表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
210/266

■210 ホシナリ山道

ホシナリに行くよ。ここから長いよ。意味あるよ。

 その日、私は変なテンションでした。


「ふっふふーん。ふふーん」

「気分いいね、マナ」

「うん!」


 私はかなり愉快な気持ちでした。

 心が弾むようで、これから行く町に何かしらの思い入れがあるわけじゃないけど、ビビッと来たんです。

 だって、


「ホシナリだよ。星の形してるんだよ!」

「それはそうだけど……」

「まさかこんな山奥にあるとはな」


 スノーが愚痴を溢します。

 そもそもあの地図を見た時、私がここに行きたいって言ったのに誰も遠慮しなかったんだもん。

 それにほら、


「楽しみですね」

「名産何かなー。楽しみだぜ!」


 Katanaとタイガーはノリノリだった。

 2人ともこの傾斜の急な坂道も何のその、軽快な足取りで登っている。

 それからちなっちもだ。


「ほらほら。体力がないのは、私達だけなんだから」

「チッ」


 スノーは舌打ちをした。

 そんな私とスノーを見て、何か思うところがあったのか、ちなっちは、


「ほらほら行こ行こ」

「おい、背中押すな」

「痛い。痛いから!」


 まさか背中を押さえるなんて。

 しかも痛い。痛すぎるよ。ちなっちはスピードだけじゃなくて、パワーもあるから急に力をかけられて、体が痛かった。

 しかも上り坂なんだもんね。


「そんなに気を落とさないの」

「落としてはいない。ただ……」

「ただ?」


 スノーが言いたいことを予測した。

 すると、


 ガウガァ!


 急に岩が転がってきた。

 かと思えば、岩がアルマジロの姿に変わった。


「何これ!?」

「やはり来たか。おかしいと思っていた」


 スノーが警戒していたもの。

 それは考えればすぐにわかった。


「ここに来るまでモンスターに出会わなかったもんね」

「そう言うことかー。って、岩のモンスター?」


 ちなっちは首を傾げた。

 岩のモンスター。つまり斬撃系の攻撃が効きにくいのだ。


「コイツはイワマジロ。ミツオビアルマジロがモチーフのモンスターで、背中が岩になっている。つまり、全身が岩の鎧で覆われてるってことだな」

「じゃあ斬撃系は……」

「厳しいな」


 だったら前に出るのは1人しかいないよね。

 指示を出す前に、先手必勝な一撃を放った。


「おんどりゃあ!」


 タイガーが思いっきり殴りかかった。

 するとイワマジロは背中を丸めて、鎧にする。

 しかしタイガーの一撃は相当重く、鎧を破壊するには十分すぎた。


 グギュァ!


「酷い」

「惨い」


 私とちなっちはそれって同じ顔をした。

 しかし砕けた岩の破片が飛び散ると、ちなっちは即座に抜刀。

 岩の破片を的確に双剣で打ち落とす。


「まだ来るぞ!」


 スノーは弓を構えていた。

 矢は的確に肉質の柔らかい部分に入り、Katanaはそれに合わせて矢を奥まで押し込んだ。


「今度は3匹ですか。はあっ!?」


 するとイワマジロは自分から丸くなって、体当たりをした。

 しかしKatanaは逃げることはなく、刀を抜刀する。


「龍蒼寺流剣術漆ノ型“粉雪”!」


 左からの逆胴に、イワマジロは巻き込まれた。

 まるで粉雪のようにサラサラとしていて、ほんのひと時の隙間を裂いたみたいだった。


「よーし、私も!」


 〈麒麟の星雫〉は使わず、〈波状の白星〉で衝撃波を送る。

 イワマジロは衝撃で吹き飛ばされ、そこに拳を叩き込んだ。

【体術】と〈暗縫の黒星〉を使ったことで起こった闇が、イワマジロを身動きの一つも取れなくして粒子に変えた。


「ふぅ」

「これで最後!」


 タイガーは無鉄砲に戦った。

 その結果襲ってきたイワマジロの群れを次々に倒していき、私達の経験値に変わった。


「あっ、レベル45超えたよ」

「私は48だな」


 久々にレベルを確認してみた。

 正直このレベルが最近じゃ技術で補えるようになってきたから、スキルと同じで使う機会も少なくなった。

 けれどやっぱりレベル上げは楽しいし、嬉しい。


「でもホシナリに行くのに、関係ないんだね」

「関係ない?」

「モンスターの種類だよ。イワマジロって普通……って言うか、アルマジロだよ!」


 私の疑問はそこに尽きた。

 するとスノーは興味なさげな様子で、


「そんなこと関係ないだろ。とにかく早く行くぞ」

「あっ、待ってよ」

「待つ待たないじゃない。こうしている間にも次のモンスターに集まられても困るだけだ」


 確かにそれは言える。

 私は自分を抑えつけると、スノーの後に続いた。

 ちょっと疲れてしまったけど、でも楽しいことに変わりはない。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねなども気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=446623083&size=300
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ