■243 鋼の妖樹
ついに一年突破!
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〈ヴォルカニカ〉にやって来たマナ達は火山に足を運ぶ前に、やることがあった。
シズさんから依頼を受けていたのだ。
「シズさんからの依頼、確かこの辺だよね?」
「そうだねー。でもこの森何か変じゃない?」
マナとちなっちは首を傾げる。
視界に広がるのは瘦せ細った白い木。何の気化は正直わからない。だけど白樺とかそう言ったものじゃなさそうで、タイガーは軽く叩いてみた。
「うわぁ、なんだこれ?」
「如何したのタイガー?」
マナがタイガーに尋ねると、苦い顔をした。
「どうもこうもねぇよ。これ、叩いてみ」
「叩くの?」
マナは軽く叩いてみた。
するとキーンと、手の甲から腕全体にかけて痛みが走った。硬い。固いとかじゃなく硬いんだ。まるで石を素手で殴っているみたい。
「な、なにこれ?」
「あははー。硬いねー」
「本当ですね」
Katanaも頷き返した。
もしかしてこの白い木は全部硬いのかな? 触ってみるとひんやりする。何だか鉄の塊を触っているみたいに思った。
「流石は鋼ヶ森。鋼みたいに硬いね」
「うーん。でもさ、モンスターも硬いんじゃないの?」
「そうかもねー」
そうかもって……マナは呆れた。
しかしながらちなっちは通常運転なので、それ以上に感じなかった。
「ですが詳しい場所は分からないんですよね?」
「うん。昨日スノーに注意しろって言われたけどさ……」
今日は生憎とスノーはいない。
何でも家族で食事に出かけているらしい。スノーは退屈しそうな顔をしていたが、如何してかな?
マナには分からなかったけど、スノーは家族のことを嫌いなわけではなく、ただ面倒なだけだった。
「でも何に気を付けるのさ?」
「さぁ。でも、敵は木に化けてるんでしょ? そのうち見つかるんじゃあぁぁぁ」
マナは木にもたれかかった。
すると急に木が動いた。マナは咄嗟にそこから離れたのだが、木の枝が長く伸びて襲ってきた。
「うわぁ!」
「マナ、避けて」
間に入ったちなっちだった。
腰から〈赫灼相翼〉抜刀して、枝を受け止める。しかし、
「うわぁ、重っ!」
「大丈夫、ちなっち!」
「全然平気。でもこいつ強いよ」
ちなっちは本気の目になる。
鋭くなった眼が睨むのは目の前の細身のモンスター。細身って言うか、細い木。これがマナ達が探していた相手だった。
「こいつが狙いの、硬化樹か」
「うん。気を付けて結構素早いよ」
硬化樹。
白い樹皮を持ち、根っこの部分が束になって人間のように二足歩行でいた。
しかし動きは不気味で、縦横無尽に揺れていた。
「あれが奴のファイティングポーズかよ」
「でも隙だらけだよ?」
「隙だらけ? んなわけねぇだろ」
タイガーに怒られた。
しかも今回はKatanaも同じことを思っていた。
愛刀〈夜桜蒼月〉をいざ抜刀すると、スッと構えた。
「私が先陣を切ります。ちなっちさん、マナさん、援護してください」
「オッケー」
「うん」
二人も速攻で頷く。
しかしタイガーは名前を呼ばれず不服そうだったが、自分がやるべきことは分かっていた。
「俺は……頼んだぜ」
「「「うん」」」
三人揃って理解した。
タイガーを除いたメンバーは硬化樹を相手にする。
正面に立った面々は、Katannaが構えて技を繰り出すのを待ち侘びた。
「龍蒼寺流剣術陸ノ型“辻風”!」
抜刀した瞬間に、突風が起きた。
Katanaが放った居合は、硬化樹の表面を切りつけていた。その隙を見て突撃した二人は剣を抜刀して左右から攻撃を仕掛けたのだが、
カキーン!——
二人の攻撃は簡単に弾かれた。
硬化した体にはまともな攻撃は効かない。むしろ二人の方にダメージが入った。
「い、痛ぁ」
「なにこれー。腕全体が痺れるんだけど」
苦い顔をして顔を顰めた。
そう言えばマナは思いだした。一体何に注意しないといけないのか。それは硬化樹のあまりの硬さだ。
この森は鋼でできた気が生い茂る。そんな場所で生活するから体全体が硬化した鋼と同じで、全く歯が立たない。
とくに剣での斬撃攻撃と弓矢などのような遠距離攻撃に関しては自滅させるだけらしい。
じゃあどうやって戦えばいいのか。そんなの一つしかない。
「マナ、スノーから何か聞いてないの?」
「うーん。燃やす?」
「それはないですね。周りの木まで燃えてしまいます」
Katanaは心配していた。
だけど鋼性なのに燃えるのかな? そんなことはいいとして、これはない。それはスノーも予め分かっていた。だからスノーが私に言ったのは、
「皆んな作戦変更だよ」
「作戦変更?」
「何か策があるんですね」
二人は期待交じりの顔色を浮かべる。
でも残念。作戦なんってない。マナは剣を鞘に納めると、左手のグローブを絞った。
「マナさん、それは……」
「決まってるでしょ。私がダメージを全部吸収するから、二人は気を逸らして」
「待ってください。それはあまりに危険すぎます」
「そうだよー。やめなって」
二人は即刻止めに入った。
しかしこのままじゃ勝ち目はない。そこでちなっち達は妥協案を提示した。
「私達が攻撃の隙を逸らします」
「マナはその一瞬だけ動きを止めてね」
かなり気を使っている気がした。
しかしマナはそれが分かっていても、二人がやろうとしていることを止めなかった。だって本当はそんなこと一切思っていなかったからだ。
そこでマナはその案を飲み、もう一度グローブを締め直した。
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