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■30 星の集い《デルタクロス》始動!ってわけでもないんですがね

近々新キャラを書こうと思います。

 私達はログハウスの中に入った。

 中はまだ真新しく、木のいい匂いがする。

 ログハウスなんて初めてなので感動していた。


「凄いねちなっち、スノー!」

「うん。意外にいいもんだね、ログハウスって」

「スノーが選んでくれたの?」

「ああ。このエリアは丸々ギルドホームだからな。ホームもツリーハウスかログハウスで選べたが、ログハウスにしておいた」

「ツリーハウス?」

「木の上に居住区を設ける形式の建築物。または木全体を居住区に改良したもののことだ」


 スノーはそう説明する。

 ちょっと早口で聞き取りにくかったけど、それがスノーなので気にしない。


「ツリーハウスの方がよかったか?」

「ううん。私はどっちでもいいよ」

「私もー!」


 ちなっちも同意した。

 それを聞いて「そうか」と短く返答するスノーはそっぽを向き何処か安心したように肩の荷を下ろした。


「それでスノーさ」

「なんだ」

「これから何するの?」


 ちなっちがそう聞いた。

 確かにギルドを設立すると言う目標は達成したことになる。

 次の目標だったギルドホームもだ。

 となると、次は何を目標に頑張っていけばいいのだろうか?

 一応ギルマスは私だけど、こう言うことはスノーに聞いた方が話が早かったし、方針も決めてもらえれば私としてもありがたかった。

 私ってリーダーっぽくないもんね。


「そうだな。しばらくはいつも通りだ」

「じゃあギルドは?」

「そのことだが、一つ提案がある」

「提案?」

「コレだ」


 そう言って私達の前にウィンドウを展開させる。

 そこには運営からのお知らせメールが添付されていた。

 内容を読み進めていくと、如何やら何かのイベントが近々開催されるらしいとのことだった。


「なになに、“遅れてやって来たイースター祭”?」

「そうだ」

「いや遅れすぎでしょ!」


 私はツッコミを入れた。


「そうだ。このイベントは季節感を全く分かっていない」


 スノーも同意する。

 大体イースターは4月のはずでしょ。

 ってことは春。今は初夏。梅雨ですよ?

 運営さん如何して季節感間違えちゃったのかな?


「このイベントってどんななの?」

「書いてある通りだ」

「書いてある通り?」


 私は読み進めてみる。

 するとイベントの詳細な内容が書かれていた。

 如何やらイベントはたったの5日間だけ開催される模様で、イベントの内容は各地に散らばったイースターエッグを集め、そこに描かれている星の量を参照して優勝を争うイベントらしい。

 上位五チームまでには賞品も贈呈されるとのことだ。

 それで肝心のイベント日時なのだがーー


「イベントは6月24日水曜日から6月28日日曜日までだ」

「24日って、もう2週間しかないよ!」


 私は叫んだ。

 今日は2026年6月10日。水曜日だ。

 この数年で目覚ましい科学技術の進歩も相まって数年前とは格段に違う。

 そんなこともあるが、如何やらイベントの告知はルーズなようでもう時間はなかった。


「どうするの?」

「如何とは?」

「参加するのかってことだよ!」

「それを決めるのはギルマスだ。私達はその意見に従う」

「えっ!?」

「私もマナがやりたいって言うんだったら全然参加するよ!」

「急にそんなこと言われても……」


 悩む私。

 そんな私の顔をポンと叩くちなっち。


「何悩んでるのさ」

「だって……」

「いつも通り楽しめばいいんじゃない?」

「えっ!?」

「だからいつものマナみたいにやってみよう!ってはしゃげばいいんだよ!」

「私そんななの!」

「そんなだよ」


 何かそれはちょっとショックだった。

 けど確かに私らしくないかも。

 らしいとからしくないとか言われてもピンとこないけど、やっぱりやる前から投げ出すのは私っぽくない気がした。


「私やりたい!」

「オッケー。じゃあ私も参加するってことで」

「わかった。参加の手続きをしておく。チーム名は『星の集い(デルタクロス)』と……」


 スノーは手続きをした。

 こうして私達は今度開催されるイベントに参加する。

 参加することは決まったんだけど、それまで何したらいいんだろ?

 ここまで目まぐるしく色々やって来たからちょっと上の空状態になっている。


「イベントは直だ。だったらやるべきことは決まっているだろ」

「やるべきこと?」

「そんなこともわからないのか」

「そんなこと言われても……」


 スノーに言われて落ち込む私。

 しかしちなっちはすぐに返答した。


「準備とレベル上げでしょ?」

「そうだ」

「えっ、そんな簡単なことなの?」


 驚く私。

 もっと複雑で難しいことをするのかと思っちゃった。

 ネットの考察記事みたいに効率重視な思想だと勝手にスノーのことを勘違いしていたみたいだ。


「当たり前だ。まずは基本。少なくともちなっちの今のレベルでは話にならない」

「た、確かに……」


 私はちなっちを見た。

 ちなっちのレベルは17。そこそこ強いけど、私は20だしスノーは25だ。

 レベル差が少し開いていた。

 そりゃちなっちは私よりも後から始めたけど、それでもこのレベル差は少ない方だと思った。


「とにかくだ。ここからしばらくは各々でレベル上げとイベントに向けての準備をするぞ」

「うん。ギルドレベルも上げたいしね!」

「だな」


 ちなっちが同意する。

 やっぱり私はゲームの中だとちょっとテンションが高めだと思う。

 しかしちなっちはいつも通りだ。

 自分のレベルのこともあるけどいつも楽しそう。

 そんな感じの雑談という名の談笑を続ける私達だった。

 

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