表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/266

■3 キャラメイク的な

本日2話目。

明日は22時。

 気がつくとそこは真っ白な世界だった。

 他には何もなく、ちょっと神秘的な感じで面白かった。面白かったってなんだろ。


「まあいっか。とりあえず何したらいいんだろ」


 周りをキョロキョロと見回してみる。

 ここが電脳世界、つまりゲームの中。仮想空間と呼ばれる世界だと言うことは事前に千夏ちゃんから聞かされていた。でもこんな殺風景な感じだとは思いもよらなかった。


「こんなに殺風景なんだ。ちょっと思ってたのと違うかな」

「そんなことないですよ。ここはキャラメイク専用の場所です」


 すると後ろから声が聞こえてきた。

 振り返るとこちらに向かって歩いてくる女の子の姿がある。女の子と言っても私とそんなに歳は変わらないような子だ。


「誰?」

「私はこの世界の住人。〈WORLD OF LIFE〉での皆さんの案内役です」

「案内役?」

「はい。こんな風に何にもわからない状態の子をサポートするのが私の役割です。申し遅れました。私はソフィと言います」


 そうペコリと頭を下げた少女。

 銀色の髪と特徴的な真っ赤な瞳。何処か吸血鬼みたいな感じがする。


「私は愛佳。よろしくね」

「それはプレイヤーネームと解釈してよろしいのですか?」

「プレイヤーネーム?」

「はい。こちらの世界での名前です。本名のままプレイされても構いませんが」

「あっ、ちょっと待って!」


 千夏ちゃんから聞かされていた。

 本名をそのまま使うのはあんまりよくないらしい。身バレする可能性があるとのことだ。


「えっと、ちょっと待ってね。(確か名前はもじった方がいいんだよね。えっと、だったらー)


 ちょっと頭を捻った。

 自分でも呼びやすく、他の人からも読みやすい名前にしよう。


「マナ。片仮名(カタカナ)でマナにするよ」

「マナさんですか。では次にキャラメイクですね」

「キャラメイク?」

「この世界でのマナさんの姿形です。デフォルトでそのままの姿も出来ますが」

「うーん、ちょっとだけ髪色とか変えられる?」

「はい、もちろんです」

「じゃあそれで」

「わかりました。ではそちらのパネルを操作してください」


 そう言われ、私の目の前には透明なパネルが姿を現す。

 急なことでびっくりしたけれどソフィちゃんは驚く様子もなかった。


「ねえソフィちゃん、この種族って何?」

「種族と言うのはこの世界における分類を表すものです。見た目の変化とステータスの成長速度に若干の補正がかかるぐらいです」

「へぇー」


 そう言われてもよくわからない。

 空欄を押してみると中からは幾つかの候補が見つかった。

 〈ヒューマン〉〈セリアンスロゥプ〉〈ドラゴニュート〉〈エルフ〉〈ドワーフ〉〈マーマン〉〈ヴァンパイア〉の計七つが表示される。

 よくわからないのでとりあえず〈ヒューマン〉を選んだ。ちなみに後からは変えられないらしい。


 次に見た目だけど、結局そんなにいじることはなく髪の色を少し変えただけだった。

 私が絶対にしないような色合いにしてみる。金髪。でも白に極限まで近いような色味だ。私の知識では何って言えばいいかわからないけど、ほんのり金色になっている程度で抑えておく。

 瞳の色もあんまり変えない方向にしようと思った。ただ少し暗めには調整してみる。


「うん。こんな感じにしよ」

「出来ましたか」

「うん、できたよ!」

「では武器を選びましょうか」

「武器?」

「はい。まずは無難な剣です。それからリーチ活かした槍、更には遠距離からの攻撃を得意とする弓ですね。魔法を駆使するのであればメイスやロッドも採用圏内です」

「うーん。難しことよくわかんないから、剣にする」

「では設定してください」

「はーい」


 私は初期武器を剣にしておいた。

 かくして私のステータスはこんな感じになった。



 ネーム:マナ

 種族:〈ヒューマン〉

 LV:1

 HP:50

 MP:20


 STR:5

 VIT:5

 AGI:5

 DEX:5

 INT:5

 LUK:5

 

 装備

 なし


 武器

〈普通の剣〉


 装飾品

 なし


 スキル

 なし



 スキルって何?

 まだまだわからないことだらけだが、これから頑張っていくしかない。準備を終えた私にソフィちゃんは告げた。


「ではこれより異世界〈ライフ〉に降ります。いいですね」

「いいよ!」


 私は伝えた。

 するとソフィちゃんは頷き、私は眩い閃光に包まれた。そして気がつくと、ソフィちゃんの姿は何処にもなく私は街の広場に突っ立っていた。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=446623083&size=300
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ