表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
227/266

■227 キラッと光って

ここで久しぶりにあのキャラが……忘れてたわけじゃないよ!

 その日私達は遊びに来ていました。

 私と千夏ちゃん、それから美里ちゃんの3人です。いつもは集まらないこのメンバーでやってきたのは、新しくなった渋谷でした。


「全然違うね」

「昔の写真だとこの辺とかビル群だったけど、今の方が高いですね」


 私はスマホの画像を見ながら当時と見比べた。

 確かに色々整備されていて、昔の名残を残す形にはなっているものの、かなりサイバーテクノロジーが入っている。

 確か数年前に実装されたみたいで、かなり変わっている。


「そう言えば今日は何しに来たの?」

「えっとね、確かこれこれ」


 千夏ちゃんはスマホのメモを見せながら、私と美里ちゃんに見せる。

 すると、そこに映っていたのは服で私はまるで興味なかった。


「これは?」

「確かMust Cuteに載ってたやつだよね」


 美里ちゃんはそう答える。

 知らなかった。ファンション雑誌は買ったりしないから、まさか千夏ちゃんが今日持つなんて。

 しかしそう思ったのも、如何やら違うらしい。


「私がじゃなくて、他の人が欲しいだけだよ」

「如何言うこと?」

「ほら、バスケ部の車田さんが如何しても欲しいんだって。それで水橋に頼んだんだけど、2人とも同じ日に部活が被っちゃってさ」


 なるほど。それなら解る。

 私はポンと手を叩き急いで向かうことにした。限定物だから、なかなか手に入らないそうで今日一日で売り切れるかもしれないそうだ。


「早く行こう!」

「ちょっと待ってよ。まさかそのために私達呼び出されたの!」

「そうだよ」

「千夏さん、酷いですよ!」

「あはは、ごめんねー」


 千夏ちゃんは笑っていた。

 私と美里ちゃんは追いかけるのに必死で、息も絶え絶えだった。しかしいざお店にやって来ると、私たちを待っていたのはーー


「売り切れ?」

「はい。そちらの商品は大変人気でして、今先程最後の一着が売り切れてしまいました」

「じゃあ次の入荷は……」

「未定です。大変申し訳ございません」


 それじゃあ仕方ないか。千夏ちゃんは肩を落とす。

 私はポンと肩に手を置き換えし、


「仕方ないよ」

「まあそうだよね。車田もないって分かったら、諦めるでしょ」


 千夏ちゃんは楽観的に捉えた。

 それから完全にやることも無くなり暇になったので、私達はこれから如何するか色々考えてみた。

 そんな時、私達は道行く人に声をかけられた。


「あれれ? もしかして、愛佳と千夏?」

「「えっ!?」」


 そこにいたのは私と千夏ちゃんが知っている人。

 知っているってだけで知り合いって仲でもないけど、前に会ったことがある人だった。


「達磨さん!」

「違う違う。私は、()磨じゃなくて、()磨だからね!」


 やっぱりそうだ。達磨さんだ。達磨輝梨さん。

 前に一度だけノースと出かけた際、偶然出会ったんだ。

 それにしても変わってなくて安心した。


「あれれ? そっちの子は」

「は、初めまして! 私、山中美里です。愛佳ちゃん達の友達で……」

「そっか、そっかー。じゃあ、コホン。こんにちはー! 私、達磨輝梨だよ。よろしくね、美里」

「は、はい。あの、サインください!」


 美里ちゃんはバッグから雑貨を取り出した。

 11月号のMust Cuteだった。


「サイン? あぁそう言えばこのページ、私出てたね」

「そう言えばそうでしたね」

「へぇー、まだやってたんだー」

「やってるよ。ちなみにこの服、私がデザインした物なんだよね。しかもちょうどここにあるのだ!」


 達磨さんは紙袋を掲げた。

 カッコつけていて、それからサインペンで雑誌にサインをすると千夏ちゃんが反応した。


「これだよこれ! これ頼まれたんだよ」

「そうなの?」

「うん。これって、達磨がデザインしたんだね」

「うん。もしかしてこの服欲しかった?」

「はい。今行ったらちょうど買えなくて……」

「ふぅーん。じゃあこれ上げるよ。何なら3人にも」

「「「えっ!?」」」


 そんなの悪い。

 私達は断ろうとした。しかし、達磨さんのあっけらかんとした笑顔に抑え込まれ、私達は貰うことになった。


「そうだ。3人って、これから用事ある?」

「用事ですか?」

「ないない」


 千夏ちゃんが首を横に振った。

 すると達磨さんはニカッと笑い出す。それから私の耳元で囁いた。


「ねぇ、今からノース呼べない?」

「ノースを? 如何してですか」

「あの子スタイルいいでしょ。ちょっと3人で行きたいところがあるんだ。ねぇ、いいでしょ? 駄目、駄目かな?」


 瞼を開けたり閉じたり、ウインクを連続でした。

 アイコンタクトが送られる。私は千夏ちゃんと相談してからスマホで連絡した。


「なんだ」


 ノースはすぐに出た。


「ノース、今って暇?」

「暇だが何だ」

「ちょっと来て欲しいんだけど、渋谷に新しくできた第二公園ってわかる?」

「あぁ分かるぞ。そこが如何した」

「今から来てよ。ちょっと遊ぼう」

「今から!?」


 ノースは声が出なくなった。

 相当呆れられたらしい。しかし電話越しで達磨さんが声をかけた。


「やっほー、ノース」

「誰だ? いやその声は達磨さん!?」

「猫被らなくていいからさ。ほらほら、来てよ来てよ!」


 達磨さんはノースの無理をすぐさま見破った。

 それからスピーカーからため息が聞こえると、


「分かった。30分待て」

「りゃうかーい!」


 達磨さんは明るく返す。

 私はそのテキパキぶりに唖然としたものの、何だが楽しくなりそうな雰囲気が高まっていたので、口元が自然とにやけ出していた。

 

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねなども気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=446623083&size=300
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ