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201/266

■201 渡船に乗りました。

ついに201話!300もきっとすぐ。

 〈ナミカゼ〉の人間が、皆んな幼児化してしまう事件から数日。

 無事元の町に戻り、例のイベントは終了した。

 本当に食べなくてよかったと、終わってからもゾワゾワした。

 そんな中、私達の目的の船がようやくお目見えした。


「マナ、あれだよ!」

「うわぁ、おっきいね」


 私の視界に飛び込んできたもの。

 それは木造の巨大な船だった。

 桟橋(さんばし)が船から伸びていて、橋の上をたくさんのNPCやプレイヤーが歩いている。

 入る人に、出てくる人と様々で、私達はこれから乗り込むところだった。


「フェリーのようなものだな。いわゆる、渡船というやつになる」

「私、船に乗ったことなんてないよ!」

「私も私も!」


 私とちなっちは小さな子供みたいにはしゃいでいた。

 幸いにも、私達は誰1人として乗り物酔いをする人はいない。そのおかげで、気ままな旅ができそうで何よりだった。


「この船は本来、ヴォルカニカを終着とする船だが、途中で色々な場所に止まる。私達はホシナリに行くから、途中で降りて後は歩きだ」

「そう言えば歩いて行ける距離なの?」

「途中でまあ一度船に乗る。が、十分だろ」

「そうだね。あっ、Katana達が戻ってきたよ!」


 一方、Katana達は私達と合流した。

 その隣にはタイガーの姿があって、その手には何か持っていた。かなり大きい。四角いのやら、丸いのやら、壺みたいなのもある。何だろ、あれ?


「皆さん、お待たせしました」

「それはいいけどさ、それってお弁当?」

「そうだぜ!いやぁー、タコ飯買えてよかったー」

「タコ飯?」


 タイガーは嬉しそうだった。

 イカ飯なら聞いたことがあるんだけどな、と思いつつ、私達は意気揚々、船の中に乗り込みました。


「綺麗な海だね」

「確かにー。でも、星来島も綺麗だけど」

「あそこは人やモンスターが極端な程にいないからな。そのせいだろ」


 スノーは納得の言う答えをくれた。

 船の上にはたくさんのNPCやプレイヤーがいるのに、船が大きいので圧迫感は全くない。

 それにこの船は中にも部屋があるからか、ほとんどの人はゆっくり中で過ごしている。


「外にいる人って、少ないんだね」

「船酔いする奴でもいるんだろ」

「そう言えばKatanaとタイガーは?」

「Katanaは、あそこだ」


 スノーが親指でKatanaを指差す。

 船に体を預け、揺蕩う波を見ていた。潮風が颯爽とKatanaの周りを吹き抜け、さらさらと髪を揺らす。


「絵になるね」

「ドラゴニュートって言うのがまたいいね」


 タイガーはと言うと、買ったばかりのお弁当を広げて食べていた。

 いくつ買ったのかと思えば、3つも4つもあって、1人で食べるには多すぎる気がした。


「ホントで全部食べてるよ」

「凄いね。でも、考えながら食べてない?」


 タイガーは「うーん」とか「あー」とか言いながら、ぶつぶつ呟いていた。

 頬をかいたり、頭を抱えたりして、顔色を遠目から窺うと、


「どうしたらこの味とかの味を掛け合わせて、最高のイカ飯が作れるのかな?的な」

「イカ飯だったら、タコじゃなくてイカでいいじゃんか!」

「怒らないでよ。後、今のは私が思っただけで……」

「いや、どうやら本当みたいだぞ」


 スノーはそう語る。

 一体何故かと思えば、どうやら聞いてきたみたいだ。

 流石のスノーでも暇すぎるのか、退屈そうだった。


「2人とも少し回ってみたら?」

「そうさせてもらう」

「じゃあ私も行くねー」

「うん。行ってらっしゃい」


 私は暇そうにしていた2人と別れ、1人で船の上でぼーっとしていた。

 青空がゆっくりと流れていく。

 ふわふわの雲が浮かんでいる。


「綺麗な空だねー。えっ!?」


 そんな中、ふと目に映り込んだのは人影だった。

 空を浮かぶ人影。それがゆっくりと迫ってきている。

 私は慌ててしまい、あたふたする。


「えっ、ちょっと待ってよ!?」

「よっと」


 しかし私に落ちてくることはなく、目の前にスッと現れた。

 そこにいたのはプレイヤーで、NPCではない。

 金色の髪に黒いメッシュが入った女の子。

 彼女は何事もなかったかのように、私と顔を合わせると、


「ごめんごめーん。びっくりさせちゃたね」


 眠たそうに気の抜けた声が飛び出た。

 私は困惑していたけれど、ニヒヒと何故か笑っている少女は、意味もなく私の隣に座り話しかけてくるのでした。

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