■16 VS蛇
前後編ってことで。
今後編書いてます。いや、書こうとしています。(by.投稿から一週間以上も前の話……
私とちなっちはあれからレベル上げを続け、私のレベルが15。ちなっちのレベルは8まで上がった。
この間、と言うか一昨日スノーに会った時に聞いたが、彼女のレベルは20だそうだ。私も負けてられないと勝手に思った。
「それじゃあそろそろ行く?」
「オッケー!じゃあ行こっか!」
私は頷き返す。
そうこれからあの洞窟にリベンジするのだ。いや、リベンジではない。いよいよの初挑戦である。
「前と変わってないね」
「そりゃすぐには変わらないでしょ。じゃあ行くよー!」
「待ってよ、ちなっち!」
私はちなっちの後ろを追いかけた。
隣に立ち、またしても暗がりの中を進んでいく。
今回も木の棒に油を染み込ませた布を巻き、火を付けて松明にする。
松明を持つのは今回はちなっちだ。
そうすると炎の加減でちなっちの腰に帯刀した剣の柄がキラッキラと輝いてみせた。
「前もこの辺りだったよね?」
「うん。マナ準備はいい?」
「もちろんだよ。ポーションも買えるだけ買ってきたし、行こちなっち!」
「だな」
私はちなっちにそう声をかけた。
「じゃあ行くよ」
「うん」
私とちなっちは揃って足を踏み入れた。
しかしそれだけでは何も起きない。
「真ん中ぐらいまで行ってみよう」とちなっちが言ったので、私達は少し踏み込んでみた。
すると急に地面がガタガタと揺れ始め、私達は体勢を崩した。
「えっ、なに!?」
「気をつけてマナ。何か来る!」
「何かってなに!」
「見てればわかるよ。ほら来た!」
そう叫ぶちなっち。
私はぐらつく足元にすくみながら、正面を見た。するとそこには何かの影。生き物のものだ。影が伸び、それが肥大化して巨大になる。
ウネウネとした体。
塒を巻いている。
「何コレ?」
「見たところ巨大な蛇みたいだね」
ちなっちは松明の火を上げた。
するとガラスのような瞳がギョロっと私とちなっちを睨んだ。
いや睨んだのではない。慄かせるように見つめて来たのだ。メタリックピンクの肌。赤く長い舌。間違いない。コレは蛇だ。しかも体長は高さだけで3メートル近くある。
「ポイズンアナコンダ、ねー」
「ポイズンってことは毒?でもバイパーじゃないんだ」
「そこは気にしなくていいんじゃない?」
「でも今更だけどViperって、Vから始まってるよね?ヴァイパーじゃないの?」
「そこは別によくない?それよりアナコンダって確か毒ないんじゃなかったっけ?」
「うんそうだよ」
「しかも3メートルって……もっと大きいのいるでしょ」
「そうだね」
そんな呑気な会話をしていた。
しかしそんな私達目掛けて容赦しないのがモンスターだ。
長い体を利用してバネのようにして反動で突進してくる。
巨大な頭が地面を抉る。
私とちなっちは互いに別々の方向に避けた。私は左。ちなっちは右だ。
「ちなっち大丈夫!」
「平気平気ー!それよりそっちは!」
「大丈夫!何にも心配要らないよ」
「そっか。じゃあここからは各々攻撃で!」
「りょうかーい!」
私とちなっちは息を合わせて攻撃を開始。
私は〈麒麟の星雫〉を抜刀し、アナコンダの左サイドを斬った。
それに合わせてちなっちも双剣でバッタバッタと斬り裂いていく。
その攻撃の連鎖に悲鳴を上げたのはもちろんポイズンアナコンダ自身だった。
「うわっ!」
ちなっちが声を上げる。
如何やらちなっちの方ではアナコンダが首を向け、毒を吐いたみたいだ。
てか蛇の首って何処?
「ちなっち!」
「うわっ危な。気をつけてマナ!コイツの毒、多分酸性!」
「さ、酸性!?毒って溶かすから酸性じゃないの?」
「じゃあ別の言い方。コイツの毒、地面なんて簡単に溶かしちゃうぐらい強力みたい。要注意」
「うん。わかったー!」
私はそう返事をした。
如何やら向こうは大変みたいだ。少しでもこっちに注意を向けられないかと思い、私はポーションを飲み干して体力を回復しながら攻め立てた。
「おりゃ!」
〈麒麟の星雫〉がポイズンアナコンダの皮膚を斬り裂く。
それにかつてない痛みを覚えたのか、私の方に向き直る。
長い体で締め付けを図るが、私はそれをスキル【ジャスト回避】で逃げ出したのだが、それに合わせる形で毒を口から吐き私に浴びせにかかった。
「うわあっ!」
「マナ!」
私は毒がまともにかかってしまった。
毒の色は紫でまさに毒って感じで毒々しい。
そしてステータスバーには毒のエフェクトか、どくろマークが表示されている。ポワポワと泡みたいなものが現れ、私の身体を蝕んだ。
「い、痛い」
「マナ!」
私に駆け寄ろうとするちなっち。
しかしそれを妨害するようにポイズンアナコンダが立ちはだかる。
「邪魔!」
ちなっちは剣をクロスさせた。
そしてそのまま斬りかかろうとするのだが、学習しているのか攻撃モーションが変わった。
尻尾で軽くあしらわれ、鞭のようにしなりながら薙ぎ倒される。
「ぐはっ!」
「ちなっち!」
私は叫んだ。
ポーションを飲んでも追いつかない。
しかしだ。ここで変なことが起きた。
私のHPが10分の1に差し掛かった途端。ピタリと止まった。その上毒のエフェクトが完全に掻き消える。
何が起きたのだろう?そう思う私。すると私の目の前に【毒耐性(小)】の文字が現れる。いやそこじゃない。何で私のHPはこれ以上減らないのか。それが疑問でならなかった。
「どうなってるの、これ?」
私は首を傾げた。
しかし今は絶好のチャンス。私は追い込みをかけることにした。
「ちなっち行こ!」
「マナ!?」
心配そうに声音が震えているちなっち。
しかし私はそんな彼女にこう伝えた。
「一気に決めるよ!」
アドレナリンの分泌が止まらない。
私はこれでもかと高なる心臓の鼓動と血流の流れを感じていた。それを受けてか、ちなっちも本気の目になる。
これから私とちなっちの第二ラウンドが始まろうとしていた。




