

 ただ。自分で考えたわけでもないのに、奉納されていないからと自分で奉納して家が元祖だから金払え!…はあり得る話だそうで。そういったことの防止に奉納はします。喜捨分は赤字ではありますが、そこは必要経費と割り切ります。

 まぁ、王室御用達を持つ人間を出し抜こうという人間も、早々いないとは言われていますが。念のためです。


 「レイコちゃんの護衛は、食べたことないもの食べられて役得だな」


 エカテリンさん、コロッケをガツガツ行っていますね。

 キャベツっぽい野菜の千切りも添えてありますので、そちらもきちんと食べて下さいね。


 クラウヤート様も、匂いに釣られたのか厨房を覗きに来ました。蟹コロッケがお気に召したそうで、母と祖母にも持っていきたいとのこと。料理長、領主邸内出前ですよ。…海蜘蛛料理と言ったら、ちょっと表情が引きつってましたけど。

 あ。狼のバール君には…この世界の犬類に玉ねぎが駄目かどうか分らないので。念のためあげないで下さいね。




 次の日の夕食。料理長が早速ピザをアレンジして出てきました。

 この国ではカトラリーにナイフが無いように、食卓で切らないといけない食べ物は、あまり供されません。ナイフフォークで切れるくらい柔らかいか、一口で食べられるサイズかです。

 よってピザも、餃子の皮くらいのサイズのパン生地にトマトソース塗ってチーズ重ねて。後は、肉やら海産物やらの具を個別において焼いた、ミニピザの形になって出てきました。レッドさんにもぴったりのサイズです。

 生地が薄くしやすいので、パリパリ感も合格です。

 おっと、蟹ピザやイカピザなんてのも出てきました。シーフードピザですね、もちろんアリ!です。こちらも大好評。料理長、良い仕事していますね。


 イカのバターレモン焼きに、串に刺したげそ焼きも出てきました。酒飲みに人気のようですね。

 バターレモンの方はともかく、げそ焼きには奥様方は手を着けませんでした。さすがに見た目が…ですか。レッドさんが美味しそうに食べているのを見て、びっくりしています。


 アイリさんとタロウさんが、料理の奉納関係で騒いでいますが。

 ナインケル辺境候曰く、コークスの作り方や基礎化学等、この辺は教会へ奉納のしようがないとのことで、ユルガルムどころか、とりあえずは国レベルで極秘扱いになりそうです。


 「こんな知識、知っているだけで危険そうだ。アイリも気をつけろよ」


 タロウさんは心配しています。。

 エイゼル市では、実はアイリさんとタロウさんの周囲にも、監視というか警護なのか、そういう気配があります。

 アイズン伯爵からは聞いていませんが、もしかしたらこの二人もエイゼル市からの避難組かもしれませんね。



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