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■211 巨大な岩

この岩には意味あり?

 私達はまた歩き始めました。

 まだまだ道のりは長いのか、山道が蛇のように入り組み始めます。


「うわぁ、急に下がった」


 いきなり角度が下がったのでびっくりしました。

 傾斜は低く、今度は上がります。


「まるで蛇の背中のようですね」

「ウネウネしてるから?」

「はい」

「蛇は上下には動かない。それを言うなら、龍の動きだろ」


 スノーがつまらないことを言った。

 確かにKatanaが蛇って例えたのは変だったけど、わざわざ訂正することでもないじゃないか。

 何てめちゃめちゃくだらない言い合いをしていると、


「何これ!?」


 道が塞がれていました。

 何の前触れもありません。

 ただただそこに大岩が鎮座していて、その先に進むことも見ることもできませんでした。


「これも仕様かな?」

「さあな。どちらにせよ、この大岩を砕くしかない」

「では私が」


 Katanaは刀を構え、抜刀した。


「龍蒼寺流剣術肆ノ型“岩砕き”!」


 まさに岩を砕くための技。

 右下から斬り上げたその刃は確実に大岩を砕いて・・・ない!?」


「砕けてないよ!」

「どうやら私の実力では砕けないみたいですね」


 そんな……。

 状況が一変した。

 今度はタイガーとちなっちが挑む。


「おんどりゃあ!」

「灼熱斬!」


 2人の連携技。

 しかもちなっちは新技だった。

 しかしその演出は何処へやら、大岩はびくともしません。


「あちゃー。駄目っぽいね」

「チッ。マジかよ」


 2人でも駄目らしい。

 そんなの厳しいよ。スノーも弓矢を放つがびくともしない。罅すら入らない。


「じゃあ私の番だね」

「マナ、策でもあるのか?」

「ないよ」


 とりあえずやってみるだけやってみよう。

 私は〈麒麟の星雫〉を抜くと、思いっきり斬りつけてみた。しかし剣は簡単に弾かれてしまって、私じゃ無理・・・かと思ったら、


 ドシャーン!


「えっ!?」

「砕けちゃった」


 ちなっちが唖然としていた。

 私何もしてないよ。力もないのに、何で砕けちゃったのかな。

 一番慌てていました。

 しかしスノーは、


「何か違いがあるのか。私達とは違うもの……ん!?」


 スノーは目を凝らしました。

 それからタイガーも同じように目を凝らし、とんでもないものを目にしました。


「おいおい。マジかよ……」

「何かあるの?」

「大岩だ」

「「大岩!?」」


 私とちなっちは声を揃えていました。

 それからスノーは【鷹の目】を使って遠くを見通し、そこに大岩があることを確認。

 それを聞いて絶句した。


「またなの?」

「何か意味があるとしか思えない配置だな。とにかく行ってみるぞ」

「しかないよねー」


 てな訳で、私達は次の大岩に向かいました。

 しかしーー


「そりゃあ!」


 今度は全く割れませんでした。

 じゃあさっきのは一体何?

 そんな風に思ってしまったが、Katanaの番になるとーー


「今後こそ。“岩砕き”!」


 簡単に壊せた。

 呆気ないと思った私達だったけど、その先でさらに地獄が待っていた。


「お、おいおいおい。マジかよ。まだあんのかよ!」

「じゃあ次は私達の中の誰かかな?」


 ちなっちは法則を見つけたみたいだ。

 今のところ、私→Katanaと順番になっている。

 つまり次は誰になるのかだけど、


「今度こそ灼熱斬!」


 ちなっちが大岩を攻撃すると、炎が噴き上がった。

 大岩はバラバラに砕け散り、粉々になる。


「にひひ。やったね!」

「凄い凄い。カッコイイ技だね!」

「でしょでしょ!」


 ついにちなっちの灼熱斬が披露された。

 それから後2つ大岩があるのかと思ったら、


「じゃあ俺だな。虎風!」


 タイガーは風を纏った拳を叩き込んだ。

 大岩の真ん中から大きな風穴を空け、簡単に吹き飛ばすも、


「やれやれ、次は私の番か」

「頑張って、スノー!」

「ファイトです」

「頑張ることじゃないだろ」


 多分これで最後。

 本当に意味がわからない。

 スノーは大きな大きなため息を気づかれる間もなく吐くと、弓を構えた。


「いけっ」


 スノーは矢を放った。

 (やじり)は鋼鉄でできていて、大岩にグサリと刺さるも、罅しか入らない。

 そこでスノーは大鎌を取り出すと、


「終わり」


 鏃に大鎌を叩きつけた。

 圧倒的破壊力。

 振動によって組み込まれた鏃は大岩の罅を増やし、そのまま亀裂を混じらせて、破壊した。


「これで終わりなんだろうな」


 スノーがぼやくと、後にも先にもこれ以上大岩がある様子はなかった。

 ほっと胸を撫で下ろす。

 それにしても何でこんなものがあったのかな。


「しかし、こんなものが他にあれば誰も立ち入らないはずだが……」


 スノーがそんなことを呟いた。

 確かにそうだ。

 まるで私達を試しているみたいで、不気味に思う。

 そんな時、


「ん?」


 Katanaが、遠くを見ました。

 崖の上です。山々に挟まれた山道は剥き出しの崖を境にした、谷底のようになっています。


「どうしたの?」

「いえ、何かいたような」


 Katanaが気のせい?

 そんなことあるのかな。

 しかしそこには何もない。


「モンスターですね。すみません、先を急ぎましょう」


 しかしKatanaは首を横に振り、私達は山道をさらに進んだ。

 意味がわからないことばかりで変に思うのはきっと私だけじゃないはずです。


「気にしない気にしないのー!」

「楽しかったしな」


 ちなっちとタイガーはそんな空気を壊しました。

 そのおかげで軽快な足取りに戻った私達は、見えてきた建物の数々にほっと胸を再度撫で下ろしましたのです。


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