表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/266

■186 答えを求めるなら

今回はKatanaパートです。少し短いよ。


ちなみにだけど、皆さんは「女の子が主人公の異世界ファンタジー」って、書いてみようと思ってるけど、どう思いますか?

いつも通りだけど、あんまり無茶な設定は入れないようにしようと思うけど。

 私は1人でログインして、例の場所にやって来ていました。

 そうそこは・・・


「神鳴神社……今日は、いらっしゃるでしょうか?」


 ここは〈ミヤビ〉の街にある、少し古くて人々にあまり認知されていない、歴史を感じられる神社でした。

 ここからは街の様子を一望出来るだけでなく、大きな桜の木が(そび)えています。

 ですが、本日私がここにやって来たのは他でもありません。

 あの方に、あの方なら、何かを知っているかもしれないと思い、やって来たのでした。


「おや?」

「こんにちは、細さん」


 そこにいらっしゃったのは、(ささめ)さんです。私達の一つ歳上で、ここでは巫女装束を纏い、竹箒を使って、神社の境内を掃除していました。

 プレイヤーなのか、そうでないのか、どちらなのかは未だに不明ではありますが、この方なら私達の知り得ない“何か”を知っていても、おかしくはないでしょう。


「お久しぶりですね、Katanaさん。本日はどのようなご用件で?」

「細さん。私は、貴女に聞きたいことがございます」

「私にですか?一体なんでしょうか」


 細さんは笑顔を崩しませんでした。

 それから、声音も冷静そのものです。その風貌や立ち振る舞いは、まるで“既に理解しています”と、心の隙間を覗かれた後のように思えてしまう、圧迫感を感じました。


「単刀直入にお聞きします。貴女は、この街の強大な敵への接触方法をご存知ですよね?」

「さあ、どうでしょうか?」


 細さんは、即刻はぐらかすような態度を取った。

 私はその態度に応じる形で、「そうですか」と短く呟くと、自然と腕は鞘に収まった刀の柄に伸び、抜刀していた。


 キィーン!


 甲高い金属音が響きます。

 私の抜刀した〈夜桜蒼月〉と、細の刀がぶつかり合いました。


「ぐっ!」

「なるほど。ホンモノですね」


 “ホンモノ”?その言葉に、妙な違和感を抱いた。

 しかし、細さんは特に何かを言うことはなく、スタッ!と後退すると、正眼に刀を構え直しては、集中を始める。


(空気が変わった!?)


 さっきまでのものとはまるで違う空気。別人のように思えてしまいますが、そこにいるのは細さんです。

 タイガーさんのように、性格やキャラをコロっと変えたわけでもなく、空気を明確に変えたようでした。


「貴女にこれが受けられますか?」


 細さんの声は冷静そのもので、まるで雪のようでした。

 しかし少しでも間違えれば、氷のように痛くて冷たいものに変わってしまいそうです。


「(受けられないのでしたら、そこでお終い。と言うことですね)……はい」

「そうですか。では、行きますよ!」


 その瞬間、殺気がそのまま刀を通じて私に放たれた。

 そこに明確な致死物はない。しかし私は威圧的なまでの殺気に、心の奥底まで圧倒され、今にも折れてしまいそうでした。

 しかし、〈夜桜蒼月〉はそんな私とは対照的で、私に「動け」と言っているようです。


「受けきれないのなら……」


 瞬時に思考を逆転させ、その場で真横にするりと避けました。


「はあっ!?」


 細さんの意外そうな声が漏れ聞こえます。

 しかし私にはそんなことは関係なく、


「受けられないのでしたら、受けなくてよいのです!」


 〈夜桜蒼月〉を真横に伸ばします。

 私はここで何かを持ち帰る。その答えがこれなのだとしたら、それは既に私の手の中にあります。この子と一緒に。


「刀華流“水面蓮(みなもはす)”!」


 水面をなぞるように放った刃は、真っ向から細さんの衝撃波を断ち切るのではなく、スッと刺身(さしみ)みたいに、滑らかだった。つまり、強引にではなく、断面に沿って断ち切ったことで、空気は正常に保たれた。


「なあっ!?」


 細さんは、驚いた様子で、私はその瞬間を見逃さずに、距離を詰めました。

 しかしーー


「えっ……」


 私は地面に座っていました。

 身体に力が入りません。指先も、口を動かすことも、首を動かすことだって叶わない。まるで、意識が完全に残っている状態で、麻酔を打たれているみたいだった。


「すみません、少々驚いてしまって」

「あっ……」

「大丈夫です。しばらくすれば起き上がれますから、その間私も側にいるので、安心してください。それとです」


 細さんは、私の耳元に向かって、こう語りかけました。


「貴女は合格です。今の調子で、断ち切ってしまいましょう」


 優しい声で、私にそう語りかけてくれましたが、私にはそれよりも、細さんが一体何をなさったのかが、非常に気になってしまいました。

 それと同時に答えがわかるの同時に、虚しさのような悔しさのようなものが、ひしひしと目覚めていました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=446623083&size=300
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ