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■35 砂漠は暑くてしんどいよー

ここからしばらく意味もない砂漠回。

 三日目。

 今日でイベントがちょうど半分になった。

 私達が集めて来たイースターエッグの数はまだまだ少ないけど、数は“個数”じゃなくて“星の数”で勝負だからまだまだ逆転出来るはず!

 と言うわけで、私とちなっち、それからスノーの三人は今でっかい砂漠に来ていた。


「あ、暑いよー」

「そうだねー。確かに暑い」

「砂漠だからな」


 このゲームはかなりリアルだ。

 だからこんな風に喉も乾くし、作り込まれているが故に体感で感じる熱気も常人ではない。

 私は別に暑いのも寒いのもそんなに強くもないけど、弱くもない。だけど流石に暑かった。

 と言うかなんで二人とも元気なんだろ。

 私がおかしいのかな?


「ねえなんで二人ともそんなに平気そうなの?」


 思い切って私は聞いてみた。

 すると真っ先に答えたのはスノー。

 しかもかなり肯定しているような言い分だった。


「確かに暑いがマナみたく汗はかいていないだろ」

「う、うん。でもなんで?」

「マナさー、そのコート脱いだら?」


 そこで私はハッとなった。

 確かにちなっちの言う通りだ。

 ずっとこの格好がマストになっていたので忘れてたけど、私の着てるコレって確か黒い面と白い面で違うんだっけ。

 どっちがどっちかは覚えてないけど、確か白い方の面にしたら良かったはずだ。


 バサッ!


 私は自分の着ていたコートを一度脱いだ。

 そして裏が表になるようにひっくり返す。

 黒が白に塗り替えられる。


「これでいいのかな?」


 私は白い布地が面になったコートを着直した。

 すると如何だろう。今度は体がひんやりする。

 やっぱりだ。

 やっぱりこのコートを買ったのは正解だった。ちょっと大きいけど。


「どうマナ?」

「うん。さっきよりも全然涼しいよ!」

「へぇー。凄ぇなソレ」


 ちなっちが感心する。

 私も如何言う仕組みなんだろうって時々思う。

 けど誰が作ったのかもわかんないし、買った時に誰が作ったのかとか売りに来たとか聞いていなかった。最近市場の方には顔を出していないから、一回行ってみようかな?けど、前に行った時にいた人まだいるかな?


「このコート……」

「スノー?」

「こんな素材があるのか。私も初めて見た」

「えっ!?」


 ちょっと驚いちゃった。

 スノーは私なんかより圧倒的にこのゲームに詳しい。と言うか二人ともゲームに詳しい。

 そんなスノーがわからないなんてと逆に圧倒させられる。


「前から思っていたが、このコートは凄いものだ。しかし私の知識にはない」

「そうなの?」

「ああ。もしかしたらあの噂は本当なのかも(・・・・・・・・・・)しれないな(・・・・・)

「「噂?」」


 何だろ。

 どんな噂なのかな?ちょっと気になる。


「スノー、それってどんな噂?」

「このゲームは本物(・・)なんじゃないとかと言う根も葉もないネットの空想論だ」

「本物って?」

「このゲームは実は本当にあるファンタジーな世界で。プレイヤーはそんな世界の末端に触れているとか言うネットスレだ」


 スノーは興味なさげに話してくれた。

 でもそれが本当だったら面白いよね。と言うか凄いよね!

 でも流石にそんなことあるわけないし、あっコレはフラグじゃないよ。でもそんな妄想立てれたら面白いよねー。


「まあそんな話はともかくとしてだ。この場所はこの暑さが一つの要因でイベント開始以前から人の出入りが少ないと聞く。今ならエッグが集められるだろ」

「じゃあ早く行こうぜー。流石に暑くて敵わないわ」

「あはは。じゃ早く行こ」

「待て」


 先を行こうとする私とちなっちをスノーが静止した。

 振り返ってスノーの言葉を待つ。


「この場所は流砂と呼ばれる砂地獄もある。注意して歩け」

「流砂?落ちたら如何なるの」

「死ぬ。もしくは下に繋がっていると言う流砂の中に閉じ込められる」

「えっ!?」


 何か怖くなって来た。

 怯える私の隣でニカッと笑うちなっち。何にも心配していない様子だ。


「大丈夫だって。もし万が一二人が落ちても、私の【加速】で落ちる前に助けるからさ!」

「そう都合よく行くとは限らない。そのために用心しておけ」

「はーい」


 ちなっちも一応わかったみたいだ。

 本当にわかってるのかな?

 不満そうではないけれど、ちょっと心配だった。

 万が一そうなったらちなっちは真っ先に私達のフォローに入ると思うから。

 私も気を引き締めないとと思い、頬を強く叩いた。ヒリヒリする。しかしそれで目が覚めたのか、私は俄然やる気に燃えていた。

 いや燃えちゃ駄目だ。

 だって暑いから。


「それじゃあ出発ー!」

「「おー」」


 やる気に満ち溢れたちなっちとひんやりダウナーなスノー。

 やっぱり二人とも個性があって一緒にいた楽しかった。


 

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