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■233 荒れる大海

フラグ立てまくりなのよ。

 船は大海原に乗り出した。

 shineさんとバーサーカさんの二人が持っているサンライト号はかなり広く、他の船を遥かに超える大きさをしていた。


「凄い景色だね」

「うん。青い空に、白い雲。遠くには水平線かー」

「お前が心象に浸ると、違和感があるな」

「むっ。ちょっとそれは酷くない?」


 スノーに言われてちなっちは怒った。

 いつものことだけど、じゃれ合いを見ていると、ほのぼのとした空気が流れ出す。


「あれって、止めなくていいのかな?」

「いいんですよ。私達にとってはいつものことですから」

「いつもって……それはそれで如何なんだ」

「ですが姉さんブリッツさん。私はあんな馴れ合いをしたいです」


 シューネはそう答える。

 シュトル曰く妹のシューネは、海外に短期留学中らしい。そのせいで恋しく思っているみたいだ。


「シューネさん」

「シューネで構いませんよ。姉さんのこともそう呼んでいるようですから」

「じゃあシューネさん、今度はいつ会えますか?」

「そうですね。大抵はいつもいますよ」

「じゃあまた皆んなでクエストに行きましょう!」


 私はそう誘った。

 ギルドの皆んなは私の勝手な行動を不審に思うでもなく、同意してくれた。〈大空航空団〉の皆んなも、


「そりゃいいね!」

「都合が合えばな」


 と軽く答える。

 これで少しでも寂しさが紛らわされればいいが、交流ができる場になっているのはよかった。

 こんな絶交のスポットを提供してくれてありがたい。


「あはは皆んな楽しそうだね」

「shine!」


 他の思想にやって来たのはshineだった。

 〈シャイニーハート〉のメンバーは二人だけで、どちらも知り合い。そのおかげと本人達の許しのおかげで、“さん”を外している。

 と言うわけで、やって来たshineは手にオレンジジュースの入った瓶を持ち、ラッパ飲みをしている。


「何してるんですか?」

「何って、ラッパ飲みだよ。その方がこの船にあってるでしょ」


 そう言いながら飲み干す。

 如何やらこの話の流れからして、shineはこの船が海賊船っぽいことに気付いていた。


「じゃあさ、何で海賊船みたいなの造ったのさ」

「うーん、それはちょっと違うかな」

「はぁ?」


 タイガーの質問への答えは中途半端だった。

 如何してだろうと首を傾げるも、一人で船を操縦しているバーサーカが代わりに答えた。


「この船は報酬なんだ」

「「「報酬なんですか!?」」」


 揃いも揃って驚く。

 するとshineは思いだしたみたいにポンと掌を叩いた。それからこの船のことを口走る。


「そうだった! 前にこの近くの海で財宝発掘クエストがあったんだけどね、その時に知り合った人達に造ってもらったんだよ」

「そんなことがあったんですか?」

「うん!」


shineは大きく首を縦に振り下げた。しかしバーサーカは補足説明を加える。


「正確に言えば私達の手に入れたアイテムが彼らの欲していたもので、祖茂代わりとしてこの船を造って贈ってくれたんだ」

「それじゃあ帆に描いてある太陽も?」

「うん。まさか個々まで巨大だとは思わなかったがな」


 バーサーカは顔を顰める。

 確かにこれだけ大きいと扱いが大変だ。それにしてもバーサーカはよく船が操縦できる。


「私は船が扱えないけど、バーサーカは【操舵】のスキルを持ってるんだ」

「そうなんですか?」

「あぁ。コイツが取らなかったからな」

「てへへ」


 shineは頭を掻く。その時見せたバーサーカの顔が少し怖かった。

 けれど一切気にしてないので、メンタルが強い。

 そんな時だった。たまたま空を見ていたイズチが遠くの空に黒い雲が出ていることに気が付く。


「おいおい、空が黒いじゃんかよ」

「本当ですね。あれは大雨ですよ」

「えー、あっち通らないと行けないのにショック……」


 shineは唇をひん曲げた。ちょっと可愛い。そう思ったのも束の間、ムジナさんが遠くの方を見ながら嫌な顔をする。

 それに気が付いた天は首を傾げた。


「如何したんですかムジナさん」

「今一瞬雲の中に光が見えたような気がしたんです」

「光?」

「雷かなー」


 雷ときたら【疾雷】スキルを活かせるイズチが喜んだ。

 しかしそれもほんの一時のもので、サンライト号が雷雲の覆う海の中に突入すると、


「お、おい如何なってんのさ!」

「凄い雨だ。全員中に入れ!」


 スノーは叫ぶ。

 するとバーサーカは舵輪に縄をくくりつけ、それをもって中に入る。

 とんでもない雨だ。当たるとひりひりしてして痛い。


「凄い雨。こんなに濡れちゃった」

「ここに男がいなくてよかったな」

「そうだね。あの二人を連れてこなくて良かったよ」


 イズチはそう呟く。

 あの二人って。確か〈雷聖〉にはシルクとロードっていう兄弟がいたはずだ。まだあったことはないけど、今日も部活かもしれない。しかしそんなことも言ってられない。この雨から早く抜けないと、こんな時に変なモンスターに出会ったらたまったもにじゃない。もちろんフラグじゃないよ。

 しかし、


「こんな時にクラーケンが出てきたらヤバいかもね」

「おい!」


 イズチは不謹慎にフラグを立てる。

 ムジナさんは止めようとするも本人には悪気はない。まぁそう言うことを言いたくもなる。単なる妄想ってことで、フラグにならなければいいんだけどね。歪なな空気は楽しい空気で流してしまおうと言うことになって、楽しいお喋りをしていた。

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