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■220 テッポウ

テッポウの正体と、面蔵さん。

それと明日は忙しい。

 面蔵と名乗ったお爺さんのプレイヤー(26歳)は、私達に依頼をした。それは聞いたこともないモンスターの名前と素材の採取で、困惑するのだが、何より戸惑ったのは、その顔だった。


「何でわざわざお爺さんにキャラメイクしたのさー」

「ちょっと、ちなっち!」


 まさかちなっちが踏み込んでは行けないラインに踏み込んでしまうとは。

 慌てて謝ろうとした私だったけど、面蔵さんは紳士的で、


「いいんじゃよいいんじゃよ。儂はエセ爺さん口調を常日頃からしておるからのー」

「えっ!?」

「いやぁー、このお面もキャラ付けというやつなんじゃ」


 そんなこと言っていいのかな。

 確かに面蔵さんはめちゃ怪しいお面で顔を隠している。夜見たら子供泣くやつだ。

 そんなのを付けているのも、あくまでキャラのためなんて。

 凄い精神だ。


「まぁそんなことは如何でもいいんじゃよ」

「そうだった。面蔵さん、今ボウガンを作ってくれるって」

「うむ。儂はこう見えて手先が器用なんじゃ。そこで、何か面白いものと思っておったところ、こっちの世界でボウガンを見つけたんじゃが、なかなか使う人がいなくて寂しかったんじゃ。その上で、素材もなかなか手に入らん。その原因が」

「テッポウ?」

「そいつなんじゃ。もう強すぎての。儂じゃ厳しんじゃ」

「なるほど。だが、疑問も残る。何故そんな真似をする。お前には何の利益もないじゃないか」


 確かにスノーの言う通り。

 面蔵さんの手元には何も残らない。しかしー-


「そんなことはいいのじゃ。儂はただただ作りたいんじゃ!」

「おぉ、職人だねー」

「目先の利益に飛びつかない姿勢は素晴らしいですね」


 Katanaは感心していた。

 それを聞いて、面蔵さんは機嫌をよくしたのだろう。

 にこやかな笑みになる。すると、


「それでやってくれるか?」

「わかった。引き受けよう」


 速攻で了承した。

 生き生きしたスノーを見て、私は固まった。

 唖然とする私達は、その場の空気に流されてしまい、結果として依頼を受けるのでした。


「でもさ、テッポウってどんなモンスターなんだろうね」

「さぁ? でも、何とかなるって」


 ちなっちは私を安心させようと、背中を叩いた。

 それからKatanaも何か思うところがあるみたいで、


「テッポウと言うモンスター。大丈夫なんでしょうか?」

「何か言った?」


 私はKatanaにそう尋ねると、首を横に振るのだった。



 それで、私達は面蔵(めんぞう)さんに言われて初めにテッポウを討伐しにやって来た。

 テッポウは浅瀬にいるらしい。そんな薄っぺらな情報だけを頼りにしたのだが、


「全然いないね」

「そうだな」


 小舟を寄せて、近くの磯を見て回る。

 しかし肝心のテッポウの姿はない。


「いないね。もしかして今日はいないのかな?」

「時間帯で変わるタイプだとしたら面倒だぞ」


 スノーは最悪のパターンを心配していた。

 脳裏によぎったそんな考えはもしかしたら当たっているのかもしれない。

 そう思うぐらいには何の手がかりもない。


「なんだあれ?」

「如何したのタイガー?」


 そんな中、タイガーは何か見つけたらしい。

 気になったタイガーはサンゴ礁っぽい赤いものが生息している海岸に足を踏み込む。

 しかし、


 ピシュー!!


「ヤバい!? 伏せろ、マナ!」

「えっ!?」


 何かが激しく飛んできた。

 強力な水しぶきがまとまって、間欠泉みたいに襲ってくる。

 タイガーに叫ばれ慌てた私は頭を抱えて、しゃがみ込むと、真後ろにあったはずの岩が砕けた。


「こ、粉々?」

「おいおい。一体、何がいるんだよ」


 タイガーは睨みつけた。

 すると、サンゴっぽいものの間から何か動くのが見えた。

 黒い銃口が私達を狙って上下する。


「おいおいまた来るのかよ!」

「タイガー、ひとまず逃げるよ!」

「仕方ねぇか。せめて正体だけでも……あれは!?」


 タイガーは正体を見たらしい。

 しかし狙いを定めて砲撃は、私とタイガーの間をすり抜けて、もの凄い勢いと水飛沫を飛ばした。

 地面が揺れる。

 岩が弾けた。


「痛い!」

「この野郎!」


 私に岩の破片が当たった。

 痛い。

 タイガーは真後ろを振り返って、小石を投げつける。

 すると、サンゴの中にいた何かにぶつけたみたいで、動きが鈍くなる。

 次の攻撃までのチャージが長い。

 私とタイガーは全力で、皆のそばに駆け寄ると、


「何かいた!」

「あぁ、何かいた!」

「何かってなんだ」


 スノーの憐れんだ目が染みた。

 しかし私とタイガーは互いに息を荒げて、肩から息をしていた。

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