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■144 千夏の休日①

今回は短いお話。

いわゆるキャラ付けってやつ。

 その日の私は休日ってこともあって近所をプラプラ歩いていた。

 特に予定もないけどやっぱり外に出て身体を伸ばすのは気持ちいい。運動と勉強なら運動の方が得意だけど、今じゃ春先にちょっとだけ顔を出した陸上部も辞めてのびのびしていた。


「うーん、なんかないなー」


 暇を持て余して近所を散策していると、ふと目に止まったのは近所の公園だった。

 昔はよくこの公園で遊んでいたなと懐かしく思うけど、別に今でもたまにやって来る。ちなみになんでこの公園に来ないのかって言うと、近くの河川敷とかもうちょいおっきな公園があるからそっちの方が都合がよかった。


「この公園ってキャッチボールするにしてもアスレにしても子供向けだもんねー」


 それでも懐かしさには敵わない。

 私は公園の中に入ると、鉄棒に目がやった。


「うわぁ低っ!」


 それは子供向けの鉄棒だった。小学生向けの高さで、高校生にもなった私には全然高さが合わなかった。


「昔はこの鉄棒でよく逆上がりとかしてたっけなー」


 昔っから運動はメチャ得意だった。そのおかげでリレーではいつもアンカーだったし、山登りをしても息切れなんてなかった。それに拍車がかかったのは高校に入る前。中1から中3の間で飛躍的、いや爆発的に跳ね上がったような気がする。気がするって言うのはそんなに実感がないから、前に愛佳に言われたことの受け売りだった。


「うーん、でもそんな変かなー?」


 私ってそんな変かな?それだったら“相手の考えてることがすぐにわかって、運もいい”愛佳や“なんでも出来て、記憶力も良いし何処から溢れて来るのか知識もある”ノースだって変だと思うけどなー。せいぜい私は“走っても疲れないとか、160キロぐらいでボールを投げれるとか”ぐらいだよ。

 まあちょいと考えてみたら普通じゃないのかもだけど、変ってことはなくない?


「まあいっか。考えても仕方ないし、それよりも……」


 私は鉄棒に腰をかけていたが、隣にある大人用の鉄棒に目をやる。低い鉄棒じゃ駄目だけど、今ならこっちでも出来んじゃね?そう思い腕を伸ばして棒を掴み、勢いをつけて逆上がりしてみる。


「せーのっと!おっ」


 地面を思いっきり蹴って逆上がりをした。体がふわっと宙に浮き、そのまま逆上がりを途中で止めた。

 腕をピンと張って公園を一望する。


「逆上がりなんて久しぶりだなー」


 スタッと地面に降り、腕をぶんぶん振るう。

 だいぶやってなかったけど身体は覚えていたみたいだ。

 そんな懐かしさと成長に感銘を受けて、私は今日を過ごすのだった。

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