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■231 シャイニーハート

新しいギルドです。


 パスタを食べ終えると、早速町に繰り出した。

 まだ集合時間まである。そこで食事後の、腹ごしらえとして町を見て回ることになった。しかし当てもなく歩き回るのは得策じゃないとして、スノーはマップを開いた。


「ここが今私達がいる場所だ。それでここが待ち合わせの港。どの程度の船かは知らないが、おそらくさほど大きくないだろう」

「多分大丈夫だって」

「そうだよー。達磨さんが、そんな人に見える?」

「見えないからだ」


 スノーははっきり答える。

 あの人は真面目そうだ。だから疑り深く接してしまうのだろう。

 にしても、集められているのが私達〈星の集い〉と〈雷聖〉。それから、〈大空航空団〉。皆んな知り合いだ。

 でも一つ気になることがある。


「そう言えば達磨さんと荒木さんのギルドってどんな感じなのかな?」

「さぁな」


 スノーはそっけなかった。

 そんな時、背後から気配がした。


「私達は、シャイニーハートだよ」

「「その声!?」」

「やっほー。お待たせしちゃった、shineだよ!」


 そこにいたのはエルフの少女。はにかみ笑顔が可愛らしく、とっても明るい人だった。だけど私とちなっち、スノーの3人は知っていた。こんな眩しい笑顔を見せるのは、あの人しかいない。


「やっぱり達磨さんだ」

「達磨じゃなくて、こっちではshineなんだけど。まあいっか」

「いやよくないだろ」


 自由奔放な人だ。やっぱり相変わらずで、変わらない。

 しかも名前も分かりやすかった。


「えーっと、shineさんですね。私はKatanaと申します」

「俺はタイガーだ。まあだ、よろしくな」


 2人も何気なく挨拶する。

 するとshineはギュッと2人の手を握った。突然のことで目を丸くしてしまうが、何となくらしい。


「そっかそっか。Katanaとタイガー。刀と虎さんね。了解。私はshineだよ。ちなみに君達の一つ先輩なのだ!」

「そうでしたか。では“さん”で問題ありませんね」

「ご、ごめんなさい。先輩だって知らなくて」

「いいよいいよ。こっちでも向こうでも上下関係なんてないって」


 shineはフラットだった。その優しさに触れて、2人もほんわかする。

 しかし如何してここにshineがいるのか。


「あの、船は?」

「そっちは大丈夫。バーサーカが付いてるから」

「バーサーカ?」

「よっしーのことだよ」


 荒木佳子さん。なるほど。あの人なら信用できる。

 ぶっちゃけ、口には出さないけどshineよりも頼りになる。きっちりテキパキしていて、できる人って感じだ。

 見た目は怖いかもしれないけど、実は真面目でいい人なのだ。

 それにしても先に会っちゃったけど、如何しようか。


「そう言えば他の皆んなは?」

「うーん、まだかな。あっ、そうだ!」


 ポンと手を叩く。何を思いついたのかな。

 首を傾げて待つと、やっぱりいつもの展開になった。


「それじゃあ探しに行こっか!」

「探しにって、今からですか!?」

「また突然だな。どうせ時間になれば全員集まるだろ。放っておいていいんだよ」


 スノーは単略的だった。だけど今回は私も同意見だ。

 しかしshineはつまらないのか、私達を連れ出して町に繰り出した。


「ほらほら行くよ!」

「あっ、ちょっと待て、おい!」

「何で私も!」


 私とスノーは腕を掴まれ引っ張り出された。

 その後ろでは憐れむような目を向けるちなっち達のとろんとした顔がある。そんな顔しないでよ。


「さてと、じゃあまずは……」

「いい加減私達を巻き込むなと言ったはず……」

「あっ、いたっ!」


 shineはスノーの話なんか無視だ。

 それから突っ走り、露店で食べ物を買っている少女を見つける。


「おーい、みーさん!」

「うわぁ!?」


 そこにいたのは〈雷聖〉のメンバーで、みーさんだった。

 みーさんは買った塩キャラメルアイスを落とさないように慎重たバランスを保つと、背中から抱きついてきたshineを見遣って。


「えーっと、誰ですか!?」

「誰って昨日会ったよね。酷いなー」

「その声、達磨さん!?」


 みーさんも激しく瞬きを繰り返した。

 そりゃそうだよね。だって相変わらず何だもん。


「って、スノーさんにマナさん!?」

「おはよ、みーさん」

「お前も大変だな」

「じゃあ2人も?」


 私とスノーはコクコク首を縦に振る。

 巻き込まれた私達を見て、憐れむように目をとろけさせるが、実は自分も巻き込まれている。


「よーし、じゃあみーさんも一緒に行こっか!」

「行くって何処にですか?」

「何処にって、皆んなを探しにだよ。他のメンバーは?」


 shineは尋ねる。するとみーさんは、


「皆さんでしたら、後で来るはずですよ。イズチさんの勉強をムジナさんが見ているはずですから」

「そっかー。じゃあ後で絡んだね」

「はい」


 セーフ。ってことはこれでお終いだ。

 しかしshineは唸るように腕組みを始めると、何を思い立ったのか、私達を巻き込みまくる。


「それじゃあ皆んなで焼きそば食べに行こっか」

「えっ!?」

「さっき私達はパスタを食べたばかりで……」


 顔を顰めてみた。しかしそんな意見は聞く耳にならないのか、私達は終始shineに連れ回された。

 気に入られたのはいいことかもしれないが、私達はshineの奢りでたくさん食べるためになったので辛かった。しかし本人は嬉しそうなのが、憎めないんだよ。

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