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■51 鍛治師を探して

ネタ切れです。

しばらくはストックを出します。

出せなかったらまだ書いてます。

 街にまでやって来た私達。

 拠点としているここ〈リムルト〉は“始まりの街”と称される程人通りが多い。故に街自体も巨大で広く、プレイヤーとNPCが入り混じる。

 そんな穏和な街並みが広がっていた。


「とりあえず別行動で探してみる?」


 私はそう提案した。

 するのすかさずスノーが同意する。


「その方が効率がいいだろうな」

「OK!じゃあ私は向こう見てくるよ!」

「では私はあちらを」


 ちなっちとKatana、二人も別々に探すことに同意する。

 と言うことで各々が探す運びとなった。



 とりあえず一人になった。

 南方面をちなっちが、東方面をKatanaが散策することになったけど、これから如何しよう。

 一番大変そうな北方面にはスノーが向かっちゃったけど、となると私は西方面になる。

 商業街のようなものがこの街にもあるけれど、それでも結構まばらにお店は並んでいる。私は今の今までクエストで納品する時ぐらいしかお店には立ち寄ったことがなかったので、ちょっとわくわくしていた。


「よーし!張り切って見て回るぞー!」


 私は拳を天高く突き出していた。

 そう意気込むことにしたので、とりあえず適当に露店を開いている人を覗いてみる。

 私の目に留まったのはプレイヤーがやっている小さな露店だった。軒下に構える敷布の前には幾つもの武具が並んでいる。


(剣に槍……コレは鉤爪。金属系の武具が多いなー)


 チラッと覗いてみる限りだとあんまり目ぼしいものは見つからなかった。

 そう言っちゃ何だけどどれが良いもので悪いものなのか正直わからない。ただ何となく安っぽい気はしていた。適当にNPCが営む武器屋でも売っていそうだったのだ。


「何だ嬢ちゃん。買わないんだったらどっか行ってくれ!」

「ご、ごめんなさい」


 怒られてしまった。

 流石に店先にジッと立たれていたら迷惑なんだろう。

 私は早々に退散することにしたけど、やっぱり私にはよくわかんなかった。だからもう少し専門的なお店に行ってみることにする。



 私がやって来たのは武器屋さんだ。

 ここはNPCが営んでいるありふれた武器屋だけど、ちゃんとお店を構えているあたり信用に値する。

 とりあえずまずは色んな武器を見てみることが大事だ。

 私はお店の中に入ってみた。


 カランカラーン!


 扉についた鈴が鳴る。

 するとお店の店主のNPCが勢いよく声を上げた。


「いらっしゃーい!」


 急だったのでちょっとびっくりした。

 私は軽く会釈をしてお店の中に並んだ武具達を流し見た。


「へぇー、色々ある」


 当然のことながらやっぱり露店で見た品よりもこっちの方が断然多いし品質も良さそうだ。詳しくはわかんないけど、棚に並んだ剣を軽く手に取ってみるだけでもちゃんと重い。密度の高い金属の剣だ。これなら余裕でモンスターを斬れそうだった。


(でもこんなに重いとちなっちの腕疲れちゃうよね?)


 私は他にはないかと色々物色してみた。

 重厚感のある金属製の武器からしなやかで軽げな木製の武器。コレ何?って思わせてくれる変わった素材の武器など色々ある。

 時には棚に並ばれず箱の中に放り込まれているものもあった。


(うーん……わかんない)


 結局如何良いのか如何悪いのかとかわからなかった。

 私はせっかくなのでお店の人に聞いてみることにした。


「あのすみません、聞きたいことあるんですけど?」

「何だお客さん」

「このお店の品物って色々あるんですけど、プレイヤーさんが下ろしているものってあるんですか?」


 そう尋ねると、少し顔を顰めた。


「確かに異世界人の人達が下ろしてくれることもあるけど、ウチはオーダーメイド品は取り扱っていないんだよね」

「そうなんですか?」

「ああ。ダンジョンでドロップしたアイテムだけ買い取ってる。悪いな」

「あっ、だだ丈夫ですよ」


 何だか悪いことをした気分になる。

 と言うか今知ったけど、NPCとプレイヤーの呼び方ってやっぱりNPCの中では違うんだね。

 私達が異世界人なら、こっちの人達は現界人的な?そんなノリだったら面白いかもと思いながら、私は何の成果もなくお店を出た。



 お店を出た私は腕組みをして考えてみた。

 結局のところ、こう言ったお店にはプレイヤーが下ろしている形跡は少なくあまり当てにならないらしい。

 既存の武具を取り揃えていて、かなり安価(リーズナブル)けど今のところ求めているものとは違った。


(どうしよう。やっぱりプレイヤーがやってるお店の方がいいのかな?)


 でもあんまり心当たりもないし如何しよう。

 深く考え込んだ私はふと記憶を探ってみた。するとあることを思いついた。


「あっそうだ!」


 私は一つ思い当たる場所があることに気がついた。

 前に行ったあのお店なら何かわかるかもしれない。そう思ったのだ。

 そうすると自然と足が目的地へと回れ右する。

 善は急げ。私は急いで向かった。


 

「着いた」


 〈麗人の内輪〉。そこは昔私がクエストで赴いたお店で、それ以来何かとお世話になっている。

 武器や防具、回復アイテムなどなんでも揃っている。

 そんな馴染みのお店に私は足を踏み入れた。


「すみませーん、リオナさんいますかー!」


 私はお店の主人を呼んだ。

 するとそこにはリオナさんの姿がある。お店の主人らしく、カウンターの向かいに立っていた。

 しかしいつもと違うのはそこに別の女性がいたこと。

 流石にカウンターの真向かいだけど、ボブカットの女性の姿がある。

 その光景を見て私は立ち尽くしていた。

 何でかって?だって気まずいじゃんか!

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