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■60 龍蒼寺流剣術

新作を投稿しました。

 私達はそれからまずはルビーマッシュを探すことにした。

 理由は単純で、こっちの方が見つけやすいからなのと生息域が広いことにある。

 だってキラキラ輝く赤いキノコなんて目印以外のなにものでもないでしょ!そんな安っぽい価値観だった。と言うのは私だけなんだけどね。


「そう言えばKatana。関係ないけど、今聞いてもいい?」

「なんですかマナさん」

「Katanaの剣ってなんて名前なの?あっ、その剣じゃなくて剣術の方」

「私の流派ですか?」

「うん。でも言い難いんだったら無理に言わなくてもいいよ。ちょっと気になっただけだから」


 私はそう促した。

 何だろ。凄く悪いことをしている気分になる。こんな風な言い方をしたら言わないといけないんじゃないか的な空気感がビシバシ漂う。

 私としてはそんな気は一切なかったけれど、人によっては窮屈かもしれない。が、Katanaに限ってそれはなかった。何故ならすんなり教えてくれたからである。


「いいですよ。私の家に代々伝わる流派は、龍蒼寺流剣術です」

「龍蒼寺?」

「はい、龍蒼寺です」


 私の学がないせいだろう。全くわからない。しかしその話を聞いていたスノーですら首を傾げる。


「龍蒼寺?聞いたことない苗字だな」

「そうなの?」

「ああ」


 如何やら知らないらしい。

 もしかしたら凄く珍しい苗字なのかな?


「龍蒼寺……私達が知らないだけで何処かにはあるんじゃないか」

「あやふやだね」

「そんなものだ。それに興味もないがな」


 何だろ。凄く簡潔に丸め込まれた考えるけれど、要はどうでもいいということだ。

 まあ私も苗字とかにとやかくは言わないけどね。うん。で、そんなことよりも!


「Katana!今、すっごい個人情報言っちゃったけど大丈夫なの!?」

「はい。問題ありませんよ」

「い、いいのかな?」


 私が気にしているのはKatanaが自分の個人情報を何の躊躇もなく話したことだ。まあ私も普通に仲のいい友達になら言うけど、流石にリアルの情報をネットで交えるのは御法度なのではないだろうか?と考えるが、よくよく思い出してみるとスノーには普通に接していたから今更遅いかもだけど。と、過去の記憶が鮮明に蘇る。


「確かにマナが気にする理由もわかる。龍蒼寺などと言う珍しい苗字、すぐに特定されかねないからな」

「心配には及びません。私は皆さんにしか言わないように心がけておりますので」

「そっか。じゃあ改めて、私は神藤愛佳だよ。で、ちなっちが南千夏ちゃん」

「愛佳さんに千夏さんですね。覚えました」

「私はノースだ。ノース・アレクシア・高坂」

「ノースさん……はいわかりました」


 すらすら覚えていくKatana。


「では改めまして。私は龍蒼寺刀香です。ぜひリアルでは刀香とお呼びください」


 そう親しく言ってくれた。それに私達は軽く頷き同意する。

 それにしても流派の中に自分の家の苗字が入ってるのってこっちだとヤバいよね。そっか。だから流派の名前は言ってなかったんだ。でも型の名前はいいのかな?しかしそこはあやふやでいいんだと教えられた。


「龍蒼寺流剣術だっけ?型って幾つあるの?」

「型は全部で九つのですね。一つ一つ型の入る角度が決められているのが特徴です」

「決められてる?」


 私は首を傾げる。

 しかしスノーはそれを聞いて納得したような声を上げた。


「なるほどな。だから袈裟斬りと右斬り上げしかしていなかったんだな」

「どういうこと?」


 私はスノーに尋ねた。

 するとKatanaが割り込んで代わりに答えてくれた。


「左様です。確かに私はスノーさんの言う通り、袈裟斬り及び右斬り上げしか行っていませんね」

「だからどういうこと?」


 スノーの褒められている姿を見ても何にもわからない。ちんぷんかんぷんだ。


「さっきのKatanaの話聞いていなかったのか?」

「ううん。ちゃんと聞いてたよ」

「ならば思い出してみろ。Katanaの家の流派は剣の入る角度によって型が変わる。と言うことはだ。つまりはこれまで袈裟斬りと右斬り上げしか行っていないことを当てはめてみるとどうだ?」

「二つしか型を使ってない?えっ、じゃあもしかして!」

「ああ。katanaは本気を出していないと言うことになるな」


 その言葉を聞いてハッとなった。

 じゃあ今までは全力じゃなかったことになる。つまりそれだけ力を隠してあげるほどKatanaには実力があると言うことになる。

 ホントこのパーティーって私以外皆んな異次元だよね。


「今までのが二つ。順当に当てはめると、弐ノ型と陸ノ型か?」

「はい。稲光を模した弐ノ型は稲妻。陸ノ型は衝撃波を発生させる辻風。どちらも相当な鍛錬の末に身につくとされる型らしいですよ」

「そのらしい(・・・)って言うのが気になるけど、Katanaって凄いね。ホントにKatanaみたい」

「どう言うことでしょう?」


 何か電波みたいな方を言っちゃったかもしれない。

 でもからは私としては単純に褒め言葉だった。


「折れないめげないカッコよくて強い刀。そんな感じがしたから」

「過大評価だとしてもですが、有り難く受け取っておきます」

「うん!でも私は過大評価なんて思ってないよ。ちなっちもスノーもKatanaも皆んな私の友達ですっごくキラキラしててカッコいいもん!」


 私は笑顔でそう答えていた。

 すると二人は呆然としていて何故か惚けていた。

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