■23 ギルド設立
明日はお休みするかも。
ブクマとか評価してくれると励みになります。
それから私達はスノーが来るのを待った。
すると少し焦った様子のスノーがやって来た。
「あっ、スノー!」
「マナ、ちなっち。大丈夫か!?」
「なにが?」
私は尋ねた。
するとスノーは自分が疑心に思っていたことを話してくれた。
それは私がレアアイテムを持っていると言うことが噂になっていたこと。そしていずれ奪いに誰か来るかもしれないと睨んでいたことだった。
「と言うわけだ」
「あーそれなら」
「さっきマナが一人で黙らせたよ。圧倒的な力で叩き潰したって感じで」
「マナが一人で?と言うことは」
「もう大丈夫ってこと。心配してくれてたんだ、ありがとスノー」
「ふんっ!ならいい」
ぶっきらぼうな態度で顔を隠した。
やっぱり心配してくれていたんだ。
スノーは優しい。それは態度からではわかりにくいかもだけど、私やちなっちには一発で確信に繋がった。
「やっぱりスノーって可愛いよね、マナ」
「うん。すっごくね」
「何か言ったか」
「「別にー」」
「ハモるな」
スノーはそう言って私達に怒ったのだった。
でもそこがまた可愛いのは本人は知らないだろうけど。
「まあいい。とりあえず今後のことだが」
「はーい、ギルド設立だよねー!」
「それもあるな。だがギルドは資金がいる。私も金はあるが、二人はどうだ」
「ボチボチかな」
「そんなとこ」
「そうか」
ギルドを作るにはお金が必要。
いや厳密にはギルドを設立するのにではなく、手続き後のギルドホームや何やらの買い出しだ。
そっちには下手をすれば莫大なお金と時間、それから労力を注ぎ込むことになる。学生である私達には貴重な時間だった。
「じゃあギルド作った後にお金集めよ。ね」
「だね。手頃なクエストとか引き受けてさ」
「うん。モンスターの素材も売ったらお金になると思うよ」
私とちなっちがそんな会話に花を咲かせた。
しかしそれを真っ向から断ち切ったのはスノーの一言だった。
「いやその必要はない」
「「えっ?」」
驚く私とちなっち。
思考が完全に停止する。
そんな私達を置いてけぼりにスノーは告げた。
「ギルドホームを買うぐらいの資金、私は持っているからな」
「嘘っ!」
「嘘なわけがあるか。第一こんなしょうもないことで嘘をついてどうする」
「それもそうだけど。いいの?」
「なにがだ」
「だってそれじゃあスノーにだけ負担を背負わすことになっちゃうから」
「構うか。そもそもコレを負担だと感じる時点でアホだ。こう言うのは必要投資という」
「かっこよく言ってるつもりだけど、要は立て替えてくれるってことだよね」
「勝手に言ってろ」
そういうとスノーは歩き出した。
私は首を傾げ尋ねる。
「どこ行くの?」
「ギルド本部に決まっているだろ」
「ギルド本部?」
「ああ。ギルドを設立するためにはまず本部に申請をしてもらわなくてはいけない。ホームページに書いてあっただろ」
「そうなの?」
「うん。あれ?知らなかったの」
「初耳だよ」
「マナはなんにも知らないなー」
ちなっちは呆れたように頭の上で腕を組む。
何か馬鹿にされてるよね?
そんな様子をじっと眺めたスノーに私達は続いたのだった。
私達は大きな建物にやって来た。
赤い家根の建物だ。
「ここがギルド本部?」
「ああ」
スノーは短く同意。
私達はギルドホームの中に入った。
ギルドの中はかなり空いていた。
流石にまだこの時間になってギルドに早々やって来る人は少ないのだろう。
「結構空いてるねー」
「うん。もっとたくさん人がいると思ってた」
「人は少ない方がいい。早く済ませるぞ」
「ちょっと待ってよスノー!」
スノーはそそくさと受付に向かって行った。
私は彼女の後を追い、やれやれと言った具合いにちなっちが溜息を吐きながら続いた。
こうして私達はギルドを設立する第一段階に差し掛かったのだ。
「すみません。ギルド登録ってできますか?」
「はい可能ですよ。それではこちらの記載された用紙に従って書類に書き込みをお願いいたします」
「はい」
そう言って渡されたボードには一枚の紙が挟まっており、羽ペンを渡された。
羽ペンって昔のイメージがあるけど、実際に見るの初めてだった。
「へぇー、ウィンドウじゃないんだねー」
「みたいだな」
二人はそんなことを言う。
ウィンドウって何だ?
「とにかくこれに書いていけばいいんだよね?」
「そうだな。少し見せてみろ」
「うん」
私はスノーにボードを渡した。
流し目して内容をすかさず把握すると、必要要項を軽く説明された。
ほとんどは私とスノーが監修して一つ一つ記入漏れがないように書き込む。
残ったのは二つ。
ギルドの名と誰をリーダーに据えるかだった。
「後はこの二つだけど」
「ギルド名にはエンブレムも必要なのか。面倒だな」
「かっこいいのがいいよね!」
「可愛いのも素敵だよ!」
「どちらにせよ、まずはギルマスとサブマスが必要になるな」
「それならスノーが……」
「私はやらないぞ」
スノーはきっぱり断った。
それを受けて目を丸くする私達。
「私はやらない」
「どうして?」
「私を誘ったのはマナだ。だったらマナがやればいい。でなければ私はギルドには加入しない」
「そんなー」
何だか責任を押し付けられているっていうか、面倒なことを無理やり引き受けさせられてる気がする。
そんな私の肩をポンと叩いたのはちなっちだ。
「まあいいじゃん。スノーの言ってることも本当のことだし」
「でも私に務まるのかな?」
「大丈夫だよ。私がサブマスは引き受けるから」
「ちなっち……」
「それが適任だな」
スノーは短く答えた。
腕組みをしてそんな様子を眺める。
「じゃあそう言うことで。マナもいい?」
「う、うん。あぁなんでこんなことに……」
溜息が溢れる。
いや誰だって出るでしょ。
「じゃあギルマスはマナ。サブは私っと……」
ちなっちがサラサラと記入していく。
「後はギルド名とエンブレムだけど、どうする?」
「うーん。どうしよう」
悩む私。
同じく羽ペンの後ろをこめかみに当てる。
「それなら一つ考えがある」
そう言ってくれたのはスノーだ。
スノーはウィンドウを開き、メニューからパネルを一つ空中に浮かせると何かを描き始めた。
「こんなのはどうだ」
そう言って見せられたのは三角形。
シンプルなこと以外なにも伝わってこなかった。




