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■195 小テストは苦手

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「はぁー」


 ギルドホームの中にため息が広がった。

 もちろん、私のため息だ。


「どうなさったのですか、ちなっちさん。ちなっちさんらしくないように思うのですが」

「そっかなー。あはー、明日小テストあるんだよねー」

「小テスト?授業中にか。それがどうした」

「どうしたって、嫌なんだよねー。あの先生、厳しいって言うよりもさー」

「ん?佐藤先生のことだよね。あの人、バスケ部の顧問でちなっちとは仲良くなかったっけ?」

「うーん、前に勧誘断っちゃったし、いやなんかこう」

「あー、“声張っていこう!”的だもんね」

「そうそれ!」

「どう言うことだよ」


 タイガーが的確にツッコんだ。

 確かに話の概要を知らないと、そうなる。

 けれどこれは誰かがどうにかしてくれる話じゃない。単純に、あの人のテストが難しいから、嫌なんだよなー。

 私は心の底から大きなため息が零れた。

 しかし、それを聞いたスノーは呆れたようで、


「小テストなんてくだらない。適当にやればいいだろ」

「適当だと怒るんだよ!ねえ」

「えーっと、私は怒られたことはないけど、なんでいつもいつも平均点なの?とは聞かれたかな。あっ、でもでも!文章の書き方は褒められた!」

「それはよかった。で、どうするんだ」

「スノー、教えてー!」

「教えるのはいいが、範囲は」

「えーっとね、こことこことここ!」


 私は、コピーして来た教科書のページをウィンドウに貼り付け、スノーに見せた。

 するとスノーは眉根を寄せて、顔を顰めた。


「こんな簡単な問題が……」

「誰もスノーと同じじゃねぇんだよ」

「ぐはっ!」


 タイガーの辛辣な言葉に、流石のスノーも心にダメージを受けた。

 いじけてしょぼくれるのは勝手だけどさ、早く教えてよ!ねえねえスノー、何とかしてー。



 てなことがあって、一夜明け午後の最後の授業。

 私は机の上の答案用紙と睨めっこ中。


(半分は解けたけど……解らない)


 とりあえず答案用紙の半分は埋めた。

 多分あってる。あれから、ノースに忙しなく教えてもらったから間違いない。

 だけど最後の方は難解だ。

 一応四択問題だけど、どれが正解か解らない。

 困った。そこでふと、愛佳はどうしているのか気になった。


「皆さん、カンニングは駄目ですからね!そんなしょうもないことをして、これまでの頑張りを無駄にしてしまったら元も子もないんですからね!さあ、最後まで諦めないで頑張りましょう!先生も応援しています。頑張れ頑張れ、皆んなー!」

「先生、うるさいです」


 誰かが注意した。

 するとシュンとなる佐藤先生。まああの人は、あれでいいんだけど。

 それより愛佳は、ん?


(鉛筆?まさか!)


 愛佳、あの最強の技を自分のものにしたの!

 いや、中学の時から完成形だったけど、まさか、鉛筆転がしで四択を当てるなんて・・・恐ろしい、強運。

 愛佳は鉛筆を転がしながら、スムーズに解いていた。

 私も負けてられない。いや、自分に負けてられない。

 その意気込みを燃料に、佐藤先生じゃないけど、頑張ってみることにした。


(えーっと、ここは2。こっちは4。それから最後は3番だ!)


 もう解らない。

 とにかく勘を頼りに解いた。


「はい、終了です。皆んな、手を膝の上に置いて。回収するから、ちょっと待っててね」


 一応頑張った。解けるだけ解いてみたけど、当たってるのかは分からない。

 けれど、やり切った感だけは確かにあって、終わった後の解放感からか、私はグデーンと机に突っ伏していた。

皆んなはテスト如何ですか?

ちなみに愛佳は鉛筆転がした時の正答率は100%ですよ。

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