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■79 虎、猛攻

月曜からは投稿頻度が遅くなるかも(忙しくなるから)。

 タイガベアーに遭遇した私達。

 だけど相手は二匹いて、ちなっちは木の上で囮になってくれている。そのおかげでこちらにはまだ気づいていないみたいだけど、仕掛けるのをミスしたらちなっちも私達も皆んな無事ではすみそうになかった。


「どうするのスノー?」

「うーん」


 今、スノーの頭の中には多分私を除いた皆んなの戦力データが高速回転している。

 きっとスノーなら私にもわかる作戦を伝えてくれるはずだ。まあそのせいで基本的には正面突破になるんですけどね。あはは。


「まどろっこしい。俺が片方は引き受ける。残りはお前らがやれ!」

「えっ!?タイガー!」

「任せておけ!片方ぐらい俺一人でどうにかしてやる。このパーティーに足りないものぐらい最初っからわかってんだよ」

「「ん!?」」

「足りないもの?」


 私は首を傾げた。

 しかしスノーもKatanaも察しが付いていたようで、固まってしまう。

 そうなるとまた私だけ置いてかれちゃうんだけど……もう、ゲームの話題じゃ私はついていけないよ!


 困りあぐねる私に対して、二人は既に行動に移しつつあった。


「行くぞマナ!」

「えっ、大丈夫かなそれって!」

「任せるしかない。少なくともアイツが一対一で負けるはずな(・・・・・・・・・・)()からな」

「えっ、なんでそんなこと……」


 困惑する私。

 しかしスノーもKatanaも自分のやるべきことに注力する。こうなったら私も早く倒して、タイガーの応援に行かないと!

 そう思いながら私達はちなっちを含めた四人がかりでタイガベアーに挑むのだった。



 タイガベアーの攻撃は鋭かった。

 今にも倒されてしまいそうな際どい一撃が幾度となく放たれ、それを必死に回避するしかなかった。


「うわぁ!」

「このっ!」


 私が避けた隙にちなっちが【加速】を使ってタイガベアーを斬り裂く。

 さらにはスノーが援護射撃をして私とKatanaはとどめの一撃を同時に繰り出してようやく倒すことが出来た。

 だが一息つくのはまだ早い。

 今度はタイガーの方が……って、振り返った私がみたのは驚愕の光景だった。

 そこにはタイガベアーと対峙するタイガーの姿。まさに虎対擬似虎と言っても過言ではない死闘。しかしそれはあまりにも一方に有利にことが運んでいるようにしか見えなかった。

 そう、その原因は……


「こんなものかよ。さあ、さっさと来いよ」


 タイガーが挑発する。

 一方のタイガベアーは疲労困憊と言う様子で、HPも半分ぐらい減っていた。

 対するタイガーのHPはフルに近い。この差は何なんだ。一体どこで生まれたのか?私には想像も出来なかった。しかしそんなタイガーの戦い方は見るに鮮やかだった。


「おいおいどうしたどうした。その程度かよ、お前の力はよ」


 タイガーは見え見えの挑発をする。

 しかしタイガベアーはそんな挑発に何故か乗っかっていた。わけがわからない。まるで最初から仕組まれているみたいだ。


「スノー、あれどうなってるの?」

「仕込みだと思っているのだろうがそれは違うぞ。あれは【挑発】だ」

「【挑発】?」


 聞いたことないスキルだ。

 スノーの話だと【挑発】は、相手の思考力を低下させる効果があるらしく、レベル差にもよるが一度はまると効果は絶大で相手の意識を一極化させて見切りやすくなったりするそうだ。

 それ故に【挑発】にまんまと引っかかってしまっているタイガベアーの攻撃は実に単調でそれでタイガーはひょいひょい軽やかに躱しているのだった。


「凄い。でも、それだけであんなに削れるのかな?」

「そんなわけないだろ。よく見ていろ」

「えっ!?」


 スノーは前を見ろと言う。

 するとちょうどタイガーがタイガベアーに拳を振りかざす瞬間だった。

 横から繰り出されるブローがヒットする。

 凄い攻撃力だ。だけどよーく観察してみると、何やら違和感があった。


「あれ?HPの減りが二段階になってる」

「そうだ。それがアイツの持ち味であり、私が聞きたかったことの答えだ」

「どう言うこと?」


 スノーに尋ねると軽く答えてくれる。


「あれは【連撃】と言うスキルだ。通常の攻撃を加えた後に、1.5倍のダメージを追加で同じ位置に与えるものだ」

「それって要するに二回攻撃ってこと?」

「厳密に言えば少し違うな。威力は二倍になっていない」

「それでも凄いよ。そっかー、だからタイガーあんなに強いんだ」

「ああその答えはまだだ」

「ほえっ?」


 スノーはそれを拒否。

 理由はタイガーVSタイガベアーとの戦いは終局へと向かっていたところだった。


「よっしゃ、来いよ来いよ!」


 挑発するタイガー。

 両腕のガントレットをかち合わせる。

 軋んだような金属音が響き渡り、タイガベアーはそれに合わて攻撃してくる。だが地面を削りながらもタイガーは避けなかった。避けられるはずなのにガントレットで防ぐ。だが、少し体制が悪い。私はあわあわしていたけど、そこからがタイガーの真骨頂だった。


「効かねえよ、そんなの!」


 タイガーはタイガベアーの猛攻を退ける。

 しかもそれを逆に利用して相手を崩し、【連撃】を大いに絡めた連続パンチをお見舞いする。

 タイガベアーはどんどん後ろに戻されていき、HPも削れていた。みるみるうちに減っていくHPの減りはさっきとは比べ物にならない早さだ。


「どうなってるの?」

「あれがタイガーのスキル、【攻防一体】」

「【攻防一体】?」

「ああ。攻撃は最大の防御なり。ならその逆で防御は最大の攻撃なり、そんな造語のようなものを体現したスキルだ」

「そうなの?」

「ああ。攻撃力を防御力に、防御力を攻撃力に瞬時に上乗せすることが出来る。聞く限りでは便利そうだが極めてピーキーな仕様で、少しでも使い方を間違えればたちまちピンチに陥ってしまう。冷静な判断力と、瞬時による意識の切り替えが出来る奴にしかまともに使えない極めてレア度の高いスキルだな」


 スノーはそう説明する。

 それってつまりガチで凄いんじゃないのかな?

 でもその説明を聞いて、タイガーにはぴったりだと思った。

 タイガーのためにあるようなスキルだ。そっか。うちのパーティーに足りなかったのってそれだったんだ。

 単騎でも相手を退けられるアタッカーであり、敵を阻む盾。つまりタンク?の面子が。


 納得しているうちにタイガーはタイガベアーを倒していた。

 そんな早技と技量に圧巻させられら一方で、私達は心強い仲間の存在に期待を膨らませるのだった。

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