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■110 新イベント来たー!

クリスマスですね。まあだからなんだって話なんですけどね……

ブクマしてくれると嬉しいです。

 私達は新イベントに参加していた。

 と言うのも他にイベントの参加者があんまりいなかったからだ。

 しかもその人達もあんまり乗り気じゃないみたいだし、他の冒険者ギルドも参加していないらしい。

 まあランダムな時間帯でのゲリライベントで、しかもエリアも決められていたのでやりたくても出来ないのだ。

 だったらユーザーから不満が出るんじゃないかと思うけど、スノー曰くちょっぴりそこには難があった。


「ねえねえスノー。他の人達って怒っちゃうんじゃないの?」

「まあ多少一部ではあるだろうな。だからと言ってそこまでの批判はないだろう」

「どうして?」

「価値がないからだ」

「ほえ?」


 如何言う意味だろう。

 私は首を傾げる。


「おそらく今回の報酬かと」

「報酬?」

「ああなるほどねー」


 Katanaが話の入りを作り、ちなっちが納得する。

 さらにタイガーも首を縦に振っていた。

 その感じからして“わかってない”ではなく、“わかっていて”って感じだ。つまりこの場でわかっていないのは私だけである。なんかそれはなー。


「で、報酬って?」

「今回の報酬はこの島自体だ」

「はい?」


 私は首を傾げるどころではなく、唖然としていた。

 ポカーンとしていると言っていい。

 一体何を言ってるんだろ。私にはわからなかった。と言うか理解も出来なかった。うん。

 で、如何しようか。まだ上手く飲み込めてないんだけど。ん?でも島自体ってどう言うことだろ。他にも島があると思うんだけどなー。


「ここには先にドラピューズを討伐したプレイヤーが現在いる島。つまり、島ごとに存在するドラピューズと言うモンスターの内倒したモンスターの発生した島を得られると言うことですね」

「要するに先に倒せば倒したドラピューズの生息している島の権利を貰えるってことだよねー」

「そうなるな」


 なるほど。ようやく私にも理解できた。つまりそのドラピューズって言う何かもわからないモンスターを早く倒せばOKってことだよね。

 噛み砕いてみると簡潔な内容になる。

 なんとなく自分の中でわかりやすいように落とし込むと、とりあえず如何しようかと話し合いになった。


「それでどうしよっか」

「手分けして探すとか?」

「どんな相手なのかわかんねえのにかよ。はあっ、やってらんねーぞ」


 確かにタイガーの言うことももっともだ。敵がどんな姿をしているのかもわからないのに手分けしても意味がない。

 前に皆んなで和薬草を探した時とかは少しでも頼りになる情報があったけど、今回は何もない。つまり手がかりゼロで探すとなると、結局変わらないのだ。


「スノー、どうしよう」

「そうだな。とりあえず海岸沿いを攻めるか山を登るかの二通りが考えられるな」

「えっ、どうして?」


 私はスノーに尋ねる。


「この島の地形は主に森に覆われた山と海岸沿いの砂浜だ。このドラピューズというモンスター。正体はわからないが、名前の“ドラ”に着目しそれを仮定してドラゴンだとする」

「ドラゴン!」

「あくまでも仮定の話だ。そしてこの大規模……とは言えないイベント。その仮定を仮設に置き換えるとして、流石に小さいモンスターとするのは些か無理がある。となると洞窟や身を潜めるのにちょうどいいのはやはり森の中。つまり山の方面を探すことを私は提案するが」


 スノーはそう説く。

 うーん。なんだろ。私はピンとこないなー。


「確かにねー。その線が濃厚かも」

「どちらにせよ行動を起こさなくては意味がありません。私はその意見に従います」

「とにかくさっさとけりつけねーと、他の奴らに先越されんのはゴメンだぜ」


 皆んなスノーの意見を採用してるっぽい。

 だけど私だけ不満げな表情でいたことをスノーは早々に気付いていた。


「マナ?」

「私は海岸沿いだと思う」

「海岸沿い?砂浜ってことー」

「うん」


 でもその意見に対して皆んな神妙な顔色になる。

 確かにスノーの言葉を借りるならそれは対比に位置している。だけど私にはなんとなくだけど、こっちな気がしていた。


「なんとなくだけどね」

「なんとなく、か。うむ……」


 スノーが黙り込む。

 だけどほんの数秒の間を置いてスノーが口にしたのは自分の言葉を否定するものだった。


「わかった。マナの考えを信じる」

「えっ!?」


 私は驚いてたじろぐ。

 目をカッと見開くのは当然だ。


「な、なんで急に?」


 私は率直に聞き返した。

 するとスノーは意外なことを言い出す。


「なんとなくを信じてみたくなっただけだ」

「えっ!?そんなのでいいの!」


 私は大声で叫んでしまう。

 そりゃそうだよ。だって私のなんて根拠もなんにもないただの勘だよ。それを鵜呑みにする程、スノーは頭悪くないもん。なのに急に如何して……


「なるほどね。マナのなんとなくかー。それは意外に当たってるかも」

「えっ、ええっ!?」


 ちなっちまでそう言い出す。

 するとKatanaとタイガーも二人に飲まれるように意見を変えた。もっとも二人とも行動を起こさないと変わらないことを見越していたので、単純に意見を変えたのではなく皆んなの意見に切り替えたんだけどね。


「ちなっちや皆んなまで。ホント、急にどうして?」

「いやー、マナって運いいじゃん。で、マナがこうした方がいいって言ったらたいてい当たる(・・・・・・・)もんねー」

「そんなことないよ」

「いやそんなことあるよー」


 ちなっちは私の否定を真っ先に否定する。

 流石は私の親友。って、私そんなに運いいのかな?まあちょっぴり普通よりはいいかもしれないけどさ。でも皆んなの視線が熱くて痛いなー。もう、いいや!


「じゃ、じゃあ私の採用で」

「ああ」


 スノーはコクリと首を縦に振る。

 本当にいいのかな?ちょっぴり不安になる私でした。


妖怪×VRMMOってどうかなー?

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