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■80 いよいよボス戦へ

そろそろ二章も終わります。

明日がしんどい。明日からしんどい。

 次の日。

 7月ももう終わりに近い。と言ってもまだ一週間はあるんだけどね。

 そんなこんなで私達はいよいよボス戦に挑むことになりました。

 どんな相手なのか、もちろんスノーは調べてくれています。


「それでスノーそのボスってどんなの?」

「スプリガンだ」

「スプリガン?」

「ああ。モチーフは名前の通りでイングランド南西部のコーンウォール地方に伝わる妖精の一種らしい。極めて醜いずんぐりとしたドワーフの姿をしていると聞く。主にクロムレックや古代の砦、人里離れた田舎の家に住み財宝を守っているらしい。宝の埋蔵地の管理者であり、非常に醜く凶暴であるものの他の妖精の護衛にも就くそうだ。まあこのゲームでそれが踏襲それているのかは小柄な姿を時には巨大化させ、巨人となって襲ってくるそうだ」

「な、なんだか物騒だね」


 内心震えていた。

 だけどちなっちはそんな私の方を思いっきり引っ叩いた。


「大丈夫だってマナ」

「ちなっち?」

「なんたってこっちはこの面子だよー。問題ないって」

「そうだよね。うん」


 フラグとかではない。

 私は皆んなとなら出来る気がした。

 ここにいるのは私を除いて皆んな凄い子達だもん。

 きっと大丈夫。私はそう信じることにした。いや、信じるんじゃない。私も頑張るんだ。

 気持ちの整理を付け直し、私達は〈リムルト〉近郊の森の中。そこにあるはずの神殿に向かった。



 神殿は森の中にあった。

 如何(いか)にもって感じで大理石で造られた立派な建物だった。

 だけど所々がボロボロで崩れているのも“らしさ”を醸し出している。


「なんだかそれっぽいところだね」

「確かにねー。これぞ、“the”って感じするよねー」

「うんうん。ボス戦と言えば感じだよ」

「マナ知ってるの?普段ゲームなんてしないのに」

「うーんなんとなくそう思っただけかな」

「あはは。なにそれ」


 私とちなっちはしょうもない談義に花を咲かせた。

 しかしスノーやKatanaはテキパキと準備している様子が垣間見え、タイガーはタイガーで周りに集まってくるモンスター達を相手取っている。


「おいおいまだかよ」

「もう少し待て。この先のルートは既に開拓されているが、直通だ。つまり入る前に準備をしておく必要がある」

「だったら早くしてくれよな!俺だって無限に体力がおるわけじゃねぇんだ」

「わかっている」


 スノーとタイガーの押し問答もさらさら流れてしまった。

 引っ掛かりがなくて助かる。と言うかスノーは完全にスルーしているし、タイガーもタイガーでキャラ付けのためにわざとなっていることぐらいもう皆んなに知れてしまっているので適当な返しなのだ。


「スノーさん、準備できましたよ」

「ああ。タイガーもういい。行くぞ」

「お、おう!」


 スノーはまだモンスターがウヨウヨいるのにタイガーを呼び戻した。

 そんなに強い相手じゃないけど数が多い。

 一体どうしてだろうか?と首を傾げていると、スノーはなにやら瓶を取り出しそれをモンスターの群れの中に投げつけた。


 パッァン!


 瓶が弾ける。

 すると中から怪しげな液体が垂れ流れ、瞬時に気体に変わる。

 煙みたいに緑色をした色の蒸気が辺り一面を隠してしまった。


「どうなってるの?」

「モンスター避けだ。効果の持続時間を長くするために少し工夫を凝らした。即興だったからな時間もかかったんだ」

「そっか。だからタイガーに相手させてたんだね」

「当然だ。適材適所と言う言葉もある」

「だからって全部俺にやらせんなよな。まあ余裕っちゃ余裕だったけどよ」


 とか何とか言いつつも自分が一番向いたことには最初っから気付いていたらしい。

 そうなんだよねー。タイガーって頭回るんだよねー。だってあれキャラなだけだもん。てかよくそれを維持出来てるよね。やっぱりタイガーはカッコいいや。

 とか子供っぽいことを内心思っていた私。

 さてさて後は一直線に突き進むだけ。

 私達はいよいよボス、スプリガンに挑むのだった。



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