■127 夏祭り①
めちゃくちゃ嫌なことがありました……しんどい。
それと今回は短いです。夏祭りの話、最後は結構重要回。
「うわぁー!」
「凄いよねー。まさかこんなに人がいるなんて」
私達は揃い揃ってお祭りに来ていた。
何を隠そう、今日は夏祭りだ。
「あの二人は」
「えっとー。まだみたいだね」
ノースがそんなことを呟く。
先に来ていた私達三人は少しの間待つことにした。それもそのはず、距離も違うので時間も差が出るのが仕方ない。
生垣に軽く腰を下ろし待っていると、聞き馴染んだ声がした。
「皆さん」
「ごめんね。遅くなっちゃった」
刀香ちゃんと大河ちゃんがやって来た。
二人とも慌てて来たのか、特に大河ちゃんは目をとろんとさせている。息も若干荒い。
「大丈夫だよ。私達もさっき来たところだから」
「そうそう。だから気にしなくていいよー」
私と千夏ちゃんでフォローする。
見れば二人とも浴衣だ。こうしてみると浴衣の一つも着て来ていない私達の方があぶれて見えた。
だけど周りを窺っても、浴衣自体着ている人の数はそれほど多くもなかった。
「申し訳ありません。私の方から誘っていたにも拘らず……」
「だから気にしなくていいよ。私もこっちでお祭りがあるの知らなかったから」
「だよねー」
今日のお祭りはこの間、刀香ちゃんの家に行った際に教えてもらったのだ。
たまたま刀香ちゃんの部屋にチラシが置いてあってそれを見てしまったのだ。
「あっ、ねえねえ刀香ちゃん。コレは?」
「あっ。それは今度の週末、近所で夏祭りがあるんですよ」
「夏祭り?」
「そう言えば今年は行ってないっけー」
「うん」
話に千夏ちゃんが加わった。
確かに千夏ちゃんの言う通りで、今年はプールに行ったりカブトムシを獲りに行ったりはしたけど、海には行ってないしこうして人が多いところにのんびり気ままには行けてなかったかも。
別にそれが今が駄目ってわけじゃなくて、去年とは環境も変化していたことに繋がる。
「そう言えばそろそろだよね、夏祭り」
「大河ちゃんも知ってるの?」
「うん。学校にポスター貼ってあるから」
大河ちゃんはそう説明する。
そう言えば大河ちゃんって、刀香ちゃんとおんなじ学校だもんね。そっか。夏祭りかー。
「そうです。皆さんお時間が御有りになるようでしたら、是非とも一緒に行ってみては来れませんか?」
「えっいいの?」
「はい。私も皆さんを誘うつもりで本日はお招きした次第で」
刀香ちゃんは照れながらそう本音を漏らした。
なんだ。そんなことだったら私は決まってるよ。
「いいよ。私も行きたいもん」
「じゃあ私もー」
「夏祭りか。行ったことはないが……わかった」
「うん。私も、皆んなと、行きたい、です」
如何やら皆んなOKらしい。
何だか安心した。一瞬チラッと顔を覗くと、全員嫌々ではなさそう。ましてや刀香ちゃんの顔は安堵とにやけが渋滞していた。
「では場所はここ。それから時間は夜の7時に現地集合と言うことで」
「OK!」
「うん」
私と千夏ちゃんは首を縦に振る。
大河ちゃんもぶんぶん首を上下させ、ノースも鼻息を軽く鳴らした。
てなことがあったのだ。
如何やら元は花火大会だったものが、時代の流れでいつしか近所の夏祭りと合同になったそう。
昔から綺麗な花火が上がるそうで、楽しみだった。
場所も川沿いの綺麗な場所から上がるみたいだし、何だかわくわくする。
「じゃあ行こっか」
「ああ」
私は生垣から腰を下ろすと、皆んな揃ってお祭りに向かった。
場所は広場兼公園で、見る限りたくさんの人がごった返しているのでした。
前に他サイトで書いていた「お願いだから、私を師匠と呼ばないで」を大幅に内容を変更して新しく出してみようと思います。多分今日の10時ぐらいかな?是非呼んでみてください。




